中高年登山者の凍傷ご用心

中高年登山者の凍傷ご用心 手袋飛ばす/靴凍る…初歩的ミス 患者増える 

凍傷の権威、金田先生の記事が新聞に掲載されていたので、紹介します。

中高年登山者が冬山にも進出する中で、知識や体力の不足による凍傷が目立つように
なった。手足の指の切断に至る重症や、一歩間違えば重大な遭難につながりかねな
かったケースも多い。

凍傷治療を長年手がけてきた東京都墨田区の向島リハビリクリニックセンター長の金
田正樹医師によると、ここ5、6年、凍傷治療で訪れる中高年登山者が目に見えて増
えた。

年間、20〜30例の凍傷を治療するが、八ケ岳や奥多摩、丹沢など中級以下の山岳
でかかった人が多いという。

ヒマラヤや国内でも本格的な冬山登山によるケースがほとんどだった以前とは、様変
わりした。

「夏山の延長で登山の基礎ができていないまま冬の山に入って失敗している」とい
う。

手袋を風の強いりょう線で外して飛ばされたり、ぬらしたり▽夏用の軽登山靴で雪山
に入るなど装備の不備▽テントの外に置いて凍った登山靴をはいた▽スパッツをつけ
ず、雪が入って靴下をぬらした――など、初歩的ミスが多い。

雪の少ない山でも、みぞれや湿雪で体温を奪われ指先など末しょうの血流が悪くなる
といった条件がそろえば、凍傷にかかる。

金田医師は「夏と冬は条件が全く違うという認識が必要」と話している。(12月2
1日 朝日新聞 朝刊)

ACHP編集部

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