7月からアイドリング禁止 立山黒部アルペンルート

富山県立山町は7月から、中部山岳国立公園内の立山黒部アルペンルートを対象に、
エンジンをかけたまま観光バスなどが駐車するのを禁止する。同町議会が19日、
「アイドリング禁止条例」を可決した。悪質な違反者は氏名や雇い主のバス会社を公
表するという。

アルペンルートには、年間約1万3000台の観光バスが通行し、住民から、排ガス
による悪臭や樹木への被害などを懸念する声があがっていた。環境庁によると、国立
公園内を対象にした同様の禁止条例は初めてという。条例によると、アイドリングの
禁止区域は、アルペンルートの玄関口となるケーブルカーの立山駅周辺から、観光バ
スの終点となる室堂までの全長約32キロ。主に観光バスを対象にし、信号待ちなど
の一時的な停車は除かれている。

立山駅周辺には約1000台分の駐車場があり、特に夏場の観光シーズンには、冷房
をきかせるためにエンジンをかけたまま駐車する車がほとんどで、土産物店や住民が
排ガスに悩まされていた。また、アルペンルートでは、道路沿いの樹木が枯れるなど
の被害も出ており、排ガスが一因ともみられている。このため、駅前の土産物店や飲
食店などの事業者らが今春、現状を町に訴え、条例制定を要望していた。町では、立
山駅周辺の土産物店など観光事業者らに監視員を委嘱し、注意を聞き入れないなどの
悪質ドライバーについて報告を求め、氏名などの公表を検討することにしている。
(6月19日 asahi.com 16:33)

ACHP編集部

★ お知らせへ戻る ★ INDEXへ戻る