シェルパの村に寄宿舎を/松本のNPO

ネパールのシェルパ族の子どもたちに、より高い教育をつけてもらおうと、松本市の
非営利組織(NPO)法人松本ヒマラヤ友好会(鈴木雅則理事長)がエベレスト山ろ
くにある同国のクムジュン村に寄宿舎の増築を計画している。これまで奨学金を拠出
するなどの方法で地域に教育の機会を提供してきたが、「これで高等教育への道がさ
らに広がるのでは」と期待している。

クムジュン村は、エベレスト(標高8848メートル)のふもと、標高約3800
メートルに位置する村。登山の案内役として知られるシェルパを多数輩出してきた。

しかし、山間の村であるために、子どもたちが教育を受ける機会が少なく、選択でき
る職業の幅も狭かった。友好会では96年9月から奨学金を出し、これまでに18人
の奨学生をカトマンズの2年制大学(カレッジ)に進学させている。

カレッジに進むには、高校卒業程度の学力が必要だが、約10の村には、高校がクム
ジュン村に1校あるのみ。この高校に進学を希望する遠方の村出身の生徒は寄宿しな
ければならないが、84年に建設された寄宿舎の収容人数は約20人。あふれた約4
0人の生徒たちは、村民の家に下宿している。このため近隣の村からは「寄宿舎の収
容人数を増やせないか」という声が上がっていた。そこで今年4月、友好会のカトマ
ンズ支部から、正式に寄宿舎増築の要望書が松本市の本部に寄せられた。

計画では宿舎を約45人から60人まで収容できるよう拡充する。総工費は186万
円。友好会では、10月までに現地で木材やガラスなどの資材を集め、暖かくなる4
月に着工、来年9月の入学生から収容できるよう計画を進めているという。

友好会では、奨学金制度や、寄宿舎の建設についての資金を集めるため、写真展や、
日本アルプス・ヒマラヤへのトレッキングツアーを開催。基金への協力も呼びかけて
いる。問い合わせは、友好会(0263−47−6197)へ。(8/7 asahi.com 長
野版)

ACHP編集部

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