スノーボード中のけが激増、せきつい損傷のケースも

若者を中心にゲレンデを席巻しているスノーボード。激しいスポーツなだけに、転倒
などによるけがも激増している。北大整形外科の医師らの調べで、せきつい損傷など
手術を要する深刻な例も少なくない実態が明らかになった。

調査は一九九八年十一月から翌年の五月にかけて、道内のスキー場でけがをした患者
三百二十六人を対象に実施した。

その結果によると、年齢別では二十歳代が71%を占め最も多く、十歳代も含めると
87%に上った。性別では男性が70%を占めた。

けがの原因は、転倒73%、ジャンプ時の着地失敗14%。けがは骨折が42%、ね
ん挫・じん帯損傷22%、脱きゅう・亜脱きゅう18%の順。けがの個所は手・腕が
51%、足が23%、せきつい21%、骨盤・でん部4%の順。

中でも、三十四例の報告があったせきつい損傷は、コルセットによる患部固定で治る
圧迫骨折が最多だったが、八例は破裂骨折など手術治療が必要な重傷だった。

例えば、滑走中のジャンプ(高さ一メートル)の着地に失敗した男性(21)は、背
中を強打し腰ついを破裂骨折、右足の一部が感覚まひするとともに排尿にも障害が出
た。

また、別の男性(23)も五メートルの高さからジャンプして着地に失敗、背中を打
つと同時に体が無理に曲げられたために、胸ついを破裂骨折するなどして、両足がま
ひして歩けなくなった。

この二例を含めていずれも、外科手術で治癒したが、手術をしないで放っておけば、
まひが進行して取り返しがつかないことになる恐れもある。

調査メンバーの一人で現在は美唄労災病院医師である須藤英毅さん(31)は「スノ
ボーはジャンプが魅力であると同時に、両足が固定されているため体の自由が利かず
に防御態勢がとれないことなどで、スキーに比べてもけがの危険性が高く、特にせき
ついを損傷しやすい」と指摘した上で、「中級程度の人は、自分の技量を過信しない
こと。また、他人を巻き込む恐れのあるゲレンデではむちゃをせずにルールを守るこ
とが大切」と訴えている。(2月1日 Yomiui On-Line 北海道版)

ACHP編集部

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