遭難救助(2)/回答<8>
札幌登攀倶楽部@小野寺です。
ビーコンについては、92.1の利尻東稜のせっぴからの墜落事故の捜索(ヤムナイ沢
でのゾンデで人海戦術1人は2日後にもう1人は7月に)と
92.5の利尻西壁大斜面の雪崩事故(当会)から
(ラッセル交代のため2人がいっしょになり雪崩が起る。運良く1人は自力で脱出
できたがもう1人は死亡)
道内ではまだビーコンが出始めのころで(北大の低温研の福沢らと山岳会がいち早く対応していたと思う)
会ではまだ対応していなかった。その後福沢もミニヤの雪崩で帰らぬ人となってしまった。
デブリをピッケルで2時間近く探すが諦め下山して救助要請。
この時の事故の教訓から夏に一括で12個購入、会装備とし個人管理となる。
現在個人購入とあわせて15個、会員22名の会では十分ことたりています。
以来札幌の他山岳会も94年くらいまでに一応購入しだした。現在も
新人などに対応して山岳連盟で呼びかけて一括購入して値段を下げてもらっています。
有効に使えたなら助かった命もあったと思います。ビーコンも道具なので実地訓練が不可欠!
94. 11の上ホロの雪崩事故でもそのPはビーコンを携帯していなく、
結局ピッケルでのゾンデで1時間以上たって2人を見つけたがすでにこときれてました。
2・3人のPで行動することが多い我々アルパインクライマーは常に雪崩を想定した行動を迫られていると
思います。(1人で2つを同時に探すとか)現在の課題はセルフレスキューです。
低体温症時の適切な蘇生術を医者を呼んで講義してもらったり、心マッサージの
模擬訓練をしたりと、雪崩の科学的研究とならんでやることは多いです。
凍傷についても昔の「岳人」ではカラーでこれでもかと紹介?報告してたと思いますが、
最近はそーいうハイカーが敬遠する記事が出てなかったですね。
私はここ6年間で4人の山屋を冬に搬出しましたが感覚が麻痺するのが怖いです。
またかと思うことがないようにお互い気を付けましょう。
当会の古参が言うように「死者だけが教訓じゃない」と…

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