マレーシアの季節と天候 概論 と付録:天気予報の見方

マレーシアの季節はモンスーンによって変化づけられる

2つのモンスーン季節がある

太陽の位置が変化することがもたらす陸と海の気温差が昂じて、大気の流れる方向が季節毎に変化します、これが東南アジアでのモンスーンの発生につながるのです。北半球が冬の時北東からの風が圧倒して北東モンスーンになり、北半球が夏の時南西からの風が圧倒して南西モンスーンになります。

南西モンスーンは5月末又は6月から9月ぐらいまで、北東モンスーンは11月初めぐらいから3月までで、これが一般に雨季をもたらし、特に半島東海岸とサラワク州の西海岸とサバ州北東沿岸部に雨が多く降ります。例えば11月のクランタン州とトレンガヌ州では600mmぐらいまでの降雨量が期待され、12月のパハン州とジョーホール州東部でも12月は600mmまでの降雨量を予測しているのです。
ただし雨季でも半島部の山岳に囲まれたような内陸部は比較的北東モンスーンの影響が薄い。

4月5月、及び10月とその前後はモンスーンの転換期またはモンスーン中間期と呼びます
モンスーン転換期の特徴は、午後遅くか夕方に各地で雷雨がよく起こり、時に1時間から3時間続く豪雨となる、さらに落雷、突風がよく起こることです、従って海上では波が高くなります。

北東モンスーン時期の前半つまり2月初旬までは広い地域で雨が振り続き、時時豪雨もあります。1サイクルが平均して3,4日続くのです。南シナ海では時速40,50Km、時には時速60Kmの強風が吹き、海の状況は波が荒くなるのです(2,3m時には5m)。時として、半島部の西海岸の州でも広い地域での降り続く雨もありますが、東海岸ほど激しくはない。この期間中それ以外に、半島部西海岸側とサバ・サラワク州では、午後遅くから夕方にかけて落雷がよく起こり、豪雨があります、
北東モンスーン時期の終盤(2月中旬から3月)は、乾いた状況と言えます、ただ南シナ海では強い風と荒波の状況が時に起こるのです。

南西モンスーンの特徴は、サバ州の東海岸を除いて全国的に比較的乾いた気候をもたらします。この期間中、ほとんどの州で降雨量はぐっと少なく、毎月100−150mmほどです。半島部ではより乾いた状態になります。サバ州は多少降雨量が多く200mmを超えます、これはフィリピンに飛来する台風の影響でサバに雨が降るからです。

半島部における雨量の季節変化

東海岸では11月12月1月が一番雨量が多くなる、一方6月7月が雨量最少となる。
東海岸と南西部の沿岸部を除いた半島部のほとんどの地方では、雨量の多い時期は10月11月 続いて4月5月です。一方雨量の少ない時期は6月7月、次いで2月です。
尚北西部では1月2月 次いで6月が雨量の最少時期となります。
南西部沿岸は5月から8月まで早朝Sumatras気候の影響を受ける、10月11月が雨量最多時期で、2月が雨量最少時期です
下段に降雨量を示す図表をまとめて掲げてあります

気温の変化はごく少ない

平均気温に年中ほとんど変化がない。半島部東海岸を除いて、平均気温の年間における上下は2度C以下である。東海岸でも3度C以下だ。
1日の気温変化は沿岸部で5℃から10℃、内陸部で8℃から12℃である。ものすごく高温になるような大陸性の気候は起こらず、気温38℃になることは極めて珍しい。日中は極めて暑くても、夜は気温が下がるのが普通である
半島部の大多数の地方では月別平均気温で見ると、4月と5月がより高くなり、12月と1月がより低くなる。一般的に言って、東海岸地方の方が西海岸地方より日平均気温は多少低い、これは北東モンスーン時期に東海岸でより雨と曇りが多いことが起因しています。

主要地における各月の平均最低と平均最高気温(℃)

2003年2月2003年4月2003年6月2003年8月2003年10月2003年12月
観測地点最低最高最低最高最低最高最低最高最低最高最低最高
Langkawi 島25.434.525.833.525.232.024.731.524.430.325.332.3
ペナンButterworth23.833.224.932.924.332.724.131.923.830.423.732.1
Cameron Highlands14.822.915.924.215.423.015.422.515.321.015.121.4
PJ (Kuala Lumpur)24.633.225.133.524.932.924.332.423.932.424.232.5
Johor Bahru22.730.923.232.422.832.222.732.222.731.622.930.7
Kota Bharu23.930.725.033.324.732.824.532.324.130.823.829.2
サバKota Kinabalu23.531.924.734.024.032.924.132.523.931.623.830.8
サラワクKuching23.230.023.832.223.632.7

23.131.523.229.8

注:最低と最高の意味:その月における毎日の最低気温または最高気温の歴年平均です。その月の最高気温と最低気温ではありません。お間違えのないように  この最高平均と最低平均の方が月の平均気温よりずっと役立ちます。
注:各月の平均最低気温と平均最高気温は、それぞれ例年平均との偏差は1℃前後ですので、この数字は充分信頼するに値します。

その他

季節と地方差を無視して平均すると、マレーシアでは1日6時間の日照時間だ
平均日照時間で地方の差は当然あり、例えばコタバル、アロースターは7時間であり、クチンは5時間と違う。クチンで最も日照時間の少ない月1月では1日3.7時間となる、が日照時間の比較的多いアロースタでは同じ1月では日に8.7時間の日照時間を持つ。

湿度

マレーシアは高湿度の国で、場所と月によって違いがあるが、月湿度の平均は70%から90%の間に収まる。ある一地点を取ると、その地での平均月湿度の変化は最低3%から最高15%の違いとなる。半島部の平均月湿度は2月が84%で、11月が88%である。半島部で平均湿度が低いのは1月2月ですが、クランタン州とトレンガヌ州では3月が湿度が低い月となる。一方湿度の高い月は11月です

以上の説明は、いわばマレーシアの気象庁にあたるMeteorological Service 庁の公式ホームページを参考にして筆者がまとめたものです。このページで載せている 表と画像は全て原出典Meteorological Service 庁です。このマレーシア気象庁のサイトは気候の知識と情報収集にはたいへん役にたちますよ。

気象記録
国内最高気温:1998年4月9日 ペルリス州 Chuping 40.1℃、 1998年3月27日 ケダー州アロースター 39.1℃
国内最低気温:1978年2月1日 パハン州キャメロンハイランド 標高1471m 7.8℃
1日最高降雨量: 1967年1月6日 クランタン州 コタバル 608mm 

落雷

落雷の多い国や地方の例  落雷日の年間日数 −米国国家落雷安全研究所の調べ
コロンビア 275日から320日、マレーシア 180日から260日、シンガポール 160日から220日、 フロリダ州 90日から110日、ブラジル 40日から200日、日本 35日から50日

マレーシアの各地における落雷日の年間平均日数 −気象庁の調べ
バタワース 158日、 アロースター 135日、 イポー 197日、 キャメロンハイランド 118日、 スランゴール州スバン 200日、ペタリンジャヤ 151日、 マラッカ 147日、 コタバル 108日、 クアラトレンガヌ 136日、 クアンタン 154日、 ジョーホール州スナイ 169日、 メルシン 162日、 クチン 182日、 シブ 113日、 ミリ 93日、コタキナバル 129日、 サンダカン140日、タワウ 143日

1平方キロメートル辺りの土地に落雷する回数 クアラルンプールは 48.3回

付録:各地の天気予報の見方・調べ方

まずこの 気象庁のサイト (Jabatan Meteorologi Malaysia) をクリックして開いてください。するといくつかのメニューの中の ” Weather Forecast for Major Towns /Tourist Destination in Malaysia ” をクリックすると、全部で40箇所ほどの町と観光地の名前が右欄に表示されます。そこから読者の知りたい又は興味ある地名を選んでクリックすれば、その当日から5日間の天気予報がマーク付きで表示され、さらに予想最低・最高気温も掲げてある、たいへんわかりやすいサイトです。半島部だけでなくボルネオ島部の予報もある全国天気予報です。

予報場所の数が多いので、調べたい地名がなくても読者の目的地に一番近い場所を選べばいいのです。例えばPerhentian島の予報はありませんが、すぐ近くの島であるRedang島の予報は載っていますので、十分参考になるのです。このサイトを見ておけば、他のあれこれの天気情報など気にする必要はないですね。なお天気予報ですから、予報に100%確実はありえないことは当然理解しましょう。


2010年4月11日最終更新、2000年11月19日初掲載


降雨量地図

ここに載せたたくさんの降雨量地図をじっくり検討されれば、マレーシア各地の降雨傾向がたいへんよくわかりますよ。

マレーシア各地の各月平均降雨量

それぞれの地名上にある 赤色の折れ線グラフが例年の各月平均降雨量 を示し、水色の棒グラフが2003年の降雨量です。よって折れ線グラフは非常に参考になります。

半島部


サバ州とサラワク州



下図は雨季である12月(2004年)に限った降雨量分布地図です。その他の月は最下段をご覧ください。

半島部


サバ州とサラワク州


この図と同じような降雨量分布地図を掲載しています、月の部分をクリックして下さい。画像は全て原出典 Meteorological Service 庁です。

2003年: 1月分、  3月分、  5月分、  7月分、  9月分、  11月分
2004年:           4月分、  6月分、  8月分、  10月分  12月分はこのページに掲載
2005年: 1月2月分   3月4月分   5月6月分   7月8月分   9月10月分   11月12月
2006年:  1月2月分   3月4月分   5月6月分   7月8月分   9月10月分   11月12月分
2007年: 1月2月分   3月4月分   5月6月分   7月8月分   9月10月分   11月12月分
2008年:  1月2月分   3月4月分   5月6月分   7月8月分   9月10月分    11月12月分
2009年: 1月2月分   3月4月分   5月6月分
2010年:                         6月7月8月    9月10月    11月12月
2011年:   1月2月分   3月4月分   5月6月分    7月8月分   9月10月分   11月12月分
2012年: 1月2月分   3月4月分   5月分のみ    7月8月分   9月10月分  11月12月分
2013年:  1月2月分   3月4月分   5月6月分    7月8月分           12月分
2014年: 1月2月分   3月4月分   5月6月分    7月8月分   9月10月分
最新更新(図表追加)は2014年12月