マレーシア通貨と両替えの説明及び出入国申告カードと入国許可条件の解説


たいへん質問の多い事項なのでまとめておきました。いろんなうわさに惑わされないよう、このページをよくお読みになれば疑問は解決できると思います。このページは2016年 1月10日に最終更新しました。

マレーシアの通貨


5種の新紙幣が 2012年7月16日から流通開始

2012年7月16日から新しい紙幣の流通が始まりました。
中央銀行 Bank Negara は今回 防護性を強化した5種の紙幣を発行します: RM1, RM5, RM10, RM20, RM100

新しく発行する紙幣シリーズは最新の技術を使用して防護策を強化しているとのことです。 また RM1, RM5 紙幣はポリマー基質を使用します。
1995年に発行が停止されてもはや流通してない RM 20紙幣が今回復活します。 
また2007年12月に発行開始された現行の RM 50紙幣は変わらず流通を続けます。現行のその他紙幣も法定通貨であり、流通に変わりはありません。

新紙幣の特徴に1つに、目の不自由者に識別を容易にする工夫があります。 そして新紙幣はマレーシアの多様な文化と遺産と自然からひらめきを取っており、テーマが特色あるマレーシアです。

Bank Negara 発表の新紙幣説明イラストをサイトにアップロードしたので、PDF でご覧ください: RM 1紙幣、 RM 5紙幣、 RM 10紙幣 、RM 20紙幣、 RM 100紙幣

旧デザインの紙幣

とっくに廃止されたRM2紙幣と 今回新規発行のなかったRM 50紙幣を除いて、4種の旧デザイン紙幣は2012年後半時点でもまだ十分に流通しているので、上記新紙幣と混在している

       

      

以上の紙幣画像は読者の mimpi さんから提供していただきました。

2011年7月末のニュースから

中央銀行Bank Negaraは、20年ほど使われてきた現行の硬貨を来年初めから新しいデザインの硬貨に切り替えると発表しました。
中央銀行総裁はさらに、新デザインの紙幣の発行を9月にすることを示唆しましたが、詳しくは明らかにしませんでした。硬貨に関しては、販売機を調整する必要があることなどから、新しいデザインの硬貨の流通は来年になってからだと、しています。

新デザイン硬貨は 50sen, 20sen, 10sen、 5senの4種類で、現行硬貨よりやや小さく軽い、セキュリティー機能を強化しています。

TheStar 紙から拝借したコインの写真です

過去情報: 中央銀行Bank Negaraが 2000年11月8日から、以前とは別デザインで新1リンギット紙幣を発行開始した。一方2リンギット紙幣は次第に消えて行くことになる、またこれまでの1リンギット硬貨は引き続き流通させて行くと発表。新1リンギット紙幣は、120m X 65mの大きさで、青色基調の中に初代国王の顔写真です。裏側にはマレーシア凧と海岸とキナバル山とApi山が描かれています。


出入国時の通貨規制

98年9月からマレーシア政府の導入した、リンギットの為替両替え率を米ドルに固定するなどの新外貨政策のため(下段を参照のこと)、外国人旅行者はマレーシア入国時に所持通貨申請が義務付けられていた。しかしだんだんと緩和されて運用面で相当変わってきた。 

過去情報:
入国前に手渡される出入国申告カード中にある "Currency Declaration" 部分に正直に記入すれば、まったく問題はない。
旅行者小切手を含んで外貨の持ちこみに上限はない、つまり1億円持ち込んでも正直に申告しておけばいいのです。ただし外貨・円貨の合計がUS$2,500を越える場合のみその内訳を書く必要があり、それ以下なら何も書かなくてよい。つまり旅行者小切手を含めて所持金を米ドル換算して2500ドル以下の人は空欄のままです。
入国時に上記の申告用紙を提出してスタンプを押してもらっているので、出国時に持ちこんだ額までの外貨持出しは問題ないし、空欄にした人は尚更問題ない。しかし持ち込んだ額以上に持ち出す場合は理由が必要になるので、あらかじめ中央銀行に相談すること。
マレーシアリンギットの持出し又は持ちこみはRM1000までならOKです。それ以上はだめ。

2010年1月から施行されている新規則

マレーシア入出国時に義務となる、新しい通貨申告の規則を中央銀行 Bak Negara が発表しました。実施は2010年1月1日からです。
マレーシアに入国する/から出国する者は誰であれ入手国地点において、現金、旅行者小切手や持参人払い小切手など譲渡可能な無記名証券がその種類に関わらず合計が US$10,000を超える場合は、 税関所定書式 22号を用いて申告しなければなりません。この書式は全ての国境検問所の窓口で得られるようになっています。

訪問者は申告漏れや虚偽の申告をしてこの規則に違反すると、罰金最高RM 100万または1年を超えない懲役、またはその両方に処せられます。今回の新規則は反マネーロンダリングと反テロリズム金融法に基づいており、国家金融行動委員会の特別提言にも合致していると、中央銀行は説明しています。「これはマネーロンダリングとテロリズム金融と戦う世界的な努力にも沿ったものです。 カナダ、英国、オーストラリア、日本、シンガポールなどはすでにこの申告規則を施行しています。」
問い合わせ: 税関当局 1-800-88-8855, 03-88824803

詳しくは中央銀行が発表している このファイルをダウンローしてください  PDFファイル(全文英語)




国外でのリンギット 売買はできる

国外でのリンギット交換は公式な面においてはできなかったが、2005年7月の対米ドル固定相場廃止によってマレーシア国外でのリンギットの購入・売りはできます。

過去情報 (以下の1節は現在ではもう関係ないが、当時の情報として残しておきます)
しかし絶対にできないでのはなくて、あくまでマレーシア政府は認めていない、ということです。だから外国の銀行は例外を除いてリンギットの売買をしません。ただリンギット売買したからといって違法になるわけではありません。
だからマレーシアと国境を接するシンガポール、スマトラ、タイの国境の町なら当時から変わらず、私設両替所ではリンギットを盛んに両替している。例えばマレーシア国境に近い タイのハジャイなどの私設両替店ではリンギット売買をしている。ここで換えたリンギットを規定額以下持ち込んでもなんら問題はない。反対に使い残したリンギットを規定額以下持出し、ハジャイで換える事もできる。
2002年中頃なってバンコクの空港内の両替え所でリンギットからのバーツへの両替えを受けつけるようになった。このように隣国の銀行によってはリンギット扱いも再開しました。ジャカルタの空港の銀行、両替え所でもリンギットは両替えできます。
このように隣国ではリンギットの両替えはもう普通のように行われていますが、ただし国境付近と空港などを除いてリンギットを交換できる銀行と両替店は数が限られていることは覚えておいてください。


外貨両替え

マレーシアでなくても外国旅行に共通ですが、旅行者小切手と現金を混ぜて持っていくこと、比率はその人の旅行スタイルによって違う。クレジットカードもあれば携帯する方がよい、つまりいざという時、両替えしたくない時、あれば便利です。なおマレーシアは公認両替所が大都市には多いので、旅行者小切手に強いてする必要はあまりない、ただし落としたりなくしたりすることが心配ない人は、小切手を混ぜた方が良いでしょう。

第1の法則:二重両替えは手数料を余計に取られるだけなのでできるだけ省く。二重とは日本円から米ドルに換え、それをリンギットに換えるという方式のこと。公認両替所ならいうまでもなく、多くのマレーシアの主要銀行の支店で日本円から直接両替えできる。ものすごく辺ぴなところには、もともと銀行も両替え店もない、これは世界共通です。

注:一部の銀行では日本円からの両替を受け付けない地方の支店がある、例えば 香港上海銀行、OCBC Bankなどマレーシアでの外国系銀行、及びもともと外貨両替サービスをほとんどうたっていない銀行、Southern Bank、Bank Simpanan Nasional など。

尚本来はどこの支店であれ日本円からの両替を受け付ける銀行なのに断わられたという事例が掲示板に現れましたので、下段に別項目として詳しく書いておきました。ご覧ください。

第2の法則:国際便が到着する空港なら、必ず銀行の両替えコーナーが空港内に最低1つはある。KLIA空港なら5,6箇所以上ある。KLIAで国内便に乗り換える人は、できるだけKLIA内の銀行両替所で当座の必要な分だけ両替しておくことを勧めます。LCCターミナルは24時間営業の両替所が複数個所にある。
普通の旅行者ならマレーシア到着前に無理してリンギットをたくさん入手しておく必要はまったくない。大都市なら公認両替所がたくさんあり、営業時間が銀行のそれより長い。

マレーシアの銀行での旅行者小切手両替えの場合
現金からの両替えよりも率は幾分良い、しかし取り扱い手数料が銀行によって、1回 RM 5からRM 10 課される。尚旅行者小切手1枚につき15セントの印紙税が別途かかる。よってごく少額の両替だと、手取額が現金の方が良くなる場合がほとんどでしょう。

第3の法則:公認両替所の方が一般に、銀行より幾分交換率が良い。ただしその両替え店の場所と人気度などによって必ずしもそうとはいえないこともあるので、時間のある人はいくつかの公認両替所を訪ねてみるのもよい。 公認両替所は全て、現金からの両替えは銀行でと同じく手数料はかからない。
なお空港にある銀行の両替所は、市中にある同じ銀行両替所よりレートが幾分悪いので、空港では当座の分だけ両替する方が良いでしょう。

マレーシアの公認両替え店には3種ある(多い順に)
旅行者小切手は受け付けない
旅行者小切手を受け付けるが、手数料を取る
旅行者小切手を手数料なしで両替えできる、但しこの場合現金から両替えするよりも両替え率が幾分低く設定されている。

第4の法則: 自由旅行して陸路又は海路マレーシアに入国する旅行者のみ対象(空路はまず関係ない)
マレーシアに到着する時間によっては、あらかじめリンギットを多少入手しておいた方がいい場合もでてくる。その場合は上記「通貨規制」 の注意事項を参照してください。有名な出入国ルートであれば、リンギットへの交換はその国の国境近くの両替え店でできる。国境から遠く離れた地方都市ではリンギットは入手できないのが普通です。

公認両替屋・所の営業時間
早朝からオープンする店は極めて例外の場所(港など)で且つ例外的な数だと考えてよい。
店を閉めるのは時間は、クアラルンプール市内の店でも昔は夕方には閉めたが2010年代は夜まで開けている所が多くなった。ショッピングセンター内で営業している店は、遅くまで営業している場合が普通になり、とりわけ有名なショッピングセンターで営業している両替所はたいてい21時過ぎまで店を開けていると思われる。例: Sungai Wang Plaza 21時まで

空港の銀行、市中の外貨両替所の外為レートについて  − 2016年 1月 10日追記
KLIA, KLIA2 には数多くの外貨両替所があります、いずれも各銀行が設けており、ほとんどが24時間オープンのはずです。

こういう空港の外貨両替所のレートはその銀行の市中にある両替所よりレートが幾分悪くなっている、つまり銀行側に有利という意味です。例えばMaybank の公式サイトのある日における1万円の現金両替え率が RM 345だとすれば RM 340位であるという風にです。
恐らく空港での外為レートの設定は各銀行しめし合わせて幾分低いレートにしているであろうと、推測される。

バンコクの空港ではこれと同じようなことが1980年代の昔から行われています。

外貨両替の際の外為レートは、民間の公認両替所の方が銀行の両替所より客側に有利な場合がよくあります。ただし両替屋の方が銀行より良いと断定はできません。
なぜなら公認両替所間における外為レートの違いは相当大きい。例えば日本円に関して良いレートを付ける両替屋が RM 3.50 を付けている時に、悪いレートの両替屋の中にはRM 3.20 程度の所もある。両替所の地区・場所、主対象とする客層、ビジネス状況などによって各両替所間の差はかなり大きなものとなる。

結局のことろ、クアラルンプール及びその近郊だけでも公認両替所は何百店舗もあるため、目的の外貨に関する外為レートの良い所を探すにはそれなりの労力が必要です。

マレーシアの銀行の営業日と休み

次ぎの2つの州以外はクアラルンプールを含めて全て日曜休みで土曜日半日。99年から毎月第一土曜日が休日となり、2001年9月から第3土曜日がこれに加わった
クランタン州、トレンガヌ州の2州のみ毎週金曜日と土曜日が休みです。
しかし、全国の銀行は2006年2月1日から営業面で完全週休2日制に移行しました。つまり土曜半日はなくなった。そのため銀行協会の発表では、1日の営業時間が多少伸びました。

ハリラヤプアサとか中国正月のように全国共通の祝日以外に、各州独自の州祝日がある。全国の祝日は 「マレーシアの祝日とカレンダー」 ページを参照してください。

オープン時間
朝9時から15時ごろまでが一般的だが、9時半から16時というような銀行もある。銀行によって多少違いがあります
尚、空港とクアラルンプール市内にある銀行の両替え専門店は、休日なく 週 7日毎日オープンです。
空港での両替えに関しては、「KLIA空港の交通案内と情報」 を参照してください。


リンギットと円の両替率

リンギットと円の両替率は(外貨為替率)は常時変動しているので、当サイトの 「新聞の記事から」 で現金両替レートを1週間に1回程度掲載しています。そちらで最新レートを確認してください。

リンギットの米ドル固定相場制を廃止

2005年7月21日、中央銀行つまり政府はリンギットの対米ドル固定相場制を止めました。よってリンギットは他通貨と同様に米ドルに対しても変動することになりました。政府は管理した変動相場を念頭に置いているとの見方があります。

過去情報:米ドルに固定されていた頃のリンギットの両替え率
通貨リンギットマレーシア(記号RM)はページ上段で解説しているように、為替交換率は米ドルに固定しています。つまりUS$1=RM3.8です。その上下幅は0.75% だったか1%前後だったか、定めてあります(詳しい数字は忘れた)。そこで銀行は当然中央銀行の指示に従がいます。街の両替え屋なら、多分従がう必要はないかもしれませんが、世の相場に反した両替え率は商売上ありえないでしょうから、売買ともいつも3.8前後です。
例:2002年12月5日の銀行レートでは、ドルからリンギットへの両替えは3.765、 リンギットをドルに替える場合 3.825でした。同日の街の両替え屋ならドルからリンギットへ両替えで RM3.78ぐらい入手できるでしょう。つまりわずかに銀行より有利です。


99年7月8日初掲載、以後度々更新、最新は2014年2月


ずっと以前旅の掲示板に書いたものを再録


重要通知事項:円からリンギットへの両替 投稿者:Intraasia  投稿日: 9月15日(金)11時38分48秒

地方の銀行支店、(掲示板の)下記の書き込みではクアラトレンガヌですが、で日本円からリンギットへの両替が断られたという出来事は、情報発信者として、さらに旅行者の立場からみても、とても見逃すことなのできない重要なことなので、ここできちんと書いておきます。

地方のものすごく小さな支店で両替業務を制限しているということは考えられますし、地方の支店では円の持ち合わせがないから、リンギットから円に換えられない場合があることは分ります。しかしここで問題になっているのは、地方の主要支店で円からリンギットへの交換の場合です。
そこでこの掲示板で問題になった3銀行の本店の外貨両替部に電話して、そのあたりを詳しく確認しました。結論として大抵の銀行は地方の支店でも”当然円からリンギットの両替はできる”という当たり前のことでした。電話で話した担当者は、断る理由がないとも言っておりました

Public Bank:どこの支店でも円からの両替はできる、ただし一人1日RM2500まで。もしできないと言われたら次ぎの電話番号に連絡 本店 Foreign Exchange department 03-22703377or 258
Bank Bumi-Commerce: どこの支店でも円からリンギットの交換はできる、本店で掲載されている外貨の両替はどこの支店でもリンギットに交換できる。もし断られるようなことがあったら次ぎの電話番号に連絡 本店 03-2981166 Foreign Exchange Department
Hongkong BankHSBC: 地方の支店では米ドルと英国ポンドに限っている所がある。クアラトレンガヌは恐らくそうでしょう、円から両替したければ公認両替所へ行って下さいとの返事でした

これからわかりますように、最大手のMayBnakは言うまでもなく普通の大手中手銀行は円から両替できますし、銀行の担当者も他行もそのはずだと言っておりました、HSBCの場合は例外的だと思います。(一部の銀行で外貨両替業務をそのものをしてない銀行は除く)
今後もし地方の主要支店で円からリンギットの両替を拒否されたら、上記2行であれば上記の電話番号へ訴えてください、それ以外の銀行でも理由を尋ねた後、本店に苦情を持ち込むべきです
ご自分でできない方は、正式な支店名と日時と断られた理由、さらにできれば担当者名も添えて、Intraasiaまで通報してください。はっきりとしたデータを基にして私が替わりに苦情を伝えます。
皆さんの協力と情報をお待ちしております。


日本円からの両替に関して再度説明 投稿者:Intraasia  投稿日: 9月25日(月)13時03分56秒

日本円からリンギットへの両替の件はたいへん重要なことなので再度調査した結果などを書いておきます。この項目だけでなく9月15日に私が書いたものも参考にしてください

まずRHB銀行は本店に2回確認したところ、どこの支店であれ日本円からの両替はもちろん受けつけるとのことです。今後もし拒否されるようなことがあったら本店の顧客サービス係り 03−9806888に電話してください。トレンガヌで拒否された例があると伝えたら、不都合を与えてもうしわけないと、係りは言っておりました。
15日の掲示板で確認した、Public Bank, Bank Bumi-Commerce,そして Hong Leong Bank(本日確認), RHB Bankも日本円からの両替をどこの支店でも約束しています。マレーシア最大の May Bankはいうまでもないでしょう。

こういったことからマレーシアの主用銀行なら間違いなくどこの支店でも日本円からの両替を受け付けるはずです。もう一度強調しますが、もし拒否されたら断固抗議すべきです、且つ本店に連絡してください
尚以前の私の情報、「すべての銀行で両替できる」との表現に間違いがあったのでここでお詫びして訂正しておきます。表現を次ぎのように改めました。

注:一部の銀行では日本円からの両替を受け付けない地方の支店がある、例えば 香港上海銀行、OCBC Bankなどマレーシアでの外国系銀行、及びもともと外貨両替サービスをほとんどうたっていない中小又は特定層の対象の銀行、Southern Bank、Bank Simpanan Nasionalなど。

どこが主要銀行でどれが中小銀行かを見分けるのは難しいですから、ここで確認した大手銀行で両替するのが無難ですね。これだけあれば、半島部ならまず大抵の地方町はカバーできます。



入出国カードの記入提出が不要となった

2012年6月初めから入出国申告カードの使用停止が正式に決まりました。
将来復活するかどうかは当然誰にもわかりませんが、当局が正式にお知らせを出さなかったことから半年以上外国人旅行者を困惑させていた入出国カードは、とにかくなくなりました。

初めてマレーシア入国する外国人は、入出国検査場 Imigresen のパスポート検査を受ける窓口で両手人差し指の指紋登録が義務付けられています。

一度登録されれば、次回入国からはパスポート提示だけになります。ただし入出国検査場 Imigresen の検査官の説明によれば、検査官の判断次第で入出国者の指紋登録を確認することがある、ということです。つまり外国人はある特定の入出国時に指紋登録を確認されるのではなく、検査官が必要と感じればその都度指紋登録を確認されるということです。 だから確認されない場合の方が多いはずですし、出入国が比較的多いイントラアジアの経験からも指紋確認されるのは、”たまにある”だけです。

2014年3月に起きた、マレーシア航空失踪後インド洋墜落事件の後、マレーシア政府は出入国検査の厳格化を指示した。 これによって主要空港での入出国時の手指指紋確認がより頻繁に行われている。恐らくほとんどの外国人は出国時にこの指紋照合・確認を受けることになる。 
同時に出国時の手荷物検査及び身体の金属物探知検査は厳しくなった。

2014年4月更新、2012年6月13日


一般的な免税の範囲

旅行者一人当りの免税の範囲、ただし72時間以上マレーシアに滞在することが条件です

Intraasia注:何々を超えないことと英文では書かれています、この意味はその数字まで許されるということです。つまり土産品はRM200まで免税です。その他ここに書かれてない個人使用の化粧品、香水、新品でない衣服、録音機能付きラジオ、カメラ、パソコンなども免税ですね。ランカウイ島だけに滞在する場合は48時間以上滞在が条件になります


次はさらに詳細な規定です。 最新情報は下にも示しました マレーシア税関のサイトで確認してください。

免税と課税品と禁制品の範囲

マレーシアに何を持ち込むことが許されるのか、何が持ち込み禁止なのか、持ち込み許される数量または範囲はどこまでか、といった正確で詳しい情報をお求めになる場合、いろんなサイトや本を見てもだめです。
唯一基にすべきサイトは Kastam Diraja Malaysia つまりRoayal Malaysian Customes (マレーシア税関)の公式サイトです:www.customs.gov.my/  この種の規則の全てをこの官庁が決定し、公表しています。

Goods Exempted 免税品つまり持込が許される品の範囲:


PROHIBITION/RESTRICTION OF IMPORTS 禁制品:
公式サイトのメニューから Traveler's Guide  という項目を見つけてください(ちょっとてこずるかもしれません)。その中に 禁止品目がずらーとあげてあります。
The following goods are absolutely prohibited from importation:

参考までに
ところで、官庁ですからすべてを杓子定規に適用することはないといえることも経験上間違いではないでしょう。もちろん何か違反をして、其の際に100%厳密に適用される人も当然でますし、それ自体に文句を言っても始まりませんね。



既に廃止されましたが、下記は参考記録として残してあります。

入出国申告カード(用紙)の記入の仕方

2008年1月ごろ出入国カードが一時廃止され、パスポートを提示するだけとなりました。しかし入出国カード制度は2008年8月15日から再導入されて復活しました。

2009年半ば頃から、Imigresen 入国検査場に用意されている入出国カードが従来の半分くらいに縮小された書式になりました。そのため印刷文字がかなり小さく、書き込み欄も小さいわけです。小さすぎて記入に不便といえます。
その後、2010年のいつかは不明だが、カードの書式内容が一部変更されました。変更点は従来の出入国カードにあった税関申告 (CUSTOMS DECLARATION) と所持金申告(CURRENCY DECLARATION)の部分が削除されたことです。その他の書式内容は以前と全く同じですので、このページの記入説明を引き続き参考にしてください。 - 2011年4月11日記

2011年時点で用いられている最新のカードを掲載しましたので、最新の入出国カードPDFファイル形式 をクリックすると別ページで開きます。- 2011年9月24日

お知らせ:入出国カードに関する2012年前半の状況、及び2012年5月下旬に発表された入出国カードを廃止する決定のニュース
詳しくは 『入出国カードに関する Imigresenの方針』 をクリックすると別画面になりますので、そこで説明をお読みください。

ではそれぞれの項目に分けて記入の仕方を説明しましょう。
カードの原文(英文)項目名を抜き出して、それを説明していきます。ものすごく簡単な項目、例えばSignature などというのは説明を省きました。



入国カード(ARRIVAL CARD)

Full Name (As Appears in Passport) : 氏名を英字綴りで記入(パスポートに書かれているように
現在日本国パスポートの氏名欄は全て、姓が先、名前が後となっていますね。姓と名前をひっくり返すような悪癖は止めましょう。日本人は 姓+名前 なのです、欧米植民地意識の抜けきらない悪しき慣習を断固拒否し、海外でも特に指示がない限り 姓+名前 で書きましょう。もちろんそれによって問題など起きません、現にこのカードの指示には”パスポートに書かれているように”と印刷されていますよ。

注:マレーシア航空の機内誌には、”名+姓”の例が90年代の昔から長い間載っています(2011年時点でも同じかどうかは未確認)。こういう英語をまともに訳せない、理解できないあほが書いたものは無視しましょう。

Date of Expiry (DD-MM-YYYY):パスポートの有効期限を 日、月、西暦年 の順番で記入する
2005年8月25日の例: 25-08-2005 

Place of Issue:パスポートの発行された地
この欄は15文字分ですから、簡単に記入すればよい。例 Tokyo とか Sapporo, Japanとしておく

Nationality:国籍
JAPANESE と書く

Date of Birth (DD-MM-YYYY):生年月日も日、月、西暦年 の順番で記入する
1972年1月10日の例: 10-01-1972
Place of Birth:生まれた地   例 Hukuoka, Sendai など

City of Residence:居住している市、町
この欄は15文字分です、簡潔に書けばいいのです。例:HIROSHIMA、Aomori、OSAKA など

Country of Residence:住んでいる国
JAPAN

Last Country of Embarkation:最後に出国した国
どこの国で出国手続きをして飛行機に乗ったかということ、日本からならJAPAN。尚トランジットした国は関係ない。陸路であれば SINGAPORE, THAILAND と記入。

Flight No/Train Name:乗って来た飛行機の便名、列車の便名など
マレーシア航空なら MH **、 AirAsia X なら D7 ***、 その他シンガポール航空ならSQ** となります

Occupatiom: 職業 
5つある項目から選んでチェック記号”V” を記入。どれにも当てはまらなければ "Others" (その他)にチェックする

Purpose of Visit:マレーシア訪問の目的
8つある項目から選んでチェック記号”V” を記入。どれにも当てはまらなければ "Others" その他にチェックする。旅行者は"Holiday" にチェックすること。"友人を訪問する" にチェック記号をつけてももちろん問題なし。

Accomodation During Stay:滞在中の宿泊種類
ホテル類、友人知人の住宅、その他 の3項目から選択してチェックする

Have you ever used a passport under different name to enter Malaysia? If Yes, Please state.:これまでにマレーシア入国した際に、現在とは違った氏名のパスポートを使用しましたか? もしそうであれば、それを書きなさい、という意味です。
ほとんどの方は”No“ にチェックすることになりますね。

Address in Malaysia: マレーシアでの住所
滞在中の主たるホテル名を書けばいいのです、欄は30文字分だけです。例: INTRAASIA Hotel, Kuala Lumpur

出国カード(DEPARTURE CARD)

Full Name (As Appears in Passport),  Pass Port No.  Nationality  
の3項目だけです。入国時に記入しておくが、記入法は上記参照のこと



2011年時点で税関申告の部分は削除されているので過去の記録として残してあります
税関申告 (CUSTOMS DECLARATION)

英文の意味:すべての訪問者又は家族中の責任者はこれに記入して次ぎの情報を提供しなければなりません、ただし1家族に申告書は1枚で結構です。記入した申告書を(ミシン目から)切り離し、到着時に税関職員に提出しなさい。

Full Name (As Appears in Passport),  Pass Port No.
いずれも上記で説明したとおり、姓、名の順序ですよ。

Number of Family Members Travelling Together : いっしょに到着した家族の人数を数字で記入

英文の意味:(この税関申告書裏である)6ページのお知らせを読んだ後、次ぎ2つのうちあてはまる方の四角内にチェックの記号をつけなさい
Goods to Declare □:申告品がある、 6ページにその内容を記入し、税関の検査台へ進みなさい
Nothing to Declare □:申告するものなし、 緑色で示されたレーンへ進みなさい 

Intraasia注:「緑色で示されたレーンへ進みなさい」というのは、税関検査台の所が緑色で示されていますので、その台の前を通って外への通路に進みなさいということです。KLIA空港のような大きな税関検査場はこの区別がありますが、小さな空港、陸路又は海路はいるような税関検査の場合は、こういった検査台の区別はありません。


英文の意味:私はこのお知らせを読み、この申告が正しいことを証明します。
署名欄に署名して、その隣に日付を書きます

免税の範囲

旅行者一人当りの免税の範囲、ただし72時間以上マレーシアに滞在することが条件です

Intraasia注:何々を超えないことと英文では書かれています、この意味はその数字まで許されるということです。つまり土産品はRM200まで免税です。その他ここに書かれてない個人使用の化粧品、香水、新品でない衣服、録音機能付きラジオ、カメラ、パソコンなども免税ですね。ランカウイ島だけに滞在する場合は48時間以上滞在が条件になります


Please declare all goods in excess of the duty exemptions :免税の範囲を超える品物を全て申告しなさい

という文字の下に品物名と数量と価値(RM)を書き込む表がありますので、当てはまる方は書き込んでください。この表でも足らない方は税関職員に言えば余分の用紙をくれるでしょう。
以上は過去の記録として

PLANT QUARANTINE DECLARATION: 植物検疫申告

質問の意味: あなたはこの30日以内にアフリカまたは中南米へ行きましたか?
YES,  NO:当てはまる方にチェックしてください

質問の意味: あなたはなんらかの植物又はその一部又は植物製品(例えば果物、花、種)、生きた魚、新鮮な又は冷凍の魚、それらの一部又は魚製品、動物、その一部又は動物製品、生物、昆虫、土、生物培養品又はその製品、のどれかを所持していますか?
YES、 NO:当てはまる方にチェックしてください

英文の意味:もしYesの場合は植物検疫所に報告してください

HEALTH QUARANTINE DECLARATION:健康(保健)検疫申告

質問の意味:あなたはこの6ヶ月間にアフリカまたは中南米を訪れましたか?
YES、 NO: 当てはまる方にチェックしてください

且つ / または
質問の意味: あなたが今回マレーシアに到着された直前の2週間に、次ぎに掲げる症状の内どれかを経験されましたか?
下痢、腹痛、嘔吐、熱、頭痛、咽喉炎、発疹、黄疸、激しい咳、呼吸困難、腹部の出血、ひきつけ
YES、 NO: 当てはまる方にチェックしてください

英文の意味: もし(上の2つの質問中)どれかに YES であれば、健康検疫所に報告してください。

次の部分も2011年時点では削除されています
CURRENCY DECLARATION: 所持金申告

英文の意味: 到着時と出発時にあなたが、RM1000を超えるリンギット紙幣を所持している、且つ/又は、合計して米ドル換算US$2500を超える外国通貨及び/又は旅行者小切手を所持している、そういう場合のみ次ぎの部分に書き込みなさい。

Intraasia注:このページの上方で説明したことを堅苦しく記載してあるだけです。上で書いた「出入国時の通貨規制」をもう一度ご覧ください。



入国許可条件といわゆる観光ビザの解説

マレーシアに入国するいわゆる観光ビザに関して、これまで少なからずの方が [旅の掲示板] などで質問、疑問を書き込んでこられました。さらに筆者の個人的経験からいっても、間違って理解されている方が少なくありません。そこでここで改めて説明を書いておきます。
ここで引用するのは全て、マレーシアの出入国管理庁である Imigresen の公式説明からです。ですから単に私の個人的意見ではありませんよ。

大事なことばの説明: ビザ(Visa)は入国するためのいわば入国許可証であり、パス(Pass) が滞在するためのいわば滞在許可証です。ビザ(Visa)とパス(Pass) は別物です。観光旅行などで入国する日本人などのパスポートに押されるのはパス(Pass) です、ビザではありませんよ。通称観光ビザと呼んでいますが、マレーシアではそれは 観光を含めた ソーシャルビジットパス  というのが正しい理解です。

入国するための要件

まず外国人は定められた条件を満たしたパスポート提示しなければならないというのは当然すぎるほど当然なので、説明を省きます。

1.”Foreign nationals who require a Visa to enter Malaysia must apply and obtain a Visa in advance at Malaysian Representative Office before entering the country. ”つまり基本的に外国人は入国に先立ってビザを得なければならないということです。

”Visa which has been granted is not absolute guarantee that the holder will be allowed to enter Malaysia.The final decision lies with the Immigration Officer at the entry point.” これは非常に重要な文句です。ビザを得たからといって、外国人にマレーシア入国する権利を与えたわけではない、ということです。入国させるさせないはあくまでも受け入れる国家の官吏の手にあるのです、もちろん日本の入管当局も同じ姿勢ですね。旅行者はこれをきちんと肝に銘じておいてください。

2."Valid return travel ticket and sufficient funds " 有効な往復切符と十分なお金、というはっきりした条件ですね。
”A visitor is also required to present proof of his financial ability to finance his/her stay in Malaysia together with a confirmed return ticket to another destination.” つまり滞在中の金が十分あることを証明しなさい、マレーシアから出国する予定であることを示しなさいということです。 これは規定です、しかし適用面からいえば、全ての旅行者にこの規定を要求していないのも事実です、特に日本人旅行者はまずこれを要求されないでしょう。だからといって、私は絶対大丈夫だと過信しない方がいいでしょう。万が一尋問必要と見られた時、この条件を要求される場合も理論上はありえます。その時この規定を満足させていなければ、入国を拒否されたり滞在期限をぐっと制限されることになりかねません。Imigresenは ”全てを常に杓子定規に実行する” ことはないですが、たまたまそれを実行された時、規定を満たしていなければ拒否されても文句は言えません。

3.” National of these countries do not require visa to enter Malaysia for the purpose of social visits for not more than  three (3) months. For other purposes or sosial visits for a duration of stay exceeding three (3) months, visa is required.” つまり3ヶ月を超えない期間で社会訪問する目的でマレーシア入国する場合は、ビザ取得を免除する、ということです。その対象国に日本も含まれています。社会訪問とはいわゆる観光訪問、家族友人を訪問、することであり、さらに簡単なビジネス商談まで許されています。よって日本人の観光客や家族友人訪問者は、マレーシア入国するまえにビザを取得する必要はないのです。逆の言い方をすれば、社会訪問以外の場合はビザを取る必要があるということです(入国後取得する場合の説明は省く)。 

4.”Foreign nationals who wish to visit Malaysia have to obtain a pass at the point of entry besides a visa (where required) which allows them to stay temporarily. A pass is an endorsement in the passport constituting permission to stay for the approved duration” つまりマレーシア入国する外国人は、ビザとは別に入国地点で パス を得る必要がある。パスとは許可した期間マレーシアに滞在してもよろしい、というImigresen の保証なのです。社会訪問目的で入国する日本人はそのパスポートにスタンプを押されますが、それはすべてこのVISIT PASS (Social) なのです。そのパスの期間は日本人の場合は3ヶ月という場合がほとんどですが、社会訪問パス者全員が必ず3ヶ月滞在を許されるということにはなりません、なぜなら3ヶ月の滞在期間は権利ではありませんから。Imigresen係官の判断でそれより短い期間のスタンプを押される場合もあります。上記の2の部分を読み返して下さい。

以下は2004年当時のコメント

期間制限または入国拒否の要件として、何回出入国を重ねたからからとか、どれくらいすでに滞在したからということは、Imigresenの規定にはありません。例えあるとしてもそれは係官の判断の材料としてであり、規定文として公開明記されているのではありません。ですから 「社会訪問パス (Social VISIT PASS )で1年間に滞在できる期間は6ヶ月までだ」 などという、根拠の無いばかげた情報は無視しましょう。社会訪問パス で1年間に何回も出入りしている、または6ヶ月を超えて滞在している日本人など少なからずいらっしゃることでしょう。もちろん 社会訪問パス ですから働けませんし、ビジネス活動も禁止です。

ある人は2、3回入国で係官に注意を受け、ある人は受けない、そういうことは確かに起ります。それはいかにも労働・雇用真盛りの人が、社会訪問パスでマレーシアに長期滞在しておれば、黙って働いているのだろうなどと疑いをかけられても不思議ではありません。要するに、入国する人それぞれに対する観察によって、制限などは受けますし、受けない場合もあるのです。

尚社会訪問パスによる滞在だから所得税の対象にならない、ということでも必ずしもありません。マレーシアの所得税法と滞在・出入国に関する法律は別物です。つまり税法上の所得義務は1年間の滞在182日を越えればでてきます(細かな規定や例外などをここでは無視します)。しかし現実にどのくらいの長期滞在者が所得申告しているかは疑問ですけど。マレーシアは第2の我が家プログラムに関しては別項目で説明していますよ。

ここで説明した以外にも入国許可の条件と要件はありますが、以上で一般旅行者にはほぼ充分でしょう。雇用・労働目的といった社会訪問以外のマレーシア入国・滞在には細かい規定がありますので、勝手に判断せずに必ずImigresenの公式説明をよくお読みください。


この部分は2004年3月30日掲載、12月16日一部更新


社会訪問(ソーシャルビジット)パスでのマレーシア滞在制限に関する情報


上記の書き込みの一部、とりわけ「2004年当時のコメント」部分に関して大きな変化がありましたので、その内容を修正するために追記します。(コメント書いた当時とそれ以前はどこにも明文規定は公表されていなかったので、コメント自体は残しておきます)
2006年9月終わり頃読者のZさんから、マレーシア政府観光局の日本語ページの出入国情報に次ぎのような記載があるとの知らせ・指摘をメールで受けました。

※但しマレーシアで滞在できる期間は、1年間に90日x2回までです。それ以上は1年間に滞在は出来ません。

この記述はそれほど前に現われたものではないでしょう、多分今年(2006年)のことではないでしょうか。
そこでその読者が 観光局に宛てて、

 「再度確認依頼をしたところ、
1.年間/90日×2回滞在後、3週間以上日本に滞在した
 場合は再入国(90日)可能。
2.年間/90日×2回滞在後、アジア諸国に出た場合は
 再入国できない。
以上の返事が来ています。」 

だそうです。出入国の許可は、観光省ではなくあくまでもマレーシアImigresen が判断・決定しますので、Imigresen 自身のサイトで確認したいのですが、それができない場合も想定できます。よって当サイトもこの読者情報と観光局日本語ページの記載を注視して、上の私のコメントを取り消す意味合いで、この読者情報及び観光局記載事項を掲載しておきます。

ひとこと
タイでは2006年10月初めから、欧米諸国人、日本人などを対象にして、いわゆる観光ビザでの滞在を半年間で 90日に制限する規則を施行することがすでに公表され、話題になっています。マレーシアの規則も、それが事実であれば、同じような意味合いでしょう。この面での両国の決定は偶然かどうか知りませんが、狙いは同じでしょうね。
 この部分は2006年9月27日掲載

2010年追記
しかしこの滞在制限情報は現実として全ての国境検問所で施行されていないのは、極めて確かなことです。Imigresen の内規にこの種のものがあるのかどうか、公表されていない上、外部にはわかりません。しかしImiresen の公表規則にこんな制限事項はありません。 Intraasia が過去経験したことではっきりいえるのは、「年間 90日×2回滞在後、アジア諸国に出た場合 再入国できない」なんてことは一度もありませんでした。ソーシャルパスで90日滞在できるのは、入国者の権利ではありません。あくまでもImigresen の係官の判断で、最高90日は決まるのです。よって30日滞在のスタンプしか押してもらえなかった旅行者もいます。 働き盛りの人が、計180日間何もしてなかったという言い訳をしても信じてもらえない時もあるし、60歳過ぎの方が計300日間滞在して再入国しても何ら問題ないことも十分ありえます。 

マレーシア官僚機構の常識から言って、この種の情報を観光局に尋ねること自体見当違いです。 出入国検査に観光局は一切関与していません。何でも観光局に尋ねるようなことは止めましょう。マレーシアにおいて、官庁の決め事は、その権限を持った官庁の本庁に尋ねる、確認するということが、必要です。



外国人妊娠女性の入国に関して


外国人の妊娠女性のマレーシア入国に関して、これまでもごくたまに質問がありましたし、いくつかの”聞き情報”もありました。何ヶ月まではいいがそれを超えては入国できないといった、まことしやかな情報もありました。しかしどうも納得のできない情報なので、筆者はおかしく思っていました。なぜならタイやシンガポールから陸路入国する外国人に明らかな妊婦姿を見かけたことが何回かあること、マレーシアは国籍授与に血統主義を貫いていることからです。外国人女性がマレーシアで出産してもその子供がマレーシア国籍を得る可能性は100%ありませんから、出産自体を恐れる必要はないのです、尚片親がマレーシア人の場合はもちろん別です。医療の整っているマレーシアの民間病院なら外国人であれ出産も歓迎しているはずです。

以前筆者が Imigresenに電話して聞いた時、係官はちょっとあいまいながら何ヶ月であろうと入国自体は問題ないというような言い回しでした。

そこで昨日マレーシアに戻った際、KLIA空港のImigresen(入国検査場) で女性審査官に直接尋ねました。妊娠女性のマレーシア入国を制限する法律はあるのか? もしあれば妊娠何ヶ月からか? というものです。彼女の返答は極めて明快でした、それは航空会社次第である、妊娠何ヶ月でも入国はできます、とのことです。そこで筆者は念を押す意味で、妊娠8ヶ月の妊婦でも入国できるのかと尋ねたところ、boleh できます、との返事でした。

この審査官は上級位の係官ではありませんが、毎日審査カウンターで入国審査しているのですから、その答には信頼性がないとは思えません。よってこれまで筆者が漠然と疑ってきた、Imigresenによる妊婦女性の入国禁止論は、やはり根拠のないものだとわかりました。要するに、妊婦を乗せたくない航空会社の都合なのです。
ここで、母子の身体上の安全面を軽視して妊婦の搭乗を奨励しているのではもちろんありませんよ、妊婦入国禁止論の中味を説明しただけです。

2004年9月7日


『旅の掲示板』 にIntraasiaが書き込んだもの

妊婦入国に関する情報は公示すべきです    投稿日:2005年 5月 6日

「旅の掲示板」で書き込んでいて、非常に残念に思いました。それは外国人訪問者である妊婦のマレーシア入国規制の件です。規制がある、ないということではなく、Jabatan Imigresen がそれに関する情報を公示・公開していないことです。

Jabatan Imigresen はその公式サイトを持っており、出入国条件、Pass、Visa、Malaysia My Second Homeなどなどに関するいろんな情報を載せています(マレーシア語と英語)。それ自体は結構なことですね。だったらなぜ、妊婦の入国に関する情報を掲載しないのだろう、海外の大使館へはなんらかの通達をしたのであろう、だから大使館は問い合わせに対してそれをまた伝えするだけで、文面としては訪問者には全く”見えないまたは現れていない”。

現代世界はますます人の移動は盛んであり、妊婦であり幼児であれどんどん海外を移動している。ある国が入国者にどういう要件を課しているかの情報は、明確にすべきですよね。せっかく公式サイトがありながら、それが抜けているのは残念です。

今日私がKLIAのImigresenに電話したら、妊婦に対する規則はある、と先日とは別の係官。じゃあ、シンガポールから陸路入国する場合は同じように要求されないのはなぜかという私の質問に、現場の責任者が決めることである、と係官は答えました。

わかったようでわからない説明でした。このように、明確な公示がないので、ある係官はこういう、別の係官はこういう、大使館はこういう、などと食い違ってきます。別に秘密にしなければならないことでもない、それどころか秘密にすれば困るのは外国人訪問者ですよね、Jabatan Imigresen には是非この種の情報は公示して欲しいものです
以上


これとは別に、「旅の掲示板」に読者のkiki さんが書き込まれたものに、Intraasiaが答えた問答書き込みがありますので、お読みください。
「旅の掲示板」 2231番 24週以降の外国人妊婦入国について kiki 2005/07/06
2232番 Imigresenが決定します Intraasia 2005/07/06
2238番 Re:Imigresenが決定します kiki 2005/07/11



Imigresen の出入国人数の統計に思う    投稿日:2005年11月26日

11月26日の「新聞の記事から」 に載せた 『Imigresen 自身が出入国統計に不備あることを認める』 というニュースを読んで、唖然としました。Imigresenの長官が語る言葉の意味は、出国者数の統計が正確ではないと言うことですね。旅行者として(つまり社会訪問パスを押される)入国して、後日労働者パス、エクスパトリエイトパス、学生パス、家族パス、などに変更するので、出国時点では旅行者の統計から省かれる、これはまあわかります。パスの種類を切り替えるまで、その人のデータはImigresenのコンピュータ上には社会訪問パスで入国と入力されているだろうと、推測されます。しかし何らかの滞在パスに切り替え、または滞在を正式に延ばさない限り、データは入国のままのはずです。これを数えれば、相当程度数はつかめるように思えます。

しかし職員が忙しくて出国者数を記録する暇がない、システムダウンしたから記録できないというのは、出入国を管理する役所としてはちょっとまずいといえますね。その時の出入国記録はどうなってしまうんだろう? 外国人のパスポートに出入国スタンプを押さないことがある、確かにそうですね、マレー鉄道で入出国する場合はスタンプを押さない。空港や陸路検問所で押し忘れることがあるのかどうかは疑問です。この場合、外国人には入国カード、出国カードを提出させますから、それをもとにImigresenのコンピュータに入力するだろうと推定していましたが、この際出国カードを集めるけど、それを事務所に返ってキチンと入力してないのだろうか?

ところで出国カードを紛失する人は珍しくないので、カードを持たない人の出国はImigresenのコンピュータに入力されたデータ基準になるはずです。この時、非常に不安になるのはつぎのようなケースです:ある時システムダウンで入国がデータとして入力されてなかった、または集めた入国カードがまだ入力されていない、ということが長官の説明を読めば、理論的にありえます。するとImigresenのコンピュータにはその人のデータがないとなってしまいます。この時唯一の頼りは、パスポートのスタンプ基準となるはずです。
こういう人がパスポート紛失などになったらたいへんですね。違法入国者の疑いをかけられてしまいます。

さらに考えられるシナリオ: マレー鉄道で入国し、またマレー鉄道で出国する。その時入国時に受けた半券である出国カードを紛失などして持っていないと、その人の入国記録はコンピュータに入ってるはずですが、出国検査は車両の中で行なわれるので、その外国人は証明できません。さらにその人が、例えばジョーホールバルImigresenだけが実行するこの方針を、知らないような遠く離れたペルリス州とかサラワク州、サバ州の小さな国境検問所から出国する場合は、コンピュータ上に確実に記録されているか非常に気になります。ましてもし出国カードを失ったような状態だと、これは問題になりそうです。まあKLIAのような大Imigresenなら、ジョーホールバルImigresenのこの方針を知っている人は多いでしょう。

ある人がマレー鉄道で入国しマレー鉄道で出国、そして後日空路などで入国する、運悪くその人のImigresenコンピュータ記録は出国記録がデータ入力されずつまり入国だけして未出国となっている、こんなシナリオも考えられます。これまたImigresen係官から質問ぜめにあうことになりますね。

Imigresen の出入国統計で、2003年だけ見ると、日本人旅行者の入国者数 346、912人、出国者数 267、111人となっているそうです。なんと8万人も未出国となります。ありえませんよね、旅行者として社会訪問パスで入国してから、エクスパトリエイトバス、家族パスに替える人は1年間に1万人を越すことはありえないです。大使館届け出た日本人在留者は1万人ちょっとですから。加えて学生パス、その他のパスに変更、滞在延長などをいれたって多寡が知れてます、多く見積たって数千人。一体なぜ8万人もの差が出るのだろう? 2002年から2003年にまたがって入出国する人の数と、2003年と2004年にまたがう人の数にそんなに違いはないでしょうから、この数は8万人の差を考える時に大きな要因にはなりません。

8万人という数が不思議です、わからない。Imigresenの出国入国記録の不完全さは疑問を増すことになります。



雑情報
世界にたくさんエージェントを持つ Western Union のマレーシアにおける代理店は BumiputraCommerce Bank, Pos Malaysia だそうです。
ATMの世界的ネットワークの Plus, Cirrus のマークのついたATM機も町にはあります


過去情報 (この色の小さなフォントで書かれている部分はすべて過去情報です。記録として残してあります)


2005年3月23日に中央銀行 Bank Negaraはマレーシア人に関する外貨規制を緩和しました。Bank Negaraはこれを説明して、緩和したが通貨の送金はこれまで通り銀行システムを通じて行うことにはかわりはない、と。
外国人に関する外貨規制においては、リンギットの持ち込み・持ちだし限度額 RM 1000 はそのまま維持する、旅行者小切手を含めた外貨のマレーシアへの持ち込み額に制限をなくする、そしてその持ち込んだ額までは持ち出しても構わない、とのことです。リンギットの限度額 RM 1000を超える場合は、Controller of Foreign Exchange から事前の許可を得なければなりません。さらに持ち込んだ額以上の外貨を US$2500 を超えてマレーシアから持ち出す場合もController of Foreign Exchange から事前の許可を得なければなりません。

Intraasia注:外国人訪問者にとって実質的に特に変化はないですね。これまでも申告さえすればいくらでも外貨は持ち込めました。その額を超えて持ち出すというのは、ビジネスの利益ということですから勝手に持ち出せないのは当然でしょう。さらに一般旅行者がリンギットを制限額持ち出す理由はまずないですね。

2001年3月以降出入国カードが次ぎのように変わりました

2001年3月頃から、1.出入国届出、2.税関申告、3.植物検疫兼健康検疫申告、4.所持金申告からなる4種類の義務書きこみ事項を1枚のカードにした書式が導入されました(下記で精細に説明)。これによって、これまでのように3枚のカードを受けとってそれぞれに書きこむのではなく、この1枚のカードの必要項目に書きこめばいいのです。そして入国検査所でこのカードを提出すると、係官が入国届部分のみを切りとって、スタンプを押した残り部分を返してくれます。マレーシア訪問者はこのスタンプを押したカードをなくさないように所持し、出国時に出国検査所に提出します。

再度強調しますと、
所持金申告(Currency Declaration) の事項では、所持又は携帯金が次ぎの場合にあてはまる人のみ記入します。当てはまらない人は空欄のままにしておくこと。この所持金申告規則はマレーシアを出国する場合も同様です。


出入国カード制の復活
2008年1月ごろ、出入国カードが廃止され、パスポートを提示するだけでした。しかし、外国人が国境検問所で記入し提出する入出国カード制が2008年8月15日から再導入されました。 下段にカードの記入説明を載せています。

過去情報:2008年2月中旬
外国人がマレーシア入国時に空港、国境検問所で記入提出が義務付けられていた、出入国カードが最近廃止されたそうです。読者からの書き込みを見て、早速  Imigresen(出入国を管理する官庁)のホームページを開いて探したのですが、どこにもそんなニュースは載っていませんでした。こんな重要な変更を事前にまたは直後に通知しないのは、監督官庁の公式ホームページとしての役割に欠けていると言うしかないでしょう。 出入国管理を司るのは観光省ではなく Imigresen なのですから、この分野に関して外国人に出入国規則、ビザ、許可証などの情報を知らせるためにホームページの存在があるわけです(もちろんマレーシア国民に対して関連情報提供という役割もあります)。 日ごろマレーシア政府が 情報技術の奨励と官庁サービスの向上を説いている中、残念なことですね。