半島北部の横断道路(東西横断道路)を走る


ペナン州、ケダー州など半島北部の西海岸側都市にお住まい又は旅行している方が東海岸州を訪れる場合、または東海岸州からペナン州、ケダー州を訪れる場合は、飛行機を使いクアラルンプール経由でペナンとクアラトレンガヌまたはコタバルの空港間を飛ぶ方が多いし時間的には早いですね。しかし長距離バスに乗って半島北部の東西道路を走って半島を横断するのは時間がかかりますが、風景を楽しめていいものです。

クアラルンプール及びその近辺の都市からバスで東海岸へ行くためには、よく知られた クアラルンプールから直接つながるKarakハイウエーを走り、テメロー経由の クアンタンルートを使いますから、上記の東西横断道路を使うことはありません。イポー当りからだと一度クアラルンプールまで戻るより、ペラ州のGerikまで北上してそこから東西道路を使った方が時間的には早いでしょう。

いずれにしてもここで紹介する東西道路を走行するルートは旅行者、在住者にはなじみのないルートですが、その分外国人旅行者の少ないこういうルートを走ってみるのは旅の楽しみですよ。

東から西へ走行する

筆者はこの半島横断する道路の半分ほど、ちょうど国道4号にあたる、を東から西に向かって乗合いバスで走りました(98年8月)ので、その記録です。

国境の山並みこの道路は半島北部の唯一の主要道路なので、カーブが非常に多いもののよく整備されています。 半島を縦断する南北ハイウエーのように専用高速道ではありませんが、半島北部の山岳地帯を横断するため、クランタン州の Jeli町を過ぎたあたりから景色がたいへんよくなります。
プランテーション農園を突き抜けて走る南北ハイウエーの見慣れた景色と違って、タイとの国境線となっているジャングル山岳地帯を突き抜けて走っているとマレーシアの自然の豊かさを実感してきます。それに高原を走るので結構すずしいのです。(左の写真)

Tanah MerahとGerik間を結ぶ乗合いバスは1日1往復しかない、Tanah Merah は朝発、 Gerik発は午後、のでこれに乗れに乗って国道4号線を走ります。

ところでJeliは何もない田舎町、安ホテルさえありませんから、半島北部を横断してJeliより更に西へ行く人は、Tanah Merah発のこのバスに乗るか、東海岸の都市発ペナン又はペラ州のイポー行きなどの長距離バスに乗り途中で降りる、乗合いタクシー(その場合多分1人で借り切ることになるでしょう)の3通りから選ぶことになります。

湖 湖
Jeliを過ぎればもうペラ州、そして最終バスストップのGerikで降ります。乗合いバスの車窓からのんびり景色を楽しんで下さい。特に山岳地帯を下ってきて眼下に開け出し、ついで湖上の橋を通りぬけていくTasik Temengur湖はたいへんきれいな眺めですよ。(上の写真は走るバスから湖上の橋で撮ったもの)

この湖にはBanding Resortというのがあり、また釣りでも有名とか。乗合いバスですから途中で降りたらその後の足がないので、ゆっくり景色を楽しめないのがまことに残念でした。旅行者の少ないこういうルートを走ってみるのも旅の楽しみです。

西から東へ走行する

久しぶりにこの東西横断道路を走りました(2003年10月初)。今回は西から東へです。ケダー州の東端にあってペラ州に隣接した町Baling から午前11時過ぎにTransnasionalの長距離バスに乗り、終点のコタバル市内に着いたのが16時半でした。このバスはペルリス州カンガー8時半とのことです。他にもアロースター、バタワースからのバス便が東西横断道路を走ってそれぞれコタバルとを結んでいます。夜行便だけでなく、朝発の日中便も本数少なくあります。よって景色を楽しむなら日中便に限ります。

東西横断道路を走るだけであればBaling まで行く必要はありませんが、山間の町であるBaling とクランタン州の町Jeli の間が実質的にこの横断ルートのハイライト部分であるともいえるでしょう。なぜなら険しい山間部走行がこの区間のほとんどを占め、且つ景色の良い部分もこの区間中にあるからです。Baling へは同じケダー州のスンガイプタニからバス便があります(UTCバス会社)が、本数はあまり多くない。運賃RM 4 で約1時間半かかる。他にもKulimまたはAlorSatr との間にもバス便がある(Kulim Bas Road Transport会社)。 さらにペナン州のバタワースとの間にもバス便がある(586番)。

Balingの町の背後には岩山がそびえ、こじんまりとした町です(下左の写真)。ホテルを探したがごく少ないように思えました。尚Balingとペラ州のGerikとの間にはPengkalan Huluを経由する乗り合いバス(45番)が頻繁に運行されています。Baling からPengkalan Huluまでは15Km程度、タクシーならRM12、10数分程度です。

注:Pengkalan Huluに関しては、「隣国との国境の超え方と情報」 ページにある”旅マニアのための国境超え−その3” をご覧ください。

 

尚上記の長距離バスはBalingで客を乗せた後はPengkalan Huluは停車せずに通りすぎてしまう、そしてGerik 地方をかすめて一路Temmengor湖を目指して走ります。つまりPengkalan Huluでは乗車できず且つGerikの町には入りません

Temmengor湖に浮かぶBanding島はこの横断道路が2つの橋を介して走っているが、あっという間に過ぎ去ってしまいます。高台からこの島を眺める風景はたいへんきれいです(上右の写真、建物は警察署)、しかしバスからでは充分なる時間が取れないのが残念です。Banding島にある唯一の宿バンディンリゾートへは、バス道路で降りれば歩いていける距離でしょう。ただし長距離バスは途中で客を拾わないので、降りたら最後後は宿でタクシーを斡旋してもらうしか方法はなくなります。


2003年10月7日更新、98年8月初掲載


付録:バタワースから半島部の東部方面へ行く


次ぎのようなお尋ねが以前ありましたので、それに対する筆者の返答を載せておきます。

質問:今度、プンカランフル〜べトン国境を越えてみようと思います。
そこで質問なのですが、ペナン・バタワースからプンカランフルへ行くバスはあるのでしょうか?

返答:Pengkalan Hulu(Kerohとも呼ぶ)を通るバスは主にGrikとBailingの間を往復しているバスですね、ペラ州内の田舎町なので、他州からのバスはこれ以外ほとんどありません。
長距離バスはクアラルンプールとの間です。ペナンとの間にあるかどうか記憶していませんが、多分ないと思います、需要がないからでしょう。
しかし
バタワースとコタバルを結ぶ長距離、深夜又は朝発のみ、のバスがこのルートを通りますね。地図を見れば、このルートしか、つまり76号線から
4号線を走る、ないのです。これで途中下車すればいいでしょう。ただし料金はどこで降りようと通常は終点まで払う必要がありますよ。深夜バスだと真夜中通過ですから、やめたほうがいいです

もう一つの行き方です
バタワースからケダー州のSungaiPetaniまでバスで行き、そこでBailing行きに乗り換えます。Bailingはペラ州と隣接した町でGrik行きのバスが運行されています。これが上記のバスです

アロースターまで行き、Bailing行きを探してもいいでしょうがスンガイプタニの方がバタワースからずっと近い。

ローカルバスの利用法
マレーシアの近距離バスは州内を運行が基本です(例外あり)ですから、ある州の代表的ッ町からはその近郊村町へバス便が本数は少ないが運行されています。だからPengkalan Huluのような小さな田舎町へは他州から直接行くバスが通常はない、そこでケダー州の隣接町まで行き、そこからペラ州内へ行く近距離バスに乗り換える方法を使えばいいのです。
州超えのバスがない場合でも、近接町からのタクシーならそれほど高価にはならない

2001年7月掲載