チベットなどで氷河後退顕著 世界各地で温暖化進む

チベットをはじめ世界各地で温暖化による氷河の後退が著しく、アフリカ最高峰のキ
リマンジャロからは15年後には雪がなくなる恐れが大きい――。こんな観測結果
を、米オハイオ州立大グループが18日、サンフランシスコで開催中の全米科学振興
協会総会で発表した。

チベット高原では1955年から96年まで、年平均気温が10年で0.16度の割
合で上昇した。とくに冬はこれが0.32度と大きくなり、標高が高いほど気温上昇
が顕著だった。

高原の南部と中央部の氷河をボーリング、温度変化を過去1000年以上にわたって
分析した。最近50年の気温が最も高かった。実際にこれらの氷河は74年以来1、
2キロも後退している。

キリマンジャロは、昨年の航空写真と過去の地図で雪氷の面積を比較。89年より3
3%、12年に比べると82%も減っていた。このままだと2010年から2020
年の間には赤道直下で万年雪に覆われた姿は見られなくなるという。

ペルーのアンデス山脈の冠雪や氷河も急速にやせ細る。最大級の氷河の後退は199
3―95年に年平均28.7メートルだったのに対し、98―2000年は155
メートルと加速している。

研究グループは「万年雪がなくなると、太陽光を吸収しやすくなるなど様々な変化が
起こる。チベット高原の変化は、台風の発生の仕方を変えるなど東アジアに大きな影
響を与えるだろう」と話している。

(2月19日 asahi.com)

ACHP編集部

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