山小屋トイレの地下浸透方式廃止へ 研究会が方針確認

信州山岳環境保全のあり方研究会」は十日開いた五回目の会合で、山小屋のし尿処理
について、今後十年をめどに、地中やがけなど地下に浸透させる方法をやめ、合併浄
化槽や焼却炉の設置などに切り替えていく方針を確認した。強制力はないが、県や山
小屋経営者らが共通目標を設定したことで、山のトイレの改善に弾みがつきそうだ。

県によると、トイレがある県内の山小屋は百八十二軒。このうち、今は地下浸透方式
の改善を予定していない小屋が八十二軒(45%)に上る。

今後は、県内の山域を(1)中部山岳国立公園南部(2)同北部(3)南アルプス国
立公園(4)八ケ岳中信高原国定公園(5)中央アルプス県立自然公園(6)御岳県
立自然公園(7)その他―の七区域に分け、事務局が、各区域の代表者らに地質や気
象条件に合った処理システムの研究などを要請。それぞれ具体的な整備目標を検討し
ていく。

同研究会事務局の県環境自然保護課は「山小屋が経営見通しや新しい処理方法を決め
るまでの期間などを勘案して十年とした。スローガン的な目標」と説明。十年以内に
改善できない小屋への強制的な指導は考えていないとしている。

同研究会は昨年九月に、県や山小屋経営者、登山愛好家ら約二十人で発足。自然環境
に配慮した山小屋のし尿処理のあり方などを議論していた。(5月11日 信濃毎日新
聞)

ACHP編集部

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