マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加してペナンに住宅を求める場合


ペナンは外国人一般にとって、観光面だけでなく、マレーシアマイセカンドホームプログラムなどを利用して住む地としても人気あることは、マレーシアのマスコミが数多く伝えていることです。 今回はその人気地ペナン州とりわけペナン島の住宅について書きます。 
住宅を求めるとは、住宅を賃借する、住宅を購入するの両意であり、住宅価格が高騰すれば賃貸価格も上がることはいうまでもありませんね。

【住宅価格が最も高い3つの地方の1つがペナン島】


住宅不動産価格が国内で最も高いグループ属する地方、つまりそれだけ需要が高い地方は3つあります:クアラルンプール、スランゴール州、ペナン島(ペナン州本土側を除く)、

首都が一般的に住宅不動産と商業不動産の両方で最高価格帯に属するのは、いわば当たり前の現象と言えますよね。スランゴール州はクアラルンプールを取り巻く形で位置し、首都圏のベッドタウン、商業タウン、工業面で国内で最も発展した州という性格を持つことから、不動産価格で上層部に属するのは当然といえるでしょう。 ペナン島の人気の高さは、その自然環境と歴史と民族構成にあるといえそうです。

この3つに続くのは、近年Iskandar 経済開発特区という形で巨大開発を足早に進めているジョーホールバル及びその近隣地区をあげることができます。

さて、今回はペナン島の住宅不動産に的を絞っています。マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者が購入できる不動産は住宅ですから、商業不動産には触れません(マレーシアで起業する人は種々条件を満たせば商業不動産も購入できます)。

【ペナン島の人気は有名な北東部の海浜地区だけではない】


ペナン島で代表的な人気ある住宅地区としては、ジョージタウンに近い島北東部の地区がよく言及されます。いわゆる海が間近に見えるまたは海岸に近接した地域であり、例えば  Gurney Drive, Tanjung Tokong, Tanjung Bungah といった地名です。ジョージタウンからバトゥフェリンギに続く道路からは、高級なコンドミニアムが建ち並んでいる光景が嫌がおうにも目に入ります。道路から少し中に入れば、たくさんの住宅地があります。

島の北東部だけでなく、島の中部東側や南東部にもコンドミニアムが続々と建設されてきたし現在も進行しているようです。イントラアジアはペナン島在住ではありませんから、クアラルンプール及びその近郊・周辺に比べれば、ペナン島の知識は劣ります。

ただこの20年ほどの間に何回もバスであちこちを訪ねた結果、コンドミニアムの建ち並ぶ風景を目にしました。日々マレーシアマスコミのニュースを追う者として、新聞で読むペナンの不動産ビジネス記事は、そういう印象を裏付けることにもなります。
何よりもイントラアジアは人一倍マレーシア各地を巡り、精力的に町と街を歩き回ってきた来た人間です。ペナンという特徴はあれど、マレーシアの町ということに変わりはありません。

ところで、ここで名をあげた地区だけが住むのに適していると決め付けるのはおかしいと言えます。
なぜならあくまでもどのような住居環境を求めるかは、人によって価値観が違いますから、ある人には大いに好む地であるが、別の人にはそれほど食指が動かない地ということにもなりえます。

ですから単に不動産の平均価格だけを比較するのは、不動産業界たる不動産デベロッパー・業者にとって及び実際に住むことなく住宅投資だけが目的の人にとっては大いに意味があっても、実際に住む人には必ずしも同程度の価値があることにはならない、と言えるのではないでしょうか。

【住宅不動産価格の高い代表的な地区での値上がり具合】

それでは、今年(2012年)6月上旬に英語新聞に載った記事を紹介します。
コンドミニアム価格の比較
・Pulau Tikus, Gurney Drive, Tanjung Tokong, Tanjung Bungah
2007年 RM 45万、2012年 RM 55万

・(島の南東部である)Bayan Baru, Sungai Ara, Batu Maung、(島の中部である)Minden Heights,
2007年 RM 30万、2012年 RM 45万

テラスハウスと準一戸建て(別々の家屋だが2軒がつながった形状)
・Pulau Tikus, Gurney Drive, Tanjung Tokong, Tanjung Bungah
2007年 RM 55万、2012年 RM 62万 - RM 100万

・(島の南東部である)Bayan Baru, Sungai Ara, Batu Maung、(島の中部である)Minden Heights,
2007年 RM 45万、2012年 RM 62万

Intraasia注:Bayan Baru とSungai Ara は互いに近接。Minden Heights は島中部の東側でペナン大橋の陸上部分に比較的近い。Batu Maungはペナン空港のある Bayang Lepasのすぐ南に位置し、現在建設中であるペナン第2大橋の陸上部分となる地区。

ペナン島地図 で是非各地区の位置を確認してください。クリックすると別ページで開きます。

【人気住宅地区を分析する新聞記事】

記事は続く:
ペナン島は土地が狭く、観光地として魅力を持ち、引退した外国人のセカンドホームでもある、こうしたことから島の住宅不動産はこの5年間で価格が25%以上も上がった。
(複数の)不動産鑑定士は、ペナン島の住宅不動産はマレーシアでも有数の高価格だと鑑定しています。

海に面した地区である、Gurney Drive, Tanjung Bungah、Batu Ferringhi では、コンドミニアムの取引価格が非常に高騰しています、中にはユニットの床面積 1000平方フィート(92.9 平方メートル)あたりRM 200万からということもある。

ジョージタウンの市域内、例えば Campbell通りに建つ戦前からの建物でさえ、まるで先を争うかのように買い求められており、その書い手の多くは非ペナン人である。そうして購入した建物をブティックホテルに改造したり、建築美の価値からそのまま保持することもある。

こうした家々は2007年に約RM 50万であったものが 2012年の現在はRM 80万ぐらいにまでに急上昇した。これは約30%の値上がりです。

大手不動産会社のRaine & Horne Malaysia は次のように分析します:
ペナン島で住宅価格が上昇している中で、最も急上昇している地区は Pulau Tikus, Gurney Drive, Tanjung Tokong, Tanjung Bungah の各地区住宅地である。こういう地区ではコンドミニアムは25%以上値上がりました。

その他地区で、コンドミニアム及びテラスハウスと準一戸建ての両分野で最低でも25%は値上がりしたのは Bayan Baru, Sungai Ara, Minden Heights, Batu Maung である。

次に列挙したペナン島ジョージタウン市街地における中級住宅建設計画でも価格上昇の波から外れていません: MacCallum通り、Burma通り、Jelutong通り、Sungai Pinag
こういう地域にあるアパートの価格は2007年にRM 18万だったのが2012年にはRM 25万に上がっています。

Raine & Horne Malaysiaは、ペナン島での住宅不動産が価格上昇したことで、(ペナン州本土側である)Seberang Peraiに住宅を求める人が多くなったと説明しています。Seberang Peraiの住宅価格は島側のそれに比べれば3分の1ぐらいだからです。ただ Seberang Peraiの住宅価格も上がりつつあるとのこと。

ペナン州本土側の町バタワースでは、アパートをみると2007年にはRM 18万であったものが今ではRM 25万に値上がり、テラスハウスでは2007年にはRM 30万であったものが今ではRM 50万はします。
以上記事から

参考:通貨リンギット(RM)の外為市場における対日本円相場は、2012年7月末時点で 1万円の両替でRM 395 前後を得ます。言うまでもなく外為は常に上下するので、あくまでも参考値です。

マレーシアに住もうという方には、あらかじめコンドミニアム、土地付住宅であればテラスハウスと準一戸建てを実際に見ておくことを、強くお勧めします。文字で説明してもイメージがわかないはずです。写真で見ればイメージはわきますが、まだ不十分です。

テラスハウスと準一戸建ては標準的な仕様に基いていますから、ペナン州でもクアラルンプールでもジョーホール州でも基本的構造は同じであり、もちろん外見の高級さと内部の造りに大いに違いがでる。マレーシアを訪問した際に、是非実物を近くから見ておきましょう。

【ペナン島だけがペナンではない】


ペナン州はペナン島と本土側(Seberang Perai という名称)から成ります。観光地としても住む地としても、昔から島側の方が圧倒的に人気が高いことが知られています。 地図をご覧になれば一目瞭然、本土側の面積の方がずっと広い。

風光美を備えた海に面した地に住むというだけなら、Seberang Perai の海岸近くに住宅を求めるという手もあります。しかし人は単に海を眺めることだけに満足しないのであり、島の持つ評判の良さ、商業が盛んで生活面での便利さ、個人的満足感から、やはりペナン島の住宅の方が価格も人気もずっと高いという傾向は今後も揺るがないでしょう。

現在ペナン島と本土側を結ぶ第二大橋の建設が進行しています。ペナン大橋を渡る車窓からも見えますよ。

参考: イントラアジアが発信する、『マレーシアの新聞の記事から』2012年7月5日付けより
ペナン第2大橋の進捗状況
ペナン第2大橋は 2008年11月に建設が始まりました。 本土側のBatu Kawan地区 と島側のBatu Maung 地区を結ぶ橋は全長 23.6Km、その内海上部分が16.8km、地上部分が6.8kmになります。この橋は東南アジアで最長の橋となり、新たな観光資源にもなります。

総工費RM 45億のペナン第2大橋の建設を請け負うのは、 UEM Builders Bhd と(確か中国企業の)CHEC Pembinaan (M) Sdn Bhdです、現時点での進捗率は 79.5%になります。

Intraasia注:ペナン国際空港がある地区に比較的近い地に橋ができます。ペナン島へ渡るのがさらに便利になるでしょうが、交通量増加も確実だと批判する人もいます。ここでも中国の技術と資本力が展開されている。
以上

この建設工事に伴ってBatu Kawan地区では住宅建設プロジェクトが進行しているとのニュースを読みました。イントラアジアはBatu Kawan地区を2回ほど訪れたことがありますが、歩き回ったわけではないので、昔風の家々が並び、海鮮料理の店店が人気を呼んでいた程度の記憶しかありません。そのBatu Kawan地区は第2大橋のプロジェクト進行によって、島との交通面で便利な地区に変貌するため人気が上がっている、といった記事も目にしました。

【ガーニードライブからバトゥフェリンギに至る高人気の海浜地区】


ペナン島に戻ります。
Gurney Drive には最高級クラスともいえるコンドミニアムが建ち並んでいます。ジョージタウンからバトゥフェリンギに向かう一本道を走ると、Gurney Driveを過ぎれば、まもなくTanjung Tokong, 次いで Tanjung Bungah になる。

ペナン島の花形地区とも言える Tanjung Tokong, Tanjung Bungah には観光ホテルも数ありますから、読者の中には実際に泊まられた方もいらっしゃるかもしれません。イントラアジアが去年訪れた時、Tescoのような大きなショッピングセンターができたことを知りました。道路に沿っていくつもの住宅地が出来上がっており、それらには商業店舗がたくさん入居したショップハウス街が付随しているのが普通です。

この1本道は頻繁に乗り合いバスが運行されています。90年代の旧式バス車輌はすっかり姿を消して、クアラルンプールのRapid KL バスと同じ冷房付新型車輌が使われている。バス番号によって多少の違いはあれど、この1本道をほとんど外れることのない走行ルートなので、初心者にも乗りやすいと思われます。一方そのことが一本道に近接したコンドミニアムか土地付住宅に住む人たちには便利であっても、一本道から内陸へ入った地に住む人には、バス停からかなり歩かなければならないということになる。

クアラルンプール及びその近郊と違って、ペナン島には電車路線はまったくありません。建設プロジェクトの話はあっても具体的に予算は全然付いていないので、3,4年後にできあがるというものではありません。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者・参加希望者は、自家用車を持つ暮らしをするのか、しないのかによって、希望地のどのあたりに住宅を求めるかをよく考えるべきでしょう。

もちろんこれはペナン島に限りませんが、電車路線がまったく存在しないペナン島ではクアラルンプールに比べて、自動車の必要性はより高まると言えます。常にタクシーを使う選択もありますが、面倒、使いたい時に使えないという面もあります。
自家用車を持つのはなにも必要性という要因だけに限らないことは、もちろん承知しています。社会的ステータス、ドライブ好きという趣味の面、便利さ、も大きな要因です。

【ペナン島の道路建設プロジェクトのあらまし】


なおペナン島の人気地区である Tanjung Tokong, Tanjung Bungahから Batu Ferringhiを過ぎて Teluk Bahang(トゥルックバハン)までの道路では公共土木プロジェクトが一部進行中だそうです。

参考:「新聞の記事から」の2011年11月15日付け記事より
ペナン州政府は近い将来の州プロジェクトである4つの道路建設またはトンネル工事プロジェクトのために、建設業者向けの事前審査を行います。
4つのプロジェクトの内容は:
・Gurney Drive - Tun Dr. Lim Chong Eu 道路のバイパス 4.2Km
・Tun Dr. Lim Chong Eu 高速道路 - Bandar Baru Air Itam バイパス 4.6Km
・ペナン島ガーニードライブ辺り −バタワース北部地区間の海底トンネル 6.5km
・タンジュンブンガ - トゥルックバハン を結ぶ道路 12km

州公共土木部門の長は語る、この事前審査過程で経験あり信頼できるそして財務状況の良い会社を選ぶためです。「総工費RM 80億になるこれらのプロジェクトが始まるのは2015年になります。」  建設会社がこの事前審査に応募する期限は2012年14日です。

ペナン州州首相の発言、「州政府にとって最大のインフラ建設となるこれらのプロジェクトに要する費用はデベロッパーの入札にもよるが、RM 50億から80億になる。州政府が金を払うことなく、デベロッパーは一等地を手に入れることができる。これは双方両得の方策です。 州政府はプロジェクトの完成を2020年と予定しているが、早まることもありえる。プロジェクトは手の込んだ実現可能性調査を行うので、開始は2015年になるでしょう。」
以上

別の記事も引用しておきます:
ペナン州の公共土木工事などを管轄する委員会の議長はこのプロジェクトについて説明します。「 Tanjung Bungah から Batu Ferringhiまでの区間は優先度が一番高い、なぜなら渋滞とりわけ週末の渋滞を軽減することに多いに役立つからです」

「現にこの区間中の部分、部分は民間デベロッパーによってすでに完成しています。ですからそうした完成部分をどうつなげていくかなのです。」

現存の海岸際を走るTanjung Bungah から Teluk Bahangへ続く道路と並行する形で、新しく中央分離帯を設けた道路ができることになる。これはペナン州政府が提案している、4つの交通緩和プロジェクトの1つです。
以上

タンジュンブンガ - トゥルックバハン を結ぶ道路は、このように現実には一部工事が既に進行しているようです。つまり海底トンネルのような不確定なプロジェクトと違って、ずっと早く完成が確実されているようです。この区間の道路は交通量が多く、且つ観光産業に欠かせない道路ですから、並行するような形でもう1本道路ができるのは、道路周辺の地区の住民にも大いにプラス効果を与えることでしょう。

ペナン島有数の高人気地区である Tanjung Tokong, Tanjung Bungahは将来もその高人気を維持することは確実のようです。つまり住宅価格も高止まりということでしょう。

【丘陵地の開発が進む一方、南東部にも住宅人気地がある】


こういうことから、ペナン島では丘の傾斜地での住宅開発が増えているそうです。
ペナン自治体評議会がこの2年間で承認した、丘の傾斜地を開発して建てる住宅開発は38箇所ある、と評議会の議長が明らかにしています。開発申請の全部を認めたわけではなく、17箇所は却下したとのこと。

こういう傾斜地の開発を批判する勢力や人たちがいるのは当然でしょう。だからマスコミはそういうニュースも伝えています。

海浜から離れた島の中部東側、といっても内陸深くということではない、にもたくさんの住宅地があります。例えば上記で紹介した Minden Heightsは、イントラアジアは具体的に知りませんが、人気あるん地なんですね。同じく上記で紹介した、南東部の海岸に近いBayan Baru, Sungai Ara, Batu Maung であれば、場所と建物高さによって海が眺められるコンドミニアムもあるのではないだろうか。なお空港に近いので航空機の影響を受ける場所も中にはあると、推測されます。

例えば、ペナン大橋の島側地上部にほど近い地区に、まだ新しいショッピングセンターであるQueensbay Mall などの商業施設が集まった場所がある。そのすぐ先がペナン島のバスターミナルがある Sungai Nibong です。Queensbay Mall には JUSCO(AEON)が入居している。こういう大きなショッピングセンターが近辺にあれば便利なのはいうまでもないでしょう。近辺に住宅地やコンドミニアムがあることから、大きな商業施設が開発され、それがまたあらたな住宅開発需要を呼ぶという相乗効果がありそうです。

一番人気の島北東部だけに捉われずに、中部東側、南東部にも目を向けてみるのもいいのではないでしょうか。
こう書くと必ず出てくる反応の一つに、周りに住んでいる日本人がいないかごく少ない地は嫌だというのがあります。 そういう方は島北東部なり日本人集中地区に固執すればいいのであり、そういう方を説得するつもりは全くありません。個人の自由ですから当ブログの関知するところではありません。

イントラアジアのマレーシアマイセカンドホームブログで、6月23日付け記事 『マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ』 で書きましたように、当サイトは 「日本人コミュニティーだけに閉じこもらない、そんなロングステイ者を当サイトは応援します。」というサイトです。

21世紀の現代は携帯電話、スマートフォン、ネット接続パソコンを使えば、離れている人、ここでは在マレーシアとりわけ在ペナンの日本人、とも容易につながりは持てますから、ペナン島では北東部だけが住むのに向いていると”思い込まれて”いたり、”思い込まされている”方に、考えるきっかけまたは選択肢としてアドバイスしています。

そのうちに書く予定のクアラルンプール圏編でも同じことなので、わかりやすい例を1つあげましょう。 
最も有名な Mont Kiara のような外国人エクスパトリエイトの集中地だけが、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者に向いているなんてことはありません。それは、高額な不動産を売りたい、できるだけ高い賃貸料のコンドミニアムを賃貸ししたい、不動産業界側の観点であり、それが可能な富裕層で且つ日本人コミュニティーだけにこだわる人たちの捉え方でしょう。もちろんそういうあり方を好むのは個人の自由ですから、当サイトの関知するところではありません。

当サイトは、マスコミと業者が作っている、広げているイメージに対して、違った面を求める方、惑わされたくない方、気が付いていない方、選択肢を求める方に向けています。ですからペナンの住宅についてもイントラアジアの視点と論点は同じです。

2012年8月記