2邦人が遭難死 千島列島北部アトラソワ島

【ユジノサハリンスク29日中元克治】ロシア非常事態省は二十九日、千島列島北部の
アトラソワ島(阿頼度島)で、山スキーに来ていた日本人男性二人の遺体を収容した
ことを明らかにした。

同省やタス通信によると、死亡したのは菅原知樹さん(28)=新潟県村上市=と島崎
聡さん(27)=東京都奥多摩町=。

二人は二十八日、ガイド、通訳のロシア人三人とともに同島に上陸。アライト山
(二、三三九メートル)の標高四百メートル付近まで登ったが、ロシア人ガイドが負
傷。ロシア人三人はいったんベースキャンプに戻ったが、菅原さんらは二人だけで山
頂を目指した。

集合時間までに二人が戻らないため、ロシア人が下山して同省に救助を要請した。二
十九日朝からヘリコプターが現場を捜索、同日午後六時(日本時間同二時)ごろ、標
高千四百メートル地点でロープでお互いにつながった二人を発見したが、すでに死亡
していた。

二人は、スキーが発見された同千八百メートル付近から滑落したと見られる。二十八
日、島の気温は二十五度まで上昇。晴天だったが、山頂部の風は強かったという。

一九九○年五月に同山頂からスキー滑走に成功した写真家阿部幹雄さん(48)=札幌
市在住=によると、アトラソワ島は全体が山のような火山島。技術的には山スキーも
難しくなく日帰りも可能だが、標高が高く、かなりの体力を要求される。気象は厳し
く、特に強風には注意が必要という。

ウラジオストクの日本総領事館は三十日、職員をカムチャツカ州に派遣する。(4月
30日 北海道新聞)

ACHP編集部

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