3カ月天気予報、スパコン導入で数値予報 精度向上へ

暖冬や冷夏などを予想する「3カ月予報」を気象庁が一新させることになった。これ
までは過去50年間の気象データに基づいて予報を出してきたが、新たにスーパーコ
ンピューターを利用した数値予報を導入する。今年夏にも実験を始め、2002年度
中の実用化を目指す。同庁は「数値予報の導入は予報精度の向上につながり、ユー
ザーの幅も広がりそうだ」という。

新たに使う数値予報では、スーパーコンピューターに、地球全体を水平に180キロ
四方、上空約40キロまでを40に区切ったますめごとに、気温や気圧などの大気の
状態、海面水温の変動予測などのデータを入力する。

データは誤差を考えて31通り。3日間かけて計算させ、3カ月先までの予想天気図
や気温・降水量の推移などを31通りはじき出し、その結果を基に予報官が3カ月予
報を組み立てる。今年3月に気象庁のスーパーコンピューターが従来の約20倍の性
能のものに更新されるため、3カ月予報への数値予報導入が可能になった。

気象庁によると、1996年から数値予報に切り替えた「1カ月予報」では、導入前
と比べて的中率が約10%上昇。「3カ月予報でも確実に精度が上がる」と見込んで
いる。当面は従来の予報も併用するが、徐々に数値予報へ移行する。

3カ月予報は、毎月20日前後に発表される。翌月から3カ月間の天気について「晴
れが多い」といった概況のほか、気温や降水量の平年との比較をはじき出す。季節の
特徴をつかめるため、衣料品や食料品などの仕入れ・生産計画などに利用されてい
る。(2月5日 asahi.com 16:47)

ACHP編集部

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