あべのなかまろ
安部仲麿

  ●奈良時代。遣唐使の一員として唐に渡った。
   (七〇〇(七〇一?)〜七七〇年)
   七一七年に吉備真備や玄日方らと友に十六歳の時に入唐しました。
   唐の玄宗皇帝の寵愛を受け、詩人李白や王維と親交を交わしました。
   帰国の機会を迎えられたのは五十歳を過ぎてのことで、
   この歌は明州の浜で行われた送別の宴で詠まれたものです。
   三〇数年ぶりに帰国する切ないまでの望郷の念が伝わってきます。
   しかし船は帰国の途中で難破し、(同じ船団に鑑真も同乗していました)
   再び唐に戻ってくることになり、結局唐の地で没しました。

  ●この和歌は『古今集』羇旅・四〇六に収められています。








[百人一首へ]