雪積期登攀/質問(2)/回答<1>
服巻@神奈川山岳会です。

アイスの話題で盛り上がっていますが、私自身ジョウゴ沢で遊んだ経験が
あるだけでしたので、面白そうだなと指をくわえて拝見させていただいています。

>      藤井@IACアルパインです。
>      いま雪山の話題で賑わっていますが、雪上訓練で、スッタカット及びコンテを
>      みなさんどのような技術をやられていますか?訓練する状況設定も含めて、具
>      体的にご教示ください。

うちの会の雪トレ(富士山)では、スタカットはスタンディングアックスビレーと
座位での腰がらみ制動確保の2種類。コンテは、大阪方式のみを訓練しています。

スタンディングアックスビレーは、中〜急斜面で2人組みで普通に行ないます。
ただ、ロープをそんなに持って行っていないので、4、5人のグループに別けて
ローテーションで滑落者・確保者を演じます。
初級者も混じりますので、セルフビレーは、バイルやスノーバーで必ず取ります。
ただ、近年の12月の積雪では、このようなセルフビレーが困難な場合が多いので、
立木の近くに確保場所を設けて訓練しています。
仕上げには、本当に2人1組で斜面を登高してもらいます。
(もちろん時々落ちながら)

腰がらみも同様に行なっています。

数箇所に、これらの訓練場所を確保して歩行・滑落停止の場所と、グループごとに
ローテーションで回っています。

当会の場合、初中級者の比率が多いので、あまり難しいことはさせられず、
上記のようなやり方になっています。

コンテの大阪方式は、原則としてセット方法を指導するにとどめ、あとは
上級者の訓練を兼ねたデモンストレーションで終わっています。
一応、中級者以下は実践でのコンテは禁止ということにしています。
コンテを使うのは上級者同志か上級者が初級者を引率する時に限っています。
「ロープが欲しければスタカット」と指導しています。現実的には上級者同志でも
あまり使っていません。

>      過去、いろいろなスタッカト及びコンテの確保技術が現れては、消えたり
>      (?)しているような気がしますが、実践登はんにおいての確保技術は、今な
>      にが最良なのか? 宜しくお願いします。

若輩者ですが私自身は、雪があって可能であればスタンディングアックス
ビレーを使い、セルフビレーが取れる場合に確保器を用いたビレーや腰がらみ
等を使って岩の様な感じで確保しています。
鎖場などで大きな支点の掘り出せる場合は、支点に制動機をセットしての支点
ビレーもやったりしています。
雪がある程度しまっていて雪稜であれば、スタンディング〜が一番失敗が
少ないように思います。ただ宙を飛ぶような状況では確保したことはありません。

コンテは、今のところ大阪方式が一番かなと思っています。
有持さんが紹介していた、タイトロープはそれこそ冬山1年生を連れて行く時
ぐらいしか使っていません。相手に集中できるか、自分が引き込まれても止めら
れるという自信がある場合に限って使っています。確保者の技量が高ければ
いいのでしょうが、私のレベルではこの辺が限度です。
あと、氷河で使っているタイトロープは、視界不良時の雪稜では非常に有効で
はないかと思っています。実際にはまだ相手に落ちられたことはありませんが、
訓練ではいい感じを持っています(富士山では出来ないので、春に谷川等で)。

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