非常通信/質問(3)/回答<1>
有持です。

 私は趣味としてアマチュア無線を20年近くやっています。現在はHFが
ほとんどです。コールサインはJS1KR(現在のコール)/JH5EES
(昔、実家で開局した時のもの)でどちらでも使えます。
 
> 各バンドとも 呼びだし周波数は 非常用に指定されています。
> 私は 430MHZの人なので 他は良く覚えていませんが
>  430では 433.00MHZ と 他に433.50MHZだと思います。

 非常周波数と言うのは一応定められていますが、特に気にしないで各バン
ドのメイン周波数を使い、(145.00MHZ、433.00MHZ)で呼び出して、空き周
波数に移動して交信すれば問題ありません。

> 簡単なのは メインチャンネル=呼びだし周波数 で、”緊急!!緊急!!”
> と 叫んで、誰か話せる相手がつかまったら サブチャンネルと言われる
> バンド内の他の周波数に移動するのが良いです。
> (メインはみんなが”呼出し用”に聴いているので 
>     そこをズっと占領すると迷惑が すごくかかるんです)

 メインを占有して使っていると、100%といっていいほど妨害電波やヤジ、中
傷暴言が入ってきます。

 丹沢で遭難して救助を要請しているのを聞いたことがあります。このときは
遭難者が無線機の持ち主で免許があったのですが、同行者が無資格者でした。

 この同行者がメインで非常通信を行い交信をしていましたが、無線機の操作
や交信方法が分からず、メインを独占した状態になりました。山から出す電波
はかなりの広範囲に届くためメインが他の無線局に使えない状態になり、妨害
電波や暴言などでかなりひどい状態になってしまいました。

> 緊急といえど、
> アマチュアバンドにもいろいろな人がいますから、文句を言う人は必ずいま
す。> それも ”QSYしろ”とか、”QTHはどこか??”とか無線用語が飛び交
いますので> 運用経験がないと ナンだかわからずに、ただただやかましいだ
けです。
> 
> しゃべる”タイミング”も独特のものがあるので、
> 出来るのでしたら 免許を取って 開局し、運用に慣れていたほうが良いで
しょう。

 無線をやっている人が全てこんな事をするわけではありませんが、中にはた
ちの悪い人もいます。無線を運用するためには、運用方法というのがあります
からそれを覚えていないと上記のような状態になるのは目に見えています。

 山屋で無線の資格を持っている方が多いようですが、仲間内で交信するだけ
で通常の交信をやったことがない人がほとんどではないでしょうか。やはり通
常の交信を他の無線局と行ってある程度、無線の世界に慣れ親しんでいないと、
緊急時にはスムーズな交信はできないと思います。

 オペレートがうまい人が緊急通信を行なえば、トラブルになることなどまず
ありません。

>  ただ、無免許のでの運用の場合には、交信した相手局(地上局)が、
> 電波監理局(?、郵政省?)にその旨を報告する義務があります。

  これは、非常通信を行った人が郵政大臣に報告するものです、書式は特に
決まっていませんが、周波数、時間、コールサイン、住所氏名や交信時の状
況を書き込んで提出します。

> バッテリの消耗状況の把握は、冬やまでは結構シビアですよ。
>   富士山などでは、余りにすごい混信の中での交信になります。

 富士山でサブ周波数をさがすと言うことは不可能に近いので、交信テクニ
ックが身に着いていないと、本当にまともな交信ができません。

> 先週の 明星山で、
> 先行パーティーの方々は お互いのコールを無線機でやっていました。
> わたしは”つぶやき パーティーですね!!”
> なんて言っていましたが、、、
> 強風の冬山などでは、特に有効だとおもいます。

 私は、登攀するときはお互いに無線機を持って行きます。(当然無線の資格が
あります)声が通るところでしたら使いませんが、1ピッチの距離が長いときや
ハングの上下などで声が聞こえにくい時に使用します。

 ハンディー機をザックの中に入れておき、スピーカーマイクを胸の所辺りにつ
けておけばどんな状況でも使用する事ができます。ただし周波数ロックをかけて
いないとザックのなかでこすれて周波数が変わってしまい交信できなくなる事が
あります。

 そして、山で無線を使うと混信がかなり多いためにトーンスケルチをかけてお
くと100%混信がなくなります。ただし、お互いの無線機にトーンスケルチの機能
が着いていなくてはなりません。最近の無線機でしたらたいていついています。

 これは、電波を発射したときに使用周波数に指定したトーンを乗せてやるもの
で、これを指定すると同じトーンの電波が入ってきた時にしかスケルチが開きま
せん。ですから、仲間内の全ての無線機で同じトーンにしてやると他の無線局の
信号が入ってこなくなります。ただし、自分が出した電波は他の無線局には聞こ
えていますからパワーを最低にするなどしないとひんしゅくを買ってしまいま
す。

> 一日のうち2回緊急無線のために一般の交信はこの時間帯
> をはずして(Mを行うようにと聞きました。
> 確かその時間帯が朝10時から20分間と、夕方5時から20分間
> だったと思いますが・・ちょっと忘れてしまったのでご存知の方が
> いらしたら 教えていただきたいのですが・・

 この待ち受け時間はCB無線の事ですが、実際に実施している人は全くいない
とおもいます。通常使っているアマチュア無線では関係ありません。

 最後に、無線の資格をお持ちの方は、是非通常の交信をしてアマチュア無線に
すこしでもなれる努力をしてみて下さい。

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日本山岳ガイド連盟/ARIアルパインクライミングスクール
          ARIアルパインクラブ
           有持真人 (e-mail)arimochi@ca2.so-net.or.jp
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                (URL)http://www.big.or.jp/~arimochi/
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