2000年1月の気象関係の新聞記事

 1月の気象関係の話題です。

◆東京に初雪

 気圧の谷が接近して関東地方では天気がぐずつき、東京では12日午前、初雪を観測し た。大手町の気象庁で午前11時20分ごろ、庁舎内の観測室から職員がみぞれを確認し た。昼ごろは北風の中、白い雪が目立つようになった。東京都心の初雪は平年に比べ て13日、昨年より40日遅い。八王子や水戸市、甲府市でも同日、初雪が舞った。(1 月12日 朝日新聞 夕刊)

◆初雪の影響で今冬一の寒さ

 東京などで初雪が舞った12日、宇都宮市、埼玉県熊谷市など関東甲信の広い範囲でも 初雪となった。大雪にはならなかったが、雪の影響で午後は気温が急に下がって、最 高気温は平年を2〜4度下回り、各地でこの冬一番の寒さになった。

 気象庁によると乾燥していたため、比較的高い気温でも雨にならず雪になった。雪が 降り始めてからは、大気から熱が奪われて急に冷え込んだ。東京都心では正午前の6. 1度を最高に、午後2時半過ぎには2.3度まで下がった。(1月13日 朝日新聞 朝刊)

◆1月、春のような気候

 昨年末から冬型の気圧配置にならず、春のように天候が周期的に変わる日が続いてい る。1月の平均気温は全国的に平年より3度前後も高い。20日から久久に冬型が強まっ たが、長くは続かない見込みだ。東京など太平洋側では低気圧の影響でぐづついた日 が多く、雨の量は平年の2倍程度になっている。

 気象庁によると、今月の19日までの平均気温と平年との差は、関東甲信で3.6度など 、いづれも高い。

 先月18日頃から西高東低の強い冬型が数日続いたが、それ以降は冬型が弱く、北から 寒気が南下して日本付近に居座ることが無い。低気圧が次々に日本付近を通り、周期 的に天候が変わっている。

 日本海側では雪や雨が少なく、特に北陸では今月は平年の61%。逆に太平洋側では冬 らしくからっと晴れる日が少ない。

 東京都心で1ミリ以上の雨が降ったのは今月6日にのぼる。平年の月間4.3日をすでに超 えた。雨量ゼロも含めると13日間も雨が観測されている。(1月21日 朝日新聞 朝刊)

◆2,3月も暖かい

 気象庁は2月、3月も暖かくなるとする三ヶ月予報を20日、発表した。日本海側の降雪 量は少ない見込み。2月は北・東日本の日本海側では平年に比べ曇りや雪、雨の日が 少ない。北・東日本の太平洋側と西日本では曇りや雨、雪の日が多く、降水量も多い 。気温は北・東日本で高く、西日本、南西諸島は平年並み。(1月21日 朝日新聞 朝刊)

◆「大寒」日本海側で雪、秋田では暴風雪で停電

 「大寒」の21日、日本列島は冬型の気圧配置が続き、北海道や北陸、山陰、本州中 部の山沿いを中心に大雪となり、風も全国的に強くなった。雪や強風は21日夜まで 続く見込み。今冬1番の寒波に襲われた秋田県沿岸部は、21日未明から暴風雪が吹 き荒れ、秋田市では午前5時18分に、台風並みの最大 瞬間風速30.7メートル を観測し、一部で防雪さくが折れた。同県北部の能代市と八竜町では、この強風で飛 来物が電線に触れるなどして断線し、午前4時半ごろから約4500世帯が一時停電 した。

 停電は朝の通勤通学時間帯になっても復旧しなかったため、信号機が停止した国道7 号の交差点では、能代署員らが交通整 理にあたった。(1月22日 asahi.com11:53)

◆1月26日 ◇天声人語◇

 北国に雪が降り積む。札幌では雪まつりの準備中である。きのうは東京や横浜でも、 一時小雪が舞った。しかし、南国・沖縄の友人からの雪の便りには驚いた。

 地元のNHKが先日、那覇市の中心街で「雪らしきもの」が降っている映像を流した のだそうだ。昨年12月20日の夕方、広場で催されたクリスマスソング合唱会を撮 影した会社員のビデオに納まっていた。園児たちが「きよしこの夜」を歌っている最 中だった。

 「白いものが視界に入ってきた。手のひらに乗せるとスーッと消えてしまうように薄 い雪だった」と会社員。〈テレビを見た私の家族も「雪だと思う」と言ってます〉と 、これは友人の手紙。ただし沖縄気象台によれば、当日は曇り、雪が降ったという時 間帯は気温13.9度。

 だから気象台は否定的だが、地元紙、琉球新報には「私も見た」と目撃談があいつい だ。那覇の男性は12月18日夕、「細かい雪がゆらゆら降ってきた」ので、近所の 子どもたちを集めて「鑑賞」した。国頭(くにがみ)村の小学校では同22日午後、 児童十数人が遭遇。

 校長先生は「あられではなかった」と証言。「校舎の上の方からふわふわと白くてき れいなものが降ってきた。雪は見たことがないから、不思議に思った」と6年の女の 子は興奮気味だった。こんな騒ぎになるのは沖縄で雪が降った記録がないからだ。

 18−19世紀の琉球の正史『球陽』には、伊平屋(いへや)島などで計5回の降雪 が記されているという。が、正式観測が始まった1890年以降は、久米島のみぞれ 1回だけ。琉球新報のコラムは〈これほど記録や証言があるのだから、否定的な沖縄 気象台を説得できる映像をビデオに収め沖縄の気象史を変えたいものだが〉と意気込 む。

 友人の手紙の結び。〈久しぶりに、本当にドキドキするニュースでした〉。そう、そ んなニュースって少ない。 (1月26日 朝日新聞 朝刊)

◆北日本中心に冷え込み、北海道では零下33.1度

 寒気が南下し、26日朝は北日本を中心に今冬一番の冷え込みとなった。気象庁によ ると、北海道歌登町で零下33.1度と今冬の全国最低気温を記録したほか、盛岡市 の零下11.3 度、水戸市の零下5.5度、宇都宮市の零下5.2度、前橋市 の零 下3.3度など、北海道、東北、北陸、北関東などで明け方の最低気温が今冬最低と なった。東京都心は1.2度だった。27日夜まで寒気が残り、冷え込みは続く見込み。

 寒さの影響で、神奈川県内のJR御殿場線上大井駅では、ポイントに挟まった雪が凍 り付いて動かなくなり、上下合わせて計4本が最高で50分ほど遅れた。また、JR 東海道線沼津― 三島間でも上下2本が運休、約1500人に影響が出た。 (1月26日 asahi.com 11:39)

◆東京、大阪で初の「冬日」 各地で冷え込む

 28日は東京都心や大阪市で今冬初めて最低気温が零度未満の「冬日」になるなど、 関東から西の地方ではこの冬で最も冷 え込んだ朝を迎えたところが多かった。

 気象庁によると、明け方の最低気温は、都心で平年より1. 7度低い零下0.7度 。このほか、水戸市で零下6.5度、千 葉市で零下1.5度、横浜市で零下1.0 度、名古屋市で零下2.7度、大阪市で零下0.4度などが今冬の最低となり、九 州の一部や南西諸島を除いて全国的に冬日になった。

 日本列島を覆った寒気のピークは27日に過ぎたが、冷たい空気がまだ残っていると ころに、太平洋側でよく晴れて風が弱かったため、地表付近の熱が奪われる放射冷却 で冷え込んだ。日中の気温は平年近くに戻るが、朝の冷え込みは29日も続きそうだ という。(1月28日 asahi.com11:24)

◆東京や水戸など今冬一番の冷え込み

 大陸からの強い寒気に覆われた日本列島は二十八日朝も三日続きで厳しい冷え込みと なり、関東地方では東京や水戸などでこの冬一番の寒さを記録した。

 気象庁によると、東京の最低気温は、この冬初めて零度を下回って氷点下0・7度と なったほか、水戸で同6・5度、宇都宮で同6・2度、前橋で同4・8度となるなど 関東各地で平年より2度前後下回る寒さを記録し た。

 しかし、日本全域を覆っていた寒気団は同日午後にも東側に抜ける見込みで、寒気は 次第に緩みそうだ。(1月28日 Yomiuri On-Line 14:58)

 ACHP編集部


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