立山の県道で雪崩、乗用車直撃 運転手救出、2週間のけが

二十日午後三時ごろ、立山町芦峅寺の県道北側斜面で雪崩があり、砺波市中央町、写
真店経営小島豊さん(43)が乗っていた乗用車ごと生き埋めになった。通りかかっ
た地元建設会社の従業員が、幅約七メートルの県道上に、長さ約六メートル、厚さ約
一メートル三〇にわたって雪が崩れ落ち、乗用車が埋まっているのを発見。同僚らと
重機などを使って取り除き、午後三時半ごろ小島さんを救出した。小島さんは全身を
強く打っており、約二週間のけが。

上市署によると、現場は、地鉄立山駅から約五百メートル西にある「瀬戸蔵スノー
ロックシェッド」(全長723・8メートル)の西側出口。小島さんは仕事の帰りで
富山市方向へ走行中、シェッドを出た途端に頭上から雪崩の直撃を受けた。小島さん
の乗用車はガラスがすべて粉々に割れ、屋根も押しつぶされて大きくへこんだが、運
転席にわずかに残ったすき間で小島さんは救出された。

救出した建設会社の男性従業員(29)は、「ただの雪崩だと思い、雪山を歩いて乗
り越えようとしたら足元に車の骨組みを見つけた。びっくりした」と話した。

富山地方気象台によると、県内は十七日から四日連続で気温が平年を上回り、特に十
八、十九日は最高気温が10度を上回る陽気で、雪崩の起きやすい状態が続いてい
た。

【衝撃受ける県】

一般市民が雪崩に巻き込まれたことで、道路を管理する県関係者は、衝撃を受けてい
る。

県土木部によると、同シェッドは一九七三年に完成。雪崩は、覆いの上を通過して谷
側に落ちるよう設計されている。

同部用地企画課は「予期しない方向に雪崩が発生し、本来なら落ちないはずの道路上
に雪が落ちたようだ」と説明。「あってはならない事故。調査を行い、二度と同様の
事故が起きないようにしたい」と話している。

写真=車を押しつぶした雪崩の現場(20日午後5時過ぎ)

(2月21日 Yomiuri On-Line 富山版)

ACHP編集部

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