80歳父、雪崩現場で息子を救出 吹雪の中10キロ進み

山形県立川町の東北電力月の沢発電所近くで26日発生した雪崩事故で、雪崩で生き
埋めになった4人のうち、ただ一人助かった山形県櫛引町の建設会社員疋田武雄さん
(52)を最初に発見し、救助したのは、80歳になる父虎(たけし)さんだった。
激しい雪の中、約10キロの雪道を歩き、雪に埋もれていた息子を見つけた。

虎さんによると、武雄さんが雪崩に巻き込まれたという一報が入ったのは正午ごろ。
虎さんは、かんじきとスコップを持って、立川町瀬場の自宅から仲間4人と歩いて現
場に向かった。

現場に着いたのは午後3時ごろ。吹雪で前がよく見えず、積雪も腰くらいまであっ
た。1列になって代わるがわる雪かきをしながら進み、「オーイ」と声をかけると、
「オーイ」と返事が返ってきた。

見ると穴があいていて、手が見えた。急いで掘り出すと武雄さんだった。「大丈夫
か」と声をかけると「大丈夫、けがはない」という返事。頭の上に50センチくらい
雪があったが、雪崩にあった時、運良くわきにあった鉄管に押しつけられて、立った
ままの姿勢で埋められたので息をすることができたらしい。

武雄さんは「おれは大丈夫だから仲間を早く見つけてくれ」と言い、虎さんらが近く
で3人を発見し救出したが、収容先の病院で死亡が確認された。(12月27日asahi.com 15:53)

ACHP編集部

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