立山でスノーボーダー滑落死

◆スノーボーダー遭難 滑降ルート見誤る?

北アルプス・立山から黒部湖を目指した女性スノーボーダーが二十三日、コースを
誤って滝つぼに転落した事故は、大自然の中で行うスポーツの危険性を浮き彫りにし
た。雄山山頂から御山谷を経て黒部湖畔に降りるコースは、スキーやスノーボード上
級者のツアーコースとして知られるが、女性が迷い込んだ御前沢は、無数の沢が流れ
込んですり鉢状の谷を形成し、傾斜も厳しい。県警山岳警備隊は「御前沢へのコース
は雄山の頂上から見ると黒部湖に向かって真っすぐに見えるため、間違えたのかもし
れない」と推測し、注意を呼び掛けている。

遭難したのは、東京都世田谷区野毛、ホームページデザイナー光田直美さん(3
2)。光田さんは同日朝、友人の女性(31)と二人で、室堂から雄山(標高300
3メートル)に登った後、黒部湖を目指した。ところが予定コースの御山谷ではな
く、北側の御前沢に迷い込み、同日午前十一時三十分ごろ、スノーボードを外して歩
いていたところ足を滑らせて滝つぼに転落した。友人の女性は約二時間をかけて黒部
ダムまで歩いて救助を要請。県警山岳警備隊が付近を捜索し、滝から約十五メートル
離れた沢の岸で遺体を見つけ、県警ヘリで収容した。

光田さんらがコースを外れた原因について、同隊は「御前沢へのコースは、雄山の頂
上から見ると黒部湖に向かって真っすぐ見える。御山谷へは黒部湖に向かって大きく
右回りとなるため、ルートを間違えたのかもしれない」と話す。御前沢は傾斜も厳し
く、「特に今の時期は雪解けで、スノーボードをやれるような場所ではない」とい
う。

県警地域課が二十三日に発表した春山情報によると、北アルプスの積雪は、標高二千
メートル以上の高山帯では例年並みだが、同二千―千五百メートルでは例年より少な
く、同千五百メートル以下は極端に少ない。谷筋では表層雪崩が起きやすく、標高の
低い所では川が出ている個所があるのが今年の特徴で、同課は注意を呼び掛けてい
る。(4月24日 yomiuri on-line 富山)

◆女性ボーダー滑落死 北ア御前沢

二十三日午後五時二十分ごろ、北アルプスの黒部ダム直下の御前沢(約一、七〇〇
メートル)で、行方不明となっていた東京都世田谷区、自営業、光田直美さん(3
2)とみられる遺体が見つかった。遺体は車で室堂から上市署に搬送され、身元の確
認を急いでいる。

同署の調べでは、光田さんは二十二日に長野県大町市側から入山。二十三日は仲間の
女性と二人でスノーボードをしていた。雄山山頂(二、九九二メートル)から南側斜
面の御山谷に滑降する予定だったが、東側斜面の御前沢に滑り下りた。

午前十一時半ごろ、光田さんが歩いている際に滑って滝に落ちたため、仲間の女性が
午後一時半ごろに黒部ダムから室堂警備派出所に救助を求めた。

午後五時二十分ごろ、現場に到着した県警山岳警備隊員が滝つぼから約十五メートル
下流で遺体を見つけた。同署は二人がコース取りを間違え、御前沢に滑り下りたとみ
て調べている。

現場は切り立った斜面に囲まれた谷底で、登山ルートから外れており、めったに人が
入らない。(4月24日 北日本新聞)

ACHP編集部


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