クライミングテクニック/質問(18)/回答<1>
増田@YCCです。

> 山岳情報/山本です。
> 
> 聞かれた事が有ります。
> それは。
> 懸垂下降時に2本のロープを結ぶ時。アメリカなどで、最近は、テグス結び又は
> ダブルフィッシャーマン結びの代りに
> 一回まわして結んだだけ(フェラー結びと言うのでしょうか?)の結び方を使用
> するのが、多く成っているそうです。

アメリカだけでなくシャモニでも見かけました。
私も使うことがあります。

> 利点としては、回収の時に岩角等に引っかからない、ので、あまり気を使わない
> で済むというのですが。
> 実際に使ってる、人が居たら、感じはどうなのでしょうか?
> 私は自分から、進んでやろうとは思わないので。

ダブルフィッシャーマン、本結び(仙台以北では農協結びと言うんですよね志小田
さん!)など従来私たちが使ってきたやり方と比べると、<結び目がロープの一方
に集まり、障害物に当たると逃げてくれる>という特長があります。
で、岩角などで引っかかる可能性が小さくなる訳です。
また、荷重がかかったあとでも解きやすい(少なくとも乾燥している限りは)のも
感じました。
体重をかけた瞬間結び目がミシミシと開く感じで最初は少しこわかったですが、ま
あ慣れでしょう。すでにこの結び方を指導している山岳会もあるようです。

注意点としては、9mm以下の場合はフューラー(ガイド)結びでよいが、それ以
上の太さの場合はエイト結びにしないとほどけやすいこと。
および、太さの異なるロープ間の接続はほどけやすいので、別の結び方を採用する
こと、ロープの末端は、結び目から20cmくらいゆとりをもたせること、などで
す。

本来、フューラー(ガイド)結びも、エイト結びも、この荷重方向に対しては強度
が少ないはずですが懸垂下降時の静荷重には耐えられるそうです。
文章だとどういうやり方か分からない方もいらっしゃると思いますが、詳しい解説
がロックアンドスノウのはじめの方の号(創刊号?)に載っています。
耐荷重(ほどけるまでの)は数百kgあるそうです。

> 意見を伺いたいです。アメリカ人はこの方が絶対安全だと、言ってるそうです
> が。

何度も使いましたが、いまのところちゃんと生きていますので、ほどけることはな
さそうです。
結び目は片寄ってくれますが、エイト結びだと結び目が大きくなるのでクラックに
はかえってはまりやすい気がします。
気のせいかもしれませんが、そんな感触がしました。
岩角には、確かに引っかからず、スムーズです。

また、湿雪や、水流のある氷のなかで使うと、凍結で解けなくなりそうなので、こ
ういう場合私は「農協結び+バックアップにゆるめのダブルフィッシャーマン」を
使用しています。

どこかでちゃんと強度テストしてみたいですね。
私たちの山岳会が上部団体に収めている上納金はこういうことには使われないので
しょうかね。

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