スバルライン通行料金 徴収継続9割が容認

スバルライン通行料金 徴収継続9割が容認 富士山保全 
 法定外税導入論議に弾み ごみ対策 半数望む

富士山有料道路(富士スバルライン)の料金徴収期限終了後(二○○五年六月)に利
用者から一定の費用負担を求めることについて、九割以上が容認していることが二十
三日、山梨県が県民や利用者に行った富士山に関するアンケートの調査結果で分かっ
た。負担に適当な金額は「五百一−千円」を挙げる人が最も多く、四割余りを占め
た。県は料金徴収期限終了後の法定外目的税の導入に向け、二十四日に研究会を立ち
上げるなど検討を進めており、今回の調査結果は今後の論議に弾みがつきそう。ま
た、調査では富士山に抱く良いイメージで「雄大さ」「美しさ」などが上位となった
一方で、悪いイメージとして、ごみ問題やトイレ問題が挙がった。環境保全のために
取り組む課題としては「ごみの不法投棄対策」が半数を占め、富士山のごみ問題に対
する関心の高さも浮き彫りにした。


調査は、法定外目的税導入や環境保全対策を検討する際の基礎資料とするのが目的。
今年八月から九月にかけて、県民(九百人)、県政モニター(三百四十五人)、富士
スバルライン利用者と登山者(五百人)の計一千七百四十五人を対象に実施した。回
収率は75・2%。

富士スバルラインの料金徴収期限終了後に、環境保全対策のために利用者から一定の
費用負担を求めることに対し、「賛成」が54・5%、「ある程度やむを得ない」が
37・0%で、91・5%が容認姿勢を示した。

富士山五合目で調査を行った同ライン利用者と登山者に限定すると、容認派はさらに
増加。「賛成」(51・0%)と「やむを得ない」(44・6%)を合わせ、95・
6%に達した。

費用負担として適当な金額は「五百一−千円」が42・3%を占め、次いで「千一−
二千円」の20・8%、「百−五百円」の19・7%など。現在、通行料金として二
千三百円徴収しており、八割以上が現在より少ない負担を求める結果となった。

一方、富士山のイメージ(複数回答可)では、良い方は「雄大さ」54・3%、「美
しさ」51・3%、「日本の象徴」49・3%が上位だった。

悪い方では「ごみが散乱」が38・3%で最も多く、次いで「自動車が多い」26・
0%、「トイレが少ない」22・8%などの順。「ごみの不法投棄」も19・7%、
「トイレが汚い」も16・2%あり、ごみとトイレ問題がマイナスイメージの大きな
要因を占めた。

富士山の環境保全のために取り組む課題では、「ごみの不法投棄対策」49・5%、
「自動車の乗り入れ規制」32・9%、「トイレの整備」25・5%で上位を占め
た。

富士山の環境保全への関心は、「大いにある」(42・1%)と、「ややある」(3
8・2%)合わせ、八割以上が関心を持っていた。開発と環境保全については「開発
を抑制し、環境保全を推進する」の40・4%に対し、「環境と調和のとれた開発」
が46・6%だった。

調査結果について、県は「スバルラインの費用負担について、九割以上が容認姿勢を
示したことで、一定の理解は得られている」(総合政策室)と評価しており、法定外
目的税の導入推進につなげる考えだ。(10月24日 山梨日日新聞)

ACHP編集部

★ お知らせへ戻る ★ INDEXへ戻る