足元そろり、白い朝 仙台で積雪5センチ (河北新報)

足元そろり、白い朝 仙台で積雪5センチ (河北新報)

強い冬型の気圧配置が続いている宮城県地方は12日、前夜からの雪が断続的に降り
続いた。各地でこの冬初めての本格的な積雪を観測した。朝の通勤時間帯を中心にバ
スなどの交通機関に遅れが出たほか、三本木町の東北自動車道上り線で車約45台が
絡む多重衝突事故が発生するなど、道路ではスリップ交通事故が相次いだ。仙台市内
では除雪車が今冬初めて中心部に出動し、フル稼働した。

<気圧配置>

2日午前11時現在の積雪は、古川13センチ、白石6センチ、仙台5センチ、栗駒
町駒ノ湯60センチ、鳴子町川渡15センチ、仙台市青葉区新川33センチ−など。

仙台では11日午後5時すぎから積雪を観測し、12日午前8時は6センチ。この冬
初めての本格的な雪に、通勤や通学の人たちは、足元に気を配りながら、そろりそろ
りと歩いていた。

仙台管区気象台によると宮城県の上空約5000メートルには氷点下約30度の強い
寒気が入って強い冬型の気圧配置が続いている。引き続き12日夜にかけて北西の風
が雪を伴って強く吹く。平野部は12日昼までに天気は回復したが、山沿いでは夜ま
で雪が降り大雪となる恐れがある。予想最大風速は13−15メートル。

13日には冬型の気圧配置は緩む。山沿いの一部で明け方まで雪が残る所があるが全
般に天気は回復し、曇りや晴れとなる見込み。

<渋滞・事故>

仙台市内の幹線道路は12日朝、スリップ事故や除雪の遅れなどの影響で渋滞が断続
的に続き、通勤、通学の足が乱れた。

仙台市中心部に向かう車両があちこちで渋滞した。国道4号仙台バイパスは宮城野区
鶴ケ谷や富谷町あけの平付近で午前9時半ごろまで上下線ともノロノロ運転が続い
た。

仙台市交通局の路線バスは午前7時ごろから渋滞に巻き込まれ、1時間から15分の
遅れが出た。高速バスは仙台発の各便が市内の渋滞により高速道に入るのが20分程
度遅れた。

宮城県内のJRは一部の列車で最高10分程度の遅れが出たものの、運休など大きな
乱れはなかった。

宮城県警交通企画課のまとめによると、県内で11日午後5時から12日午前9時ま
でに発生した雪によるスリップ事故は、人身4件(軽傷4人)、物損95件の計99
件。仙台市内では人身3件(3人)、物損50件の計53件だった。

<除雪>

仙台市内では11日夕から全域に除雪車や融雪車が出動。除雪車56台が12日朝ま
で、夜を徹して作業した。

仙台市は青葉区宮城地区の19台をはじめ計50台の除雪車を出動させた。青葉区折
立では11日午後11時ごろから作業を開始、10センチ近く積もった雪を押しのけ
た。融雪車も33台が繰り出した。

東北地方建設局も市内に6台の除雪車を出動させ、国道4号仙台バイパスや国道48
号の関山峠などで作業に当たった。

仙台市から除雪作業の監視業務などを委託されている日本ハイウエイ・サービス仙台
支店は「12月中に市中心部にまで除雪車を出動させるのは近年ではあまりない」と
話していた。 (河北新報 2000年12月12日)

ACHP編集部

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