中国未踏峰に挑む早稲田大学山岳部初の女性主将 渡辺佳苗さん

「男の子に負けず頑張ってね」。山で男子部員に交じって大きなザックを背負ってい
ると、中高年の女性登山者から声がかかる。

80年の早大山岳部史上、初の女性主将だ。筆者らOBと共に挑む中国・崑崙山脈の未踏
峰チョンムズターグ(6,962メートル)登山に18日出発。4人の男子部員を束ねる。

小学校の時から水泳を始め、高校時代はバタフライで高校総体や日本選手権に出場し
た本格派アスリートである。山好きの両親に連れられ、山やスキーにも親しんでき
た。

昨今、「厳しい」と敬遠されがちな大学山岳部に入部したのは「どうせ山登りするな
ら、ちゃんとやりたかった」からだ。選んで良かったと思う。「経験、知識の豊富な
先輩等と交流しながら活動できる環境は貴重です」

明るい性格で笑い声が絶えないが、納得できないことはどこまでも食い下がる気の強
さも有る。

しかし、山での重荷は身長156センチにはこたえる。男子部員と登ると、体力差を感じ
る。歩幅の違いで、同じテンポで歩いてもおいていかれることがある。

「どうにもならないこともある。でも、登山技術を含め、下級生より経験が多い部分
を最大限生かしてリードしたい」

昨秋、日本山岳会学生部の隊に参加し、中国・四川省の雪宝頂(5,588メートル)に登頂
した。道無き山にロープを伸ばす登山は強烈な印象を残した。

「それまでは連れていってもらうだけだった。山登りは自分で判断し創造するものだ
と気づいたんです。山が急に面白くなった」

チョンムスターグ登山では「OBに食らいついていく気で、山登りを作ることに参加し
たい」・白く大きな頂の向こうに何が見えるのか、心を躍らせている。(文:山田
新)

「男女の差はあっても自然の中では条件は同じです」。22歳。(7月19日 朝日新聞
朝刊)

ACHP編集部

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