御岳山のライチョウ30年前と同数だが カラスが外敵に

中部森林管理局(長野市)は十七日、御岳山(三、〇六七メートル)に生息する県鳥
で国の特別天然記念物のライチョウの数が、約三十年前と変わらないとする調査の結
果をまとめた。同局は「良好な繁殖状況」と推定する一方で、調査中に高山帯には生
息しないはずのキツネやカラスによるひななどの被害も判明し、「ライチョウを取り
巻く環境は必ずしも良好とはいえない」としている。

調査は希少野生動植物種保護管理事業の一環で、一昨年の北アルプス・白馬岳周辺に
続いて実施。信大教育学部の中村浩志教授(鳥類生態学)の研究グループに委託し
て、ライチョウがつがいをつくる時期に当たる昨年六月に行い、標高二、五〇〇メー
トル以上の地点で十一人が五メートル間隔に並んでライチョウを探し、ふんの痕跡調
査もした。

その結果、四十八羽を確認。このうち、つがいは十八組で平均卵数は五・三個だっ
た。一九七二年に旧長野営林局が同じ場所、同じ方法で行った調査とほぼ同数で、雄
雌の比率もほぼ同じだった。

しかし、調査中に見つけたキツネのふんの中に、ライチョウのひなの死がいがまじっ
ていたり、ライチョウの卵の殻にカラスがつついた跡があることも判明。同局は「登
山道沿いに捨てられた残飯につられて、キツネやカラスが高地に登ってきたと思われ
る。マナーには十分注意してほしい」と呼び掛けている。

また、九州大大学院の馬場芳之助手に県内全域のライチョウの遺伝的解析を依頼。こ
れまで北アルプスに二系統、南アルプスに一系統が確認されていたが、新たに南アに
一系統が見つかった。

同局はほかに北ア・白馬岳でライチョウの保菌調査も行ったが、細菌の検出はなかっ
た。

生息調査で確認された御岳山のライチョウ=昨年6月(4月18日 信濃毎日新聞)

ACHP編集部

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