カシタシ主峰に再挑戦 信高山岳会、24日出発

信濃高等学校教職員山岳会(信高山岳会)は今月下旬、昨年初登頂を試みながら悪天
などに阻まれ撤退を余儀なくされた中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の未踏
峰カシタシ主峰(六、六九一メートル)に登山隊を派遣する。昨年の登頂断念の悔し
さをバネに、「教え子に夢を」と、再挑戦する。

登山隊は、九九年の同峰偵察隊に参加した中野実業高教諭の宮本義彦さん(56)=
上水内郡豊野町=を隊長に、昨年遠征した木曽高校教諭の大西浩さん(41)=松本
市、松本筑摩高教諭の下岡英樹さん(39)=南安曇郡穂高町の二隊員と、新たに田
中広樹さん(25)=同郡堀金村=を加えた計四人。

創立二十周年記念事業として登頂を目指した昨年の登山隊(十三人)は、一、二次ア
タックともに悪天候などのため標高六千四百メートル付近で撤退した。今回は機動力
を高めるため、隊員数を大幅にスリム化。二十四日に名古屋空港を出発し、ウルム
チ、ホータンを経由、八月中旬の登頂を目指す。

崑崙(クンルン)山脈にあり、地元住民が「玉(ぎょく)の原石の山」と呼ぶ同峰
は、世界の未踏峰が少なくなる中、貴重な秀峰とされる。宮本隊長は「カシタシはヒ
マラヤの高峰に劣らぬ風格を持った山。まさに登りたい山だ」と話す。

大西さん、下岡さんは昨年の一次アタックを体験。「何とか子どもたちに夢を伝えた
い」(大西さん)、「再挑戦のプレッシャーもあるが、無理をしないで登りたい」
(下岡さん)と意気込む。

昨年、登山隊長を務めた同山岳会会長、上田東高校講師の伊沢利幸さん(63)=上
田市=は「天気は現地に行ってみないと分からないが、ぜひリベンジを果たしてほし
い」とエールを送っている。(7月2日 信濃毎日新聞)

ACHP編集部

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