東レから新素材の発表

東レから新素材の発表 衣服の積極保温素材および構造体“ウォームセンサー”の
発売について


東レ(株)は、この度、運動後の汗による冷えを抑制するだけでなく、積極的に吸湿・
発熱・保温効果のある素材および構造体“ウォームセンサー”を開発しました。本商
品は、従来の断熱保温と異なり、素早く汗を吸収・発散し、特殊処理された繊維構造
により生地全体を発熱させ身体を暖める「吸湿発熱素材」(織・編物・中入れ綿)、お
よび「積極保温構造体」です。この5月より2001年秋冬向けに、(株)アシックスを始
めとするスポーツ分野アパレルを中心に販売を開始します。生地ベースで初年度2.5
億円、3年後10億円の売上げを見込みます。

構造体としての“ウォームセンサー”の衣服は、吸湿発熱層・不動空気層・放熱抑制
層とで構成されています。“ウォームセンサー”が特長とする積極発熱作用は、身体
から発生する汗など水蒸気(不感蒸泄)の水分を、特殊処理された吸湿発熱層において
吸着・通過する際に、水分子の運動エネルギーを熱エネルギーに変換・発熱する点に
あります。この熱が不動空気層の断熱効果との相乗効果により身体を暖めます。ま
た、吸着された水分は、繊維表面から外部へ放出される時に熱を奪いますが、外側の
放熱抑制層により放熱を最小限に押さえるとともに、衣服内の湿度も快適に保持する
働きをするため、蒸れることなく効率的な発熱・保温効果が得られます。
 
 用途により、吸湿発熱層と不動空気層に“ウォームセンサー”を用い、放熱抑制層
を他素材で対応することも可能(2℃の温度アップ)ですが、“ウォームセンサー”を
「発熱保温構造体」として用いる場合は、最大の発熱・保温効果が発揮され、3〜5℃
の温度アップを実現します。

例えば、防寒用の“ウォームセンサー”ブルゾンは、特殊加工した裏地・中入れ綿を
吸湿発熱層および不動空気層として用い、表地に“エントラント”等の透湿防水素材
を放熱抑制層として用います。この結果、発熱・保温効果が最大限に発揮され、かつ
衣服内の湿度を快適に保つことができます。  また、吸湿発熱層と不動空気層で構
成された“ウォームセンサー”インナーは、その上に着用するアウターウェアが放熱
抑制層の役割を果たし、放熱による熱損失を抑制します。

東レはこの基本構成をもとに、技術を駆使し他機能との複合化等を含めスポーツ以外
の用途にも順次展開してまいります。

“ウォームセンサー”の詳細は以下の通りです。

I. 商品名
“ウォームセンサー(WARMSENSOR)”
「積極保温構造体」及びこれに用いる「吸湿発熱素材」

II. 商品特徴
従来の断熱保温性から脱皮した、吸湿発熱により積極的に身体を暖める積極保温性。

III. 技術概要 1. 技術内容 (1) 吸湿発熱層と不動空気層と放熱抑制層で構成された
「積極保温構造体」
  吸湿発熱層は、身体から発生する不感蒸泄の水分を吸着する際、水分子の運動エ
ネルギーが熱エネルギーに変換され発熱します。この熱が不動空気層の断熱効果との
相乗効果により身体を暖めます。吸着された水分は、繊維表面を通って外部へ廻り、
繊維から脱着する時に熱を奪います。放熱抑制層により、奪われる熱を最小限に制御
するのと同時に衣服内の湿度を快適域に制御するため効率的に発熱・保温効果を発揮
します。
(2) 吸湿発熱成分を繊維表面に強固に固着させた「吸湿発熱素材」
  吸湿発熱層は、従来の合成繊維では達し得ない高度な吸湿発熱を有する成分を、
特殊加工により繊維表面に強固に固着させており、不感蒸泄等の水分を素早く吸収し
て発熱します。  
(3) 接触温感を実現できる布帛表面構造の付加
  布帛の肌面は、起毛やループ等の凹凸構造等とし、肌との接触面積を小さくする
と共に不動空気層を多く設け、接触温感を高める設計にしています。
(4) “フィールドセンサー”の吸汗・拡散機能の付加
  製品のタイプによっては、毛細管現象により、汗を素早く吸い取り、生地表面に
拡散させて、べとつき感を解消した“フィールドセンサー”機能も付加しています。
 

2. 発熱保温性能(下図参照)
  当社の人工気象室(テクノラマ)により、“ウォームセンサー”ブルゾンの 中綿の
表面温度、および裏地の表面温度が未加工品より3〜5℃高くなることを確認していま
す。
また、“ウォームセンサー”インナーは、肌着表面温度(肌側)が、未加工品より約
2℃高くなることを確認しています。
3. 安全性
  皮膚貼付試験(河合法)で安全性を確認。
4. 特許出願
  12件特許出願済み。

IV. 販売計画 1. 販売開始
生地販売:平成13年 5月からスポーツアパレル等に販売予定
2. 販売計画   初年度 3年後
スポーツ用編地 3千反 1億円 12千反 4億円
裏地 5千反 1億円 12千反 4億円
中入れ綿 1.5千反 0.5億円 6千反 2億円

3. 展開用途 スポーツ… アスレチック、アウトドア、スキー、スノーボード、など
各種スポーツウエアおよび裏地、インナー

 <お問い合わせ先>

スポーツ・紳士衣料部 スポーツ衣料第2課 Tel:06-6452-7676
衣料資材部 大阪資材ニット課 Tel:06-6452-7655
テトロン短繊維部 テトロン短繊維第2課 Tel:06-6452-7456
 
<リリースに関するお問い合わせ先>

東レ(株)広報室 (大阪) Tel:06-6452-7085
  (東京) Tel:03-3245-5178

★ http://www.toray.co.jp/release/news/nr010205.html

ACHP編集部

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