ヒマラヤ登山者へ海外情報センター 事故防止へ研修も実施 登山4団体設立へ

ヒマラヤ登山者へ海外情報センター 事故防止へ研修も実施 登山4団体設立へ

かつては面倒な準備と手続きが必要だったヒマラヤ登山が、商業登山隊(公募隊)の
出現で、誰でも料金を払って簡単に実現できる時代になった。半面、高所登山の基本
的知識もないまま公募隊に参加して事故を起こすケースもみられる。このため、日本
山岳協会(日山協)など全国的組織をもつ登山四団体が、ヒマラヤ登山者に対して必
要な情報提供や安全登山のための研修を実施「海外登山情報センター」の設立に取り
組むことになった。

最近、ヒマラヤ登山受入国の規制緩和が進み、登山に日本国内の推薦が必要なのはネ
パールだけとなった。さらに、公募隊にはインターネットで簡単に応募できるなど、
登山を取り巻く環境が急速に変化している。誰がどの山に登っているかを掌握するこ
とも出来なくなってきた。

未組織登山者が高所登山の危険について何も知らないままヒマラヤに出かけるケース
が増えている。こうした現状を放置できないとして、日本ヒマラヤ協会の呼びかけで
日山協と日本山岳会、日本勤労者山岳連盟との四者で海外登山情報センターの設立に
向けて協力することが合意した。

今夏、四者が共同でヒマラヤ登山経験者千人を対象に実施したアンケートでは、回答
者の8割以上がセンターの設立に賛成している。センターに期待する情報提供は「登
山記録」と「現地情報」が掻く30%、「登山規則と手続き」が13%などだった。
高山病などの事故防止対策や環境保護の研修会に、ほとんどの回答者が関心を示して
いる。

日本ヒマラヤ協会の山森欣一理事長は「6,000メートル峰でも高所の知識なしで登る
と死ぬことがある。自己責任だからとほおっておいていいのかどうか、同じ登山者と
して考えなくてはいけない」と話している。(11月25日 朝日新聞 朝刊)

ACHP編集部

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