遭難救助(6)/回答<3>
増田@YCCです。
色々感ずるところがあって長文になりました。

>      ◎長期の捜索後の回収に関しては、基本的に朝岡さんの言われるように、
>        警察で行政のヘリは手配してくれないと考えておいた方が良いと思います。
>      ◎しかしながら、甲斐駒で年末に行方不明になったメンバーを半年間捜索の後の
>        ピックアップに行政のヘリが出てくれました。
>        捜索が長期化することが確実になった時点で、発見後のヘリでの回収について
>        相談したところ、他に出動していなければ手配しますよ、という対応でした。

こういうケースはヘリ代だけでは済まないですよね。
行方不明者を長期間捜索するのは家族にとっても、会のメンバーにとってたいへんな負担に(精神的に
も、経済的にも)なると思います。
私自身は、山仲間となれば手弁当ででも出て行く覚悟はありますが(そうでない人も結構います。まさか
と思うかもしれませんが、実際に遭難があると思い知らされますよ。)実働メンバーが少なければ他会の
応援もお願いしなければならず、さらに負担は大きくなります。
これは、どんなに公共の救助体制が整備されても解決できません。
気心の知れた仲間とだけでやって行くのが本当は一番楽しいのですが、こういった場面ではある程度の人
数は欲しくなりますね。でも人数が多くなるほどだんだん会としての体をなさなくなりますけど。

>        要は所轄署の方針なり姿勢しだいというように感じました。

クライミングに体する理解度も大きく違いますね。八ヶ岳のルンゼで雪崩遭難した仲間の捜索のとき、夜
は危険だからと言われ東面のルンゼに日が当たってから入らされたことがあります。

>        押し問答するのは結構しんどいものです。
>        同じ山域で自分が事故をおこした時に邪険にされやしないかというのは、心配のし
>        すぎでしょうが・・・・。

ホントそのとおりです。

>      ◎でも、夏山稜線に身元不明の遺体が転がってたら、絶対県警のヘリで収容する
>        よなあ、おかしいんじゃないかあと思いました。

いい手を思いつきました。 通りがかりの登山者のふりをして遺体らしいものがあると知らせる---無理
か?

>      ◎アルパインをやる人が今一番沢山いて活発と評判な某会には、遭対基金がかなり溜
>        まっているという話もあります。
>        都岳連関係の活動歴も長い会長のMさんは面倒見の良い親分肌の方ですし、遭難対策
>        を考える上では安心な会でしょう。

へーそうなんですか。偶然、私たちの会でも昔からの遭対基金がかなり溜まっているのですが、これの使
い方を問題にする人がいて頭がいたいです。
例えば一回目の遭難で大部分使ってしまうと、そのすぐあとに遭難した人は全部自前になって不公平だと
か、あとで返せと言ってもすぐに出せる金額ではないし、まして本人が死んでしまったりすると---その辺
は曖昧です。
何かあったらすぐおろせないといけないので、会計をやる人も職場を抜けやすい人でないとつとまりませ
ん。
先輩が代々積み重ねて来たものなので現役で分配もできず、保険がおりるまでのつなぎかな。
でも自分が遭難したときはバンバンヘリを飛ばして捜して欲しいですね。

>      ◎岳連と労山を掛け持ちしている人もいます。

そういえば労山の共済ってどんな内容なんでしょうか。誰か教えてください。
有利な内容だったら会ごと掛け持ちもいいかな?

>     なお、警察等に要請して救助隊が編成される場合でも警察官が救助隊員の富山などは例外で、多くの
>    地域では地元の民間の山岳会員の人が救助隊を組識するので、出動してもらった場合にはかなり高額の
>    日当を支払う必要が生じます。おおまかにいって一日一人4万円以上はかかってしまうでしょう。

地元の遭対協というのは一部の山岳県を除けば、たとえば山菜採りやハイキングに行ったまま戻らない人
を人海戦術で捜すのが本来の姿ですから、出動となれば10人20人は常識?なんでしょうね。
私の経験では、警察に連絡をとれば自動的に出動してくださるようです。
自力で救出してヘリで搬送したときでも、麓の旅館で待機していてくださったそうで、しっかり請求が来
ました。節約しようとしてヘリを断わっても、結局1日で100万円位かかってしまいます。

>    事故がおきて救助をお願いする場合もそんなに人数がいらないとか、なかなかいいづらいですが、地域
>    によってはかなり余裕を見て大人数が出動してくれてしまう?所もあるようです。
>     この辺り、初動の捜索に関する地元と所属会の間の調整などが事故の際、頭を悩ますことも多いで
>    す。

某警察署でこの件でちょっと険悪になったことがあります。現役クライマー20人以上を動員して警察署に
入り切らない位だったのに「明日、地元の山岳会の方達に連絡をとって皆さんが集まってからでないと
行ってもらっては困る。」と言われてカチンときてしまい、署の方を取り囲んで「話し合い」の末、警察
官と会員だけですぐに出発したことがあります。
あとで会長と代表が警察と地元山岳会におわびに行ってくれたそうです。まあ警察の立場では現場も分か
らないのに、あったこともない人間にまかせる訳に行かず、現地に詳しい地元の山岳会に頼るのは無理の
ないことですが。

>     また、アルパインクライミングの厳しい現場、例えば穂高や甲斐駒の冬壁に出動できる地元救助隊と
>   いうのは、殆どないと思います。

自分達にどの程度の救助能力があるのか常にチェックが必要だと思います。
現在の日本では、バリエーションルートや冬壁での遭難から救助できるのは山仲間(自会、他会)だけだ
と思っておいたほうがいいですから。
ところで、この様な場合、地元山岳会が出動するときは厚く保険が掛けられていると聞きますが、自力で
救助するときに緊急に掛けられる保険はないのでしょうか。

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