山岳小説の紹介

 山岳小説を2件紹介します。

■ 恋人の不可解な「遺書」を山に残して姿を消した男の謎!? 『槍ヶ岳 幻の追跡』

 槍ヶ岳直下の坊主岩小屋で恋人に宛てたと見られる不可解な遺書を発見。遺書の宛名 は「来宮亜綺子様」となっており、署名は「Y・H」。槍ヶ岳での自殺と見た山岳救助 隊員・紫門一鬼(しもん・いっき)は、付近を捜索するが、遺体は発見されず、「Y ・H」に該当する人物の失踪届けもなかった。遺書はいたずらか?それとも何らかの 事件に……?公開捜査で自ら名乗り出てきた亜綺子に紫門は、遺書を根本から疑わせ るある重 大な事実を……!

 山岳ミステリーの新境地を拓く、書下ろし長編推理秀作!好評・紫門一鬼シリーズ第 8段!

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 梓林太郎著  光文社  カッパノベルズ  ¥820(税込み)

■ 『神々の座を越えて』

 谷甲州が極めた山岳冒険小説の大いなる頂 アイガー北壁からヒマラヤへ。クライマーの誇りが白き神々の座を踏破する。

 スイスに滞在していた登山家の滝沢は、自らのミスで遭難事故を起こし、苦しい立場 に立たされる。そんな折り、旧友でありかつて共にヒマラヤを駆けたチベット独立運 動の闘士ニマの窮地を告げる手紙を受け取り、滝沢はヒマラヤへと向かう。手紙を出 したのはニマが自分の父でないかと疑う日本人女性、摩耶。滝沢は彼女とともに政治 の罠が待ち受ける過酷な山々へ踏み込んでいく。渾身の筆致で描く迫力の山岳冒険小 説。(上巻)

 厳寒のヒマラヤに展開する熾烈な戦闘、極限の脱出行。 チベットゲリラ対中国軍。高度8000メートルの窮地を戦い抜く誇り高き戦士達。

 独立運動にゆれるチベットで、滝沢は摩耶に再会した。そして独立運動の指導者であ るチュデン・リンポチェと行動をともにしていたニマにも再会する。しかし滝沢と接 触したことが原因で、リンポチェ達は中国軍に逮捕されてしまう。彼らを救うために 滝沢はチベットゲリラ「テムジン師団」に協力を仰ぎ、彼自身も、重要な工作に携わ ることになる。厳寒のヒマラヤに、政治の横暴とクライマーの誇りが、熱く激しく激 突する!(下巻)

『遥かなり神々の座』の続編的作品。

 谷甲州著 ハヤカワ文庫  上下巻とも各¥660(税別)

 ACHP編集部


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