アイスクライミング質問(7)/回答<4>
獨標登高会の寺田です。

●リストループ
現在右手にはシャッカルのバイルを使用していますが、リストループはシャルレの物
を使用しています。樹脂製のスライダーの天地に細引きが付いているので、口でくわ
えて操作出来るので非常に便利です。左手はナジャのピッケルでノーマルタイプのリ
ストループが付いています。スライド部分をベルクロで留めるタイプなので、操作性
が今一です。まあ基本的に左手はループから外しませんが...。
どちらにしろスライド部分が濡れて凍ると動かなくなるので、極力濡らさないことが
肝心です。
スリング等で自作するのも良いですが、操作性の良さから言えば市販品に軍配があが
るでしょう。

●省エネ・スウィング
ダブルアックスを思い切り振る行為は、サラリーマンクライマーにとって最高のスト
レス解消です。ただクライミングも後半になると疲れてくるので、手抜きのスウィン
グを紹介します。登山の技術書などを読むと、インパクトの瞬間に強く握ると良いと
よく書かれていますが、この場合全く逆の動作を行います。インパクトの瞬間に強く
握ると、ヘッドスピードが殺され、ヘッドの返しもそこで止まってしまいます。この
方法は例えるならば、インディアンがトマホークを投げる様にスウィングすると言っ
たところでしょうか?アックスを投げるつもりでスウィングします。この時アックス
の重量をリストループで受ける感じです。スウィングの後半親指を立てて外し、人差
し指から小指までは軽く添えるだけでOKです。これによりヘッドスピードを殺さず
、ピックの先端も良く返ります。現在の先鋭的なアックス類はヘッドにバランサーな
どもあり、遠心力を有効に活用できるので、この操作で十分食い込みます。肘は固定
して手首の返しだけスウィングします。力はそれ程いりません。疲れてくれば、誰で
も無意識の内に行っていると思います。

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