マレーシアとタイ間の国境検問所全地点、概論


はじめに

マレーシアはマレー半島北部でタイと国境を接しています。陸地ばかりでなく海上でも国境線を有しているわけです。特に半島北部の西側、つまりマラッカ海峡にある有名なランカウイ島のすぐ北海域はタイ国領海です。
陸地の国境線の多くは山岳ジャングル地帯になっており、それがかって60年代70年代のマラヤ共産党(現在は存在しない)の活動潜伏地域にもなったのですが、今は平和な国境地帯です。

ただタイを通過地点として、マレーシアで違法労働者となるべくバングラデシュ、ミャンマーなどからの密入国者が常時国境の山岳ジャングル地帯で越境の機会をうかがっていると言われており、マレーシア政府は取り締まりに力を入れています。(マレーシアの総労働人口に占める外国人労働者の比率は日本のそれより一桁うえです)

先年国境の一部に長さ数十Kmの壁を構築したのもその防御策のひとつです。ただ東海岸から西海岸まで何百Kmもあるジャングル地帯に、壁を端から端まで構築するのは不可能ですから、密入国シンジケートとのいたちごっこは今後も続くことでしょう。

9個所の説明

さてマレーシア・タイの国境通過ポイントは全部で9個所あり、筆者は何年もかかって全部訪れました。普通日本のガイドブックには3つぐらいしか記述されてないので結構多いように感じるかもしれませんが、タイ南部とマレーシア北部の歴史的関係とイスラム教を核とした宗教的つながりを知れば、これぐらいあっても不思議ではありません。(タイ南部4州にはムスリムが非常に多い。タイは仏教徒だけの国ではありませんよ)
ただマレーシア人でも一般の人なら4つぐらいしか知らないでしょう。北部州の住民でも全部知っている人はまれです。

国境通過地点を有名な順で見ていきますと、マレー半島の西端にあるペルリス州のPadang Besarルート、マレー鉄道がこの地点を通過するので旅行者にはなじみのあるところです。鉄道だけでなく徒歩・自動車でもこの国境地点は超えられます。

2番目はケダー州のBukit Kayu Hitam ルート、これはタイのハジャイから陸路マレーシアへ入る時に一番使われるルートなので、長距離バスや旅行社のバンで国境超えする方にはおなじみですね。高速道路とつながっており、買い物客用の免税ビルまであるにぎやかな国境です。

3番目は上記の2つに比べてちょっと知名度は落ちますが、マレーシア人にはよくしられたクランタン州のRantau Panjang ルートです。タイ側のSungai Kolokは歓楽の町として知られています。もっともハジャイと比べればその程度は知れてますが。二つの町の間を流れる川に架けられた橋を歩いて、もちろん車でもいいですが、渡ります。自由旅行の好きな人ならご存知でしょう。

ここまでが一般的に知られた国境通過ルートです。

次にちょっと知名度の落ちるルートです。4番目といっていいのが、ランカウイ島から海路タイのSatunまで渡る方法です。ランカウイ島のKuah波止場から1日に3便あるフェリーで約1時間半の船旅で南タイのSatunの波止場に着きます。波止場から町までは乗合いピックアップトラック便がありますが、タイ旅に慣れていない方には行き方が結構難しいでしょう。Satunはこれといって知られた町ではありません、ハジャイ間にバスと乗合いバンが運行しています。もちろんSatunからランカウイ島へ入国するルートも同じことです。

これから記す3つはまず旅行者が知らない、使わないルートです。
5番目はペラ州唯一の国境ポイントであるPengkalan Huluルートです。1日2000人ほどの利用者だそうです。詳しくはホームページの「自由旅行者のための情報コーナー」内にある当該項目をご覧ください。

6番目はケダー州の北東端に位置し、海と川の合流する地点にあるPengkalan Keborルートです。国境検問所の建物も立派でかつタイ側の Takbaiはマレーシア人目当ての市場でにぎわっています、越境ポイントが河口港なので小船で越境します。クランタン州の人にはよくしられた活気のある越境ルートですが、一般のマレーシア人はほとんど知らないし、日本のガイドブックもまだ紹介していないでしょう。1日の利用者数は1000人ほどだそうです。詳しくはホームページの「自由旅行者のための情報コーナー」内にある当該項目をご覧ください。

7番目はペルリス州のWang Kelian ルートです。マレーシア観光局発行のパンフレットにも小さく載っていた昔からある小さな越境ポイントですが、まずツーリストには関係ありません。
Wang Kelianへの行き方はPadang Besarからか又は州都Kangarからということになりますが、どちらのルートを取ろうとも、Gua Kelam洞窟観光の村 Kaki Bukit経由になります。Kaki Bukitまではバス便がありますが、そこから11Kmほど離れた、Wang Kelianへはタクシーしかありませんので、始めからタクシーを使った方がいいかもしれません。

山越えしてたどり着いたWang Kelianは部落といってよいほどの大きさです。その外れへつながる1本道をずっと行くと道路の中央に建てられたマレーシア側国境検問所があり、すぐ向こうにタイ側の検問所が見えます、この道はSatun につながるわけです。マレーシア国境オープン時間は朝7時から夜7時まで。茶店が数軒あるだけの静かな小さな越境ポイントです。

尚、上記の6番目と7番目はだいたいおなじくらいの知名度なので番号は便宜的です。

8番目の入れるべきなのが、ペルリス州のKuala Perlisから南タイの町Satun間を結んでいるボート便です。毎日ありますが、出航時間がしっかり決まっている訳ではありません。地元の人の行き来と荷物運びが目的のボートです。

さて最後はマレーシア・タイ間で一番新しく小さく且つ知られていない国境ポイントである、クランタン州のBukit Bungaルートです。

以上の検問所それぞれについての詳しい情報は、当ホームページの旅行者ページ内にある「隣国との国境の超え方と情報」の該当項目を開いてご覧ください。尚これらの情報の多くは雑誌「格安航空券ガイド」 99年第1巻に掲載されましたが、その後さらに情報を加えてより完全な情報にしてあります。

99年1月18日掲載、99年7月11日更新、99年9月10日追記