尾瀬で学んだ尊さ後世に/自然環境科卒業生

ワタスゲ舞う豊かな尾瀬を次の世代に。県内では、利根村の県立尾瀬高校だけに置か
れた「自然環境科」。この春卒業したばかりの同科3期生が、動きだした。「尾瀬で
学んだことを生かしたい」と――。

卒業生で力を合わせて、自然を学ぶ勉強会を開き、科の後輩や小、中学生向けに自然
観察会を開く計画だ。3期生の有志が、約100人の同科の卒業生に手紙を送り、参
加を呼びかけた。

呼びかけ人の1人、豊田啓彰さん(18)は授業や部活動で、尾瀬を歩き回った一人
だ。

昨夏、水質調査の授業で尾瀬に入った。昼食を済ませ、湿原を眺めていると突然強い
風が吹いてきた。するとワタスゲのわたぼうしが、一斉に舞い上がった。幻想的な風
景だ。おととしの夏も同じ場所にいたのに、ワタスゲは舞わず湿原は違う表情を見せ
ていた。

豊田さんは尾瀬の豊かな表情に触れ、自然や命の尊さが身にしみた。「多くの人に自
然に触れる機会を提供したい」。そう思った。

自然環境科の卒業生として、社会の役に立ちたいとも。そこで、子どもたちを自然の
中で思い切り遊ばせてあげたいと、計画をたてた。
 
会員の一人、茨城大1年の千本木郁予さん(18)は水戸市でも同様の活動を始めた
いと思う。「相手は地球。とてつもなく大きいけれど、身近なところでこつこつと仲
間を増やしたい」

卒業生有志の会は、同科の英語表記から「G―NEC」(Graduate Nat
ural Environment Course)と名付けた。初イベントは5月
5、6の両日、前橋市の敷島公園周辺で開く「親子ネイチャー教室」。両日とも親子
20組を募集中。参加は1人200円(保険を含む)。申し込みは豊田さん(090
−8308−2557)へ。(4/16 asahi.com 群馬版)

ACHP編集部

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