熱気球でヒマラヤ高峰越え 埼玉の男性2人が挑戦

ヒマラヤ山系にある世界9位の高峰ナンガパルバット(標高8、125メートル)を
熱気球で飛び越える世界初の冒険飛行に、埼玉県の2人の男性が挑む。2年前に狙っ
た別ルートの冒険は風向きが悪くて飛行自体を断念した。リベンジに燃える2人は2
日、仲間5人とともに日本をたつ。

埼玉県川島町の町教委職員神田道夫さん(50)と所沢市の会社員竹沢広介さん(3
8)の2人。

計画では、パキスタン北東部のチラスを離陸して高度9、000メートルまで上昇。
偏西風に乗ってナンガ峰上空を越え、約130キロ離れたデオサイ高原に着陸する。
この高原は4、000メートル前後と富士山より標高が高く、上空の気温は零下30
度まで下がる。巡航速度は時速40―50キロで、計3、4時間の飛行だ。気象条件
が整えば今週末にも飛び立つ。

難しいのは風向きや気流を正確に把握すること。上昇後は風まかせに飛ぶだけで、突
風にあおられて不時着する危険もある。

国際航空連盟(FAI、本部・パリ)によると、神田さんは熱気球の飛行距離と滞空
時間の世界記録を持つ日本の第一人者。高度12、910メートルという世界記録も
持っている。竹沢さんとは滞空時間の世界記録を出した際もペアを組んだ。

「今回は記録づくりではなく、楽しいフライトを実現するのが目的です」と神田さん
は話し、ヒマラヤの眺めや住民らとの交流を楽しみにしている。

神田さんにはエベレスト(中国名チョモランマ=8、848メートル)を熱気球で飛
び越えたいという夢がある。エベレスト越えは英国人チームが1991年に達成して
以後、だれも成功していない。今回の飛行を成功させて弾みをつけ、夢の実現に挑戦
したいと思っている。(10月2日 朝日新聞 夕刊)

ACHP編集部

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