アイスクライミング/質問(7)/回答<1>
やってきました〜日本の冬が〜 
今年もアイスクライミングネタが出てきて喜んでいる増田@YCCです。

私のささやかな経験からのアドバイスでこれから本格的にアイスクライミングを始められる
皆さんをハメて、いやお手伝いしてあげたいと思います。
大した所を登っていない私のアドバイスですからあくまでも、軟弱クライマー向けです。ま
じめにうまくなりたい人は有持さんや広川さんに相談してください。

1)ストラップについて
  宮崎ホイホイやBDのようにひねって使うものがアックスから手を抜いて作業するとき
  楽です。
  紐は必ずつけてます。ゴム入だと短くなるのでじゃまになりません。
  でも墜落したとき自分目がけて飛んできますので、最後までしっかり持っててね。
2)フィフィについて
  長めのものにこれもゴム入を使っています。使わないとき引っぱりぎみに服のどこかに 
  引っかけておくとじゃまになりません。
  長さは、脇を締めてアックスを引き付けたとき丁度引っかけやすい長さです。
  引っかけ場所はシャフトの下部シュピッツエの穴につけた4mmスリングの小さい輪で
  す。(いろいろ試しましたがここが一番安定しています)
3)テンションについて
  私はスクリューを打つときは意地を張らずさっさとぶら下がります。寒い場所で長時間 
  手を上げっぱなしだと手が冷たいもんね。
  また、ふくらはぎが疲れるのもやなのでだら〜っとぶらさがっちゃいます。
4)調節機構について
  ストラップの手首の締め具合や、エレベーターフィフィ(メーカーはイタリアのコング
  社です)の長さなどの調節機構は氷のコンディションの悪いときは凍りついてまったく
  動かなくなります。なるべくこうゆうものに頼らないほうがいいですよ。
5)サードアックス
  もってった方が絶対楽です。重くて長いバイルだとスクリュー入れるのにつかれるか
  ら。  
  安物の軽量アックスで十分。昔のアイスハンマーなど先輩からうといいですよ。
6)アイゼン
  だれも言いませんね、ウオーターアイス専用なら前爪が縦型の方が蹴りやすく安定して
  います。
7)アックスの改造
  最近のは結構良くできていてあまりいじらないんですが、せめてピックとシュピッツエ
  ぐらい尖らせておいてください。以外といるんですよ。無頓着な人が。
  私の改造ポイントは「抜きやすさ」です。
  アイスクライミングで一番こわい瞬間は、アックスを抜くときだと思います。ピックの
  下面の刻みの所を面取りしておくと、比較的スムーズに抜けます。
8)スクリューについて
  スクリューがもっとも応用範囲が広く強度、支持力とも最も優れていると考えるのでこ
  れ専門です。いいかえれば、(あくまで個人的見解ですが)他はこの3つの要素のどれ 
  かに問題があるということです。
  BDのものが優れているようですが、ことしは同じ工場で作っているという「スマイ
  リー」を試して見ようと思っています(材質も見ためも同じ)。
9)スクリューの氷詰まり対策
  クライミング中に取り除くのは大変です。ジャケットの内ポケットに入れる位じゃ溶け
  ません。少なくともフリースジャケットより下に入れないと。
  金属製品でつつくと、内側に傷をつけ、よけい詰まりやすくなります。
  詰まらせないためには
  1:内側に塗装するのは大変効果的です。スプレーラッカーで両方の穴からスプレーす 
    るのが一番簡単です。自分のスクリューの目印にもなります。
  2:抜いたらすぐ氷をたたき出す。氷面に叩きつけてもだめならハンマーで叩きます。
    まちがってもスレッドを叩かないこと。使い物にならなくなります。「ケツの穴」
    の方を叩くこと。
  3:メーカーによってかなり詰まり方に差があります。先端の歯が豪快に氷を砕くもの
    がよいようです。
  4:ロングルートでは多めにもって行く。
10)注意点
  高安さんwrote
  >以前、うちの会のアイス講習で、僕のスクリューを貸したら、
  >悲惨な結果になって戻ってきた。たぶん、スナーグのように
  >打ち込もうとしたんじゃないかな。
  >BDのやつで、高かったのに...(T.T)グスッ
  >先が少し曲がっているんですけど。
  >これって再生可能なんですか?こんど、やってみよう。
  岩に当たってたんですね、きっと。固い氷と岩って感触が区別しにくいですね。
  ねじこんでいて急に重くなったらまず岩です。すぐにやめましょうネ。
  これも、無神経な奴がいるんですよ。スレッドを平気でぶったたく奴とか。
  あまり人に貸さないほうが良いですよ。自分で買ってこない奴は本気でやるつもりがな
  い場合が多いので教えても無駄ですよ。
----身に覚えがあるので思わず感情的になってしまいました。

まだまだ続くので、飽きた人はこのへんでさようなら。

11)ロープについて
  エバードライ加工してあれば、水をはじく、あるいは凍らないと誤解している方が多い
  ですが、正確には「濡れても強度が低下しない」です。
  悪条件下では氷の棒の様になるのは避けられません。こうなると、ATCの系統の確保
  器を通らない事がありますが、こういう時エイト環のちょい掛けなら何とか通ります。
12)手袋
  私はゴアの3本指ミトンを使っています。5本指より、安い、暖かい、防水がよい、と
  良いことずくめで、しかも細かい作業もこなせます。
13)スクリューの打ち方
  氷質にもよりますが、脆いときは、バイルで少し穴をあけ、手で回します。安定した氷
  なら、豪快に打ち込んでから回します。このとき右に回しながら叩くと、はやく氷を噛
  んでくれる気がします。
  あまり回すのが重くなると、ハンガーを叩くことがあります(抜くときも)。

こんなとこですかね、今思いつくのは。
肝心なクライミングテクニックはもっとうまい人に教わってください。

でも、最近の八ヶ岳混みすぎてると思いませんか、尾白川や戸台川周辺も、質、量とも優れ
たゲレンデだと思いますのでためして見て下さい。

そんじゃ Enjoy Climbing!

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