マレーカンポン(Malay Kampung)ホームステイ日記 その1


9月12から18日までの1週間、ケダー(Kedah)州Kodiangにある友達の家にホームステイしました。Kodiangはマレーシア最北のプルリス(Perlis)州の州境に接する町で、タイ人も多く住んでいます。



9月12日 (土曜日)
友達の家へ行く



KLから約7時間かけてやっとアロースター(ケダー州の州都、マハティール首相の出身地)に着くと、車で友達のハザリナがお父さん、姪、甥の5人と一緒に迎えに来てくれていました。車は天井が壊れてダンボールが貼ってあり、窓も開きません。調子が悪いと、途中で止まったりもします。そのたびにボンネットを開けて油を入れていました。

アロースターから1時間半ほどかかる彼女の家へ行く途中、「
Nira Nipah」という看板を見つけひと休み。お父さんとこのジュースを飲んでみました。「Nira Nipah」というのは果物だそうで、色と味は、少し癖のあるライチジュースといった感じです。この葉は乾燥後、巻きたばこの巻紙として使用されます。
家に着くまでに何度も細い道を入り、どんどん奥へ入っていくにつれ、この奥に家があるのかと思うほど周りの景色が変わっていきました。やっとのことでついた彼女の家は大自然の中にありました。隣にはお姉さん一家の家もあります。

ハザリナ一家は、農夫の両親、女5人と男2人の兄弟の9人。彼女は21歳の末っ子で、一番上のお姉さんと18歳違い。彼女以外は結婚して子供がいるので、彼女はもう「おばさん(
mak cik)」と呼ばれています。彼女の甥と姪は2組の双子を入れて全部でなんと20人。彼女の家は日本で言ったら本家にあたるので、彼女の兄弟の家族はしょっちゅうここに出入りし、とてもにぎやかです。

とりあえずお風呂(といっても水浴び)に入ることになったのですが、お風呂場を見てびっくり。そこは水浴びだけの場所ではなくて、水場だったのです。つまり食器を洗ったり、洗濯をしたり、食材を切ったり洗ったり、水浴びをしたりと、トイレ以外の、水を使うことすべてをそこでするのです。その場所(というか仕切りとドアがついているので部屋)は、日本の湯船のような水を溜めておくところ(以下「水溜め場」)があり、この水を桶ですくって使います。魚を裁いたり、油っぽい食器を洗っているせいで床はヌルヌル。思わずつま先立ちしてしまい、転ばないように気をつけながら体に水をかけると、「うっ、冷たい!それにしてもどこからこの水はくるんだろう?」
次の日、彼女の家で使われている水はどこからくるのか知ることになったのです。



 9月13日 (日曜日)
Air tu dari mana ? 」(水はどこからくるのか?)



朝食後、水浴び(マレーシア人は1日に3回水浴びをします。)のため、水溜め場に目をやると、朝の光で水が薄黄色く濁り、虫と油が浮いているのを発見。「昨日はこんな水で体を洗っていたのか。」とショックを受けましたが、「こんなことぐらいでめげていては1週間もたないぞ!」と開き直り、水のことは気にしないようにして水浴びをするようにしました。
結局、この溜め水の出所は外のどこか、としか分かりませんでしたが、料理・飲料用水の出所を知り愕然としました。ハザリナが水のはいったバケツを運んでくるほうへ行ってみると、虫が湧き濁っている溜め池が。周りに水牛の糞があるということは水牛もこの水を飲んでいる可能性大。

半分に切ったオイルか何かのポリ容器の縁に穴を空け、そこに通した木の真ん中に紐をつけ、さらに紐の先に棒がつけてある手作りの道具で水を掬います。といってもわかりにくいでしょうから、針の先に餌ではなくてバケツがついている釣り竿を想像していただくといいと思います。つまり、バケツがポリ容器、バケツの取っ手が通した木、糸が紐、釣り竿が棒に当たります。これを釣りのように溜め池に投げ、水を掬うのです。容器に水が溜まったら一気に棒を引かないと持ち上がりません。ハザリナは簡単そうにひょい、と持ち上げるので、試しにやってみましたが私には無理でした。

この水の半分は火を通し冷まして飲料水に、残りは料理用です。「溜め水」よりも大きなショックを受けましたが、「食べなきゃ生きていけない。」と割り切ることに。結局2日目ぐらいにはすっかり慣れてしまい、ご飯も毎回おいしく、そして水浴び後も爽快感を感じるまでになりました。
料理用に溜め水を使わないということは…。いったい何の水なのだろう?
滞在先の家 滞在先で
 
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98年11月25日掲載


Intraasiaの一言
他の発展途上国ではごくたまにこういうことに出会いますが、半島部マレーシアにもまだこういう昔からのスタイルを残しているカンポンの人が案外いるものなんですね。水道のない僻地へ行って外から見ることはあっても実際に滞在したことはなかったので、私も初めて知りました。