殺到?足止め? 2000年の初日の出登山

 山も2000年問題があるそうです。

 2000年の元日、ご来光を拝みに富士山や日本アルプスなどに登る人が増えそうだ 。経験の少ない中高年の登山も相当数にのぼるとみられ、日本の屋根が連なる山梨、 長野、富山の3県は冬山の怖さを十分警戒するよう呼び掛けている。

 富士山の登山口がある山梨県富士吉田市。「元日に登りたい」という問い合わせが1 00件を超えた。例年の10倍以上 の勢いだ。登山経験の乏しい3、40代の女性 が目立つ。

 年末年始の登山者は普段の年なら200人ほどだが、今回はかなり増えそう。富士吉 田署は夜間も光るワッペン「SAFETY2000」を作った。大みそかの午後、5 合目で事故防止のビラも配る。

 長野県警は日本アルプスなどに例年より1000人多い9000人が入山すると見込 む。北アルプスのりょう線の積雪は例年より少ない3メートルだが天気は下り坂。1 度悪天候になると数日間は動けない。県警は、安易な登山は慎むよう警告して いる。

 山小屋の予約がむしろ少なめという所もある。入門コースとしても人気が高い八ケ岳 にある赤岳鉱泉。年越しの宿泊者が例年なら7、80人あるのに、今年の予約は約5 0人。経営者の柳沢太平さん(40)は「2000年問題で忙しいのか、何か起きる からと外出を控えているのか。記念登山は案外少ないのかも」と話す。

 立山連峰を抱える富山県でも登山者は減りそうだ。元日登山の目安となる「登山届」 は、36パーティー、167人と過去5年で最少。

 立山や剱岳などに登るにはパーティーの半数以上が冬山の経験者であることが県条例 の条件だ。県や県警は「単独登山や初心者だけの登山は認められない。富山ならどこ でも北アルプスからの日の出が拝める。無理をしないで」と呼びかけている。〔12月 28日 朝日新聞 朝刊)

 ACHP編集部


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