カイラス登山 許可無く断念 スペイン隊

中国チベット自治区にあるチベット仏教とヒンドゥー教の聖山、カイラス(6656メー
トル)の登山許可を得たとされたスペイン隊のへスール・マルティネス・ノバス隊長
が、登山界の強い反対を受けて登山を断念したことが、6日までに明らかになった。

国際山岳連盟(UIAA)の遠征委員会が事実関係を調べたところ、マルティネス氏
は登山の計画立てたが、許可は得ていなかったという。また、中国登山協会とチベッ
ト登山協会は許可を出した事実は無い、と声明を出した。(6月8日 朝日新聞 朝
刊)

ACHP編集部

●外国人初の公認山岳ガイド ツベート・ポドロガルさん

人生、分からないものだ。日本人を山に案内することになろうとは。

88年に旧ソ連経由で中国に入り、チベットを放浪した。帰りに寄った日本に住みつ
き、今春、日本アルパイン・ガイド協会の公認山岳ガイドになった。

父親が営林署勤めで、スロベニアの最高峰トリグラフ(2864メートル)を間近に
見る山中の小屋で育った。

15歳から本格的な山登りを始めた。冬は距離スキーで旧ユーゴ五輪代表。小柄な体
は筋金入りだ。

スキー場で知り合った千春さん(39)と92年に結婚。千春さんの都合で日本を離
れられない。91年にユーゴから独立した母国への思いは強いが「山があれば、どっ
ちでもいい」。長野県にある企業保養所の管理人となり、ひまを見つけては日本中の
山に登った。

回転しやすい、はやりのカービングスキーは母国のメーカーが世に出した。そのデモ
ンストレーターとして、日本での普及にも一役買った。

保養所は99年に閉鎖され、生活のためにガイドの道を選んだ。ガイド協会の幹部は
「腕前抜群。なにより人柄が良く、お客さんに安心感を与える」と評する。

日本の山は中高年ばかりで若者や家族連れが少ないのが不思議だ。母国では親に連れ
られて山登りを始めるのが普通である。自然と切り離されて生活する日本人が気の毒
に見える。

冬はスキー登山を中心に、夏は沢登りなど日本ならではの山の楽しみを教えたい。
「貧しい国だったので、開発されず美しい」母国の山にも案内したい。

    ◇

「山の本当の楽しさを知れば若者も戻ってくる」。43歳。(6月7日 asahi.com
00:14)

ACHP編集部

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