上高地・乗鞍は低公害車に限定 知事が規制方針

田中康夫知事は一般質問二日目の二十八日、南安曇郡安曇村の北アルプス・上高地と
乗鞍高原への車の乗り入れを、ハイブリッドカーなど低公害車に限定する方針を示し
た。「貴重な観光資源を後世に残すべきだと考える」と説明、排ガスに対して厳しい
対応を取る姿勢を強調した。実現に向けては、観光事業者などとの調整が課題にな
る。

宮沢宗弘氏(社会県民連合、南安曇郡)の質問に、知事は「上高地に引き続き、乗鞍
に関してもマイカー規制を行い、通行車両についてすべて低公害車化を義務づける」
と述べた。地元のバス、タクシー事業者が低公害車を導入する場合、「公益的視点」
(知事)で補助金を検討する考えも示した。

実施時期は未定だが、県は県道乗鞍岳線について、岐阜県が二〇〇三年度のマイカー
規制を検討しているのに歩調を合わせていく方針。安曇村や環境省や林野庁と素案を
検討し、地元関係者を交えた協議会で話し合う。「低公害車以外の規制も併せて検討
していくことになるだろう」(環境自然保護課)としている。

低公害車は、電気、天然ガス、メタノール、ハイブリッド(電気とガソリンなどの併
用)の自動車と、排ガス性能と燃費効率がともに優れた一部のガソリン車。

また、木下茂人氏(県政会、伊那市)は、国直轄の戸草ダム計画(上伊那郡長谷村)
で県が発電と工業用水の利水事業から撤退を表明した経過をただした。知事は「六月
中旬に県から地元首長らに県の撤退の意思を伝え、理解を得られた」と説明。今後
は、地元の長谷村長、高遠町長から意見を聴いた後、十二月県会までに議会の同意を
求め、国土交通省に撤退意思を正式に伝える考えを示した。

<地元観光業界はおおむね歓迎>

知事の方針に対し、地元の南安曇郡安曇村や宿泊施設関係者は、自然保護の観点から
おおむね歓迎の受け止めだ。しかし、低公害車の導入が進んでいない観光バス業界は
費用負担を迫られることにもなり、観光客の減少につながることへの懸念の声も出て
いる。

上高地、乗鞍高原への路線バスを運行する松本電鉄はハイブリッドバスを四十台余導
入した。が、「バスをすべて低公害車化して対応することはできない」とする。

上高地観光旅館組合の鳥居総一郎組合長は「将来の輸送体系のビジョンをしっかりさ
せて低公害車に限定するなら、観光客の理解も得られる」とみる。県道乗鞍岳線は二
〇〇三年度からのマイカー規制を検討中。乗鞍高原温泉旅館組合の筒木善一組合長は
「将来の問題としては理想的だが、今すぐにと言われたら抵抗がある」との見方だ。

村は「自然環境維持の面で議論すべきこと。県と詳しく検討したい」としている。
(6月29日 信濃毎日新聞)

ACHP編集部

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