中・長距離バスの解説、運賃例と大手バス会社の紹介及び Outstationタクシー


マレーシアをバス旅行される方のための必要知識、ためになる情報として、話題毎に小見出しをつけて掲載しています。上から順にご覧ください。このページは2014年7月最終更新です。

概論

マレーシアは鉄道網が極めて貧弱なので、大衆向け公共交通機間たるバス網はその分も補わなければなりません。なおこの場で話題にするバスは、州境を越えて他州との間を運行する中長距離バスのことです。主としてある州内だけを運行する短距離バスはここでの対象からはずれます。

数多くのバス会社がそれぞれ中長距離バス路線を持っていますが、主要と準主要路線は複数のバス会社が運行しているので、競争は激しいです。90年代初期までと違って、現在では長距離バスでは100%のバス会社が冷房車両を使用している。中距離だと冷房車両でない場合も出てくるが、現在ではずっと少なくなった。

大手は下記で紹介する数社しかなく、この数社以外は全て中小の中長距離バス会社で、その数は実にたくさんあります。中小バス会社の場合は運行している路線数がごく少なく、例えばクアラルンプールとマラッカ間しか運行しないといったように特化した路線を持っているのが普通です。このため監督省は中小バス会社に対して、しばらく新路線の運行免許発行を凍結する、運行費用を節約しサービス向上のため、各社はよりあってグループ化、統合化を図りなさいと、しています(2001年7月現在)

切符は各社ともそれぞれ販売所・ブースを持ってそこで販売しており、他社の切符は基本的に扱いません。ほとんどの販売ブースは長距離バスターミナル内にありますが、大都市だとそれ以外にも販売ブースを開いているバス会社が少ないがある。2、3社のバス切符を扱う代理店型のブースも時にあります。

切符を買うときに注意しなければならないのは、販売ブースの窓などに書いてある、貼ってある、その会社のバス便数と発車時刻が必ずしも現行の運行スケジュールにあっていないということです。彼らは古いままの情報を掲げていても気にしないので、こういうことが起きるのです。ですから販売スタッフにしっかりと確かめる事です。スタッフはどこもマレー人が絶対的に多数を占め、英語をよく理解しないスタッフが結構います。できればマレーシア語で尋ねるのが一番ですが、それができない人は英語を紙に書いてでもしっかりと確かめた方がいいでしょう。

さらにマレーシアの国内旅行シーズンのような混雑時期は特に気をつけなければならないが、長距離切符を窓口でなく切符を勧める呼び込み人からあまり買わないようにしましょう。中距離バスは切符販売人が立ち販売しているような場合もあるが、長距離バスは各バス会社の販売窓口で販売するのが基本です、且つ切符に座席番号を記します。座席番号を記さない長距離切符は、いわゆるオーバーブッキングつまり座席数より数多く切符販売する可能性があり、混雑シーズンにはよく問題になります。ですから座席番号のない長距離切符は拒否しましょう。(短距離と一部中距離バスは座席番号なしの切符です)

2001年7月28日初掲載

追記:2003年10月27日の「新聞の記事から」 に載せたものを掲載しておきます
国内のバスタ−ミナルは法定化されていない、だからどこででバスターミナルに転化させることができる、だからバスターミナルは法定して、切符売りのダフ屋の活動を抑えるべきだと、商業自動車免許授与庁の長官が述べています。「ダフ屋はすごい高い値段で売りつけているが、それでも買う乗客がいる。しかしこれらのダフ屋を訴えることはできない、バスターミナルが法定されていないからだ。」
またバス会社に対して長官は、そのバス会社の職員でない者が切符を売ることをやめさせるように、と訴え、同じに乗客にダフ屋から切符を買わないように要望しています。

(Intraasia注:名前はバスターミナルでも単なるバスの集合発着場の場合が多くあります。いずれにしろバス会社の職員でない者が切符をうるさく売りつけに来ます、もちろんそのバス会社は知っていることで、コミッションを払っているのでしょう。こういう不透明なあり方はもうやめるべきですね)


切符の販売仕組みを解説

Pudu Raya に限らず Pudu Raya対面にあって5、6社のバス会社カウンターが入った店舗街前の歩道、ジョーホール州Larkinバスターミナル、バタワース発着場などでも同様です。各バス会社の窓口(小さなブース)で切符を販売しているだけでなく、そのバスターミナルに居着ている独立した代理販売人も各バス会社の切符を売っています。

彼ら(女性もごく少なくいる)は、そのバスターミナルを縄張りとして長年バス会社の切符売りを生業としている人たちです。ほとんどの乗客にとっては、その人物が公認なのか未公認なのかよくわかりません。中には代理販売人としての証明証を掲示する販売人も、ごく少ないながらいます。

多くのバス会社、とりわけ中小のバス会社は自社の窓口だけでなくこの代理販売人たちにも切符販売させています。つまり販売人は切符1枚売ればコミッションが入るわけです。ですから彼らはバスターミナルにやって来る人間にしつこくまとわりつくわけです。

代理販売人の人たちも全部のバス会社を扱っているだけでなく、Oさんという販売人は、G社、H社、U社 の切符、Nさんという販売人は、G社、T社、K社 というように契約しているようです。G社のように複数の販売人が代理販売しているのが普通みたいです。

尚PuduRayaではTransnasionalやPluslinerは販売代理店に切符販売させていません。別の大手のKonsortium は販売させているかどうか未確認ですが、多分してないでしょう。全バス会社が販売代理人と契約している、というわけではありません。

問題はこれからです。全員が正直にバス切符価格を客に提示すればいいのですが、時には客を見て多少の上乗せることがあるようです。さらにLarkin ではとりわけ激しいそうですが、繁忙期にはすべての切符を数割から倍くらいまでに値上げします。

これは違反行為です。なぜならバス運賃は商業自動車免許授与庁の認可であり、路線毎に決まっているからです(50セント程度の違いはバス会社によってある)。繁忙期には1枚あたりRM3ぐらいの上乗せは認められますが、例えばバタワースまで普段はRM 20 の切符をRM30などと暴利をむさぼるのは違反行為です。しかし繁忙期は売り手市場なので、客の方が高くても買ってしまうのです、こういった苦情は長年でています。

販売代理人から買えば窓口に並ばなくても切符が買えるので、ついとか好んで買う人もいるようです。中小のバス会社側にとっては、早朝や深夜など比較的客の少ない時間帯に窓口に自社の従業員を張りつけておく必要がなくなります。代理販売人が替わりに売ってくれるからです。
こういうことからでしょう、バスターミナルでの販売代理人は一向に減りませんね。

尚私自身もごくたまに代理販売人から買います。その場合は次のように確認してから買います:その切符販売人が私に買えと勧めるバスの存在をプラットフォームで確かめ、値段が正規であり、怪しげな男でないことを見極めます。その上で彼から何々バスの”切符”を買いますが、それは実質はバウチャーですね。

さて窓口で売る切符には必ず、バス会社名、行き先、発車時刻、座席番号が必ず入ります。これを記入しないのはどうも信用が置けません。隠す必要があるからそうしないわけです。直前に切符を買うと、バスのナンバープレート番号も切符に手書きする会社もたまにあります。

販売代理人から買えば、受け取った”切符”に当然座席番号は入りません。口で何々バスの何時発と言って、項目を省略した”切符”を手渡す販売人もいます。買った人は当該バスを待って乗り込んで、適当な席に着くだけです。そうすると発車間際にそのバス会社の者が切符を確認兼半券を集めに来ます。その際代理人から買った人は、その”切符”と交換にそのバス会社の切符を手渡してくれます。要するに代理人から受け取ったのはバウチャーだと思えばいいのです。

さてPuduRayaのバス会社の窓口の中には、あるバス会社1社だけでなく複数のバス会社を扱っている窓口もあります。例えばGunungRayaバス はその一つであり、2つか3つの窓口でこのバス会社の切符を売っています。その窓口を運営しているのが切符販売代理会社の窓口なのか、A社とT社とJ社がそれぞれ協力して互いに切符を売りあっているのか、このどちらかです。

この時、T社の窓口ではA社のバスもJ社のバスの切符も売りますので、切符を買う人はどのバス会社の切符なのかを必ず確認するようにすべきです。その質問にはっきり答えない、切符に明記しないのは、それを隠す必要があるからそうしているのです。窓口に張ってある写真のバス、または窓口に大書してあるバス会社の切符と勝手に思い込むと、実際プラットフォームに来たバスと違ってがっかりすることがあります。

窓口に書いてあるバス発車時刻(複数)は、古いままの窓口がよくあります。例えば8時、10時、14時、16時、23時と書いてあっても、必ずしも全部が正しいとは考えない方がいいでしょう。多少発車時刻が変わったぐらいで、どの窓口もすぐ書きかえるようなことはしません。これは全国のバス発着場に共通ですよ。

賢い買い方

当日朝切符を買う前に地下のプラットフォームでまず行きたい方面のバスが来ていることを確かめ、次いでそのバスを扱う窓口を探します。なぜそうするかというと、バスが随分と遅れてプラットフォームに来る場合もよくあるからです。その路線を複数のバス会社が運行していることが多いので、どのバスにするかを先に決めてもいいでしょう、複数の会社バスが入線していたらその数社の窓口にあたってみるのもいいでしょう。

当日でなく前日かそれ以前に買う場合は必ずバス会社の窓口で買い、切符にすべての必要事項が記入されていることを確認しましょう。

以上の説明からおわかりでしょう。少なくとも5、6社はVIPバスをペナン、バタワースに運行しています。まずプラットフォームでバス車両を見て確認して下さい。もし徹底的にやるのであれば、プレート番号をメモして、切符を買うときにそれを確認することです。ただこれは窓口の人間が気を悪くすることもあるのでよし悪しですが。

Pluslinerバスはペナン方面には便数が少ないです。クアラルンプール駅裏から発着しているのは、Pluslinerの上級クラスバスであるNiceバス専用です。もちろん信用に足るバスであり、窓口でしか売りません。

Transnasionalは全国一の大手なので、それなりに運行が確実だからです。それでも遅れて出発したり、バスが古かったりしますが、当て外れがごく少ないと言えます。よって人気がいいのはうなずけますオンライン化された切符なので、PuduRaya以外の専用窓口でも切符販売しています、例えば高架電車のPlzaRakyat駅のブースなど。こういったオンライン窓口では、往復切符、さらに目的地発のクアラルンプール着切符も買えます。

最後に中小バス会社の場合よくあるのが、発車時刻が来ても全然発車する気配を見せないことです。それは座席がほとんど、または半分程度しか埋ってないため、なんとかあと少しでも座席を埋めてから発車する慣習があるからです。こういうバス会社の切符は、バス会社のカウンターだけでなく、バスターミナルに居付いている、バス切符さばき屋が売る方式を長年併用しています。こういう切符さばき屋は、それぞれが契約しているバス会社(もちろん複数)の切符を売ることで、稼いでいるので、誰彼となく非常に強引に勧めて売ろうとします。切符さばき屋が常にダフ屋とは限りませんが、切符はできるだけバス会社のカウンターで買う方がいいです。

2006年12月27日更新

クアラルンプールからの長距離バスとバスターミナルに関しては、「クアラルンプールの交通機間案内」にある該当ページを参照してください。

ひとこと

いくらこのページを最初から最後までしっかり読んでも実際にバスに回数多く乗ってみない限り、バス乗り術は向上しません。つまり畳の上の水練と同じです。バス乗りの際にはこのページに書いてあることを覚えておいてまたは思い出してください、そうすればバス乗りに早く慣れて上手に利用できるようになると思いますよ。いうまでもなく失敗も経験のうちです、失敗も必要です。

一口知識
半島部を縦断するハイウエーを南北縦断高速道路と呼び、全長847kmです。




最新の運賃値上  2009年8月初め実施

2008年9月から燃料追加費が課されるようになって実質的に値上がりした後、2009年8月から正式運賃値上げとなりました。つまり現状追認という形です。以下の表は 2010年 1月時点のものです。

クアラルンプール発の各地への長距離バスの運賃例
KLからの
行き先
カンガー アロー
スター
クアラ
ペルリス
バタワ
ース
ペナン
ジョージタウン
タイピングリッククアンタンイポーコタバル クアラ
トレンガヌ
運賃 RM
42.8
40.0
42.8
31.3
35
24.6
30.3
21.80
17.30
40.1
38.5

KLからの
行き先
キャメロンハイランド クアラ
リピス
ルムット スレン
バン
マラッカムアール ジョーホー
ルバル
メルシンバトゥパハットハットヤイ
運賃 RM
22.5( 26座席は 28)
14.5
24.4
6
12.20
16.0
31.20
29.8
20.2
45から

注:バス会社によって数十セント程度の違いはありますが、上記の運賃を目安にしてください。
注:長距離区間では座席数の少ないバス車両が増えていますので、その場合はいずれも 2割前後は高くなるでしょう。

前回の運賃値上げ

中長距離バスとタクシー運賃の値上げ認定 −2005年4月1日の記事から
企業家と協同組合省大臣の発表で、政府は乗り合いバスと中長距離バスとタクシーの運賃値上げを了承し、5月から実施することになります。値上げは半島部だけです。


2005年4月掲載、最新更新2009年7月

運賃の主な例 Pluslinerバスの場合

参考として中長距離バス会社中の2大バス会社の1つであるPlusliner バスの各路線の新運賃をここに掲載しておきます。他社のバスに乗っても同路線であれば、運賃はだいたい同料金です。また同じ路線がなくても似たような距離の路線の場合は、大体の運賃が推測できますので、この運賃表を活用してください。以下運賃と時刻は同社発行の2005年後期時点の時刻表に基づきます。しかし上で触れたように、2008年から燃料追加費が運賃に加わることになっています。

PLUSLINERバスの運賃表  一般問い合わせ 03−20702617
区間片道本数運賃RM区間片道本数運賃RM
KL - Padang Besar
35.5KL - Johor Bahru7-8本24.0
KL -Kuala Perlis
33.1


KL - Kangar
33.1Malacca - Singapore

KL - Alor Setar
30.1


KL - Sg. Petani
26.3Butterworth - Kuala Perlis
24.1
KL - Butterworth北部方面が経由?
Butterworth -kangar

KL - Penang島3-5本26.8Butterworth - Teluk Intan




Johor Bahru - Seremban
19.9
KL - Ipoh早朝から30分に1本13.4Johor Bahru - Ipoh
24.0
KL - Lumut
18.8Ipoh - Pulau Penang

KL -Kuala Terengganu




KL - KuantanPekeliling発 4-6本16.9Singapore - Malacca
S$12







注:いずれも片道料金で、表示通貨はシンガポール発を除いて全てリンギット(RM)です。
注:子供料金は約半分です。KLとはクアラルンプールの略称です。
注:Plusliner社は年に数回路線を見直していますので、上記のルート種類に時々変化があります。つまり廃止されたり、新路線を加えています。
注:ペナン島行きは下記のクアラルンプール駅から発着
注:参考:Plius Liner のもっと詳しい情報は Plusliner 社のサイト を参考にしてください。尚インターネット販売はありますが、クレジットカードが使えないので、切符購買は実質的にマレーシアとシンガポール居住者に限られてしまいます。



国内最大のバス会社 Transnasional

Konsortium Transnasional Bhd 会社は国内最大のバス会社で、国内中長距離バス運行市場の半分を占めます。効果的なバスのブランド差異化、運営コストの低減化、有効性と生産性の増加によって難局を乗り越えています。民絵バス会社は難しい場に置かれています、つまり運営コストの増加にも関わらず、政府統制価格であるバス運賃は上げられません。今年中に圧縮化天然ガスを燃料としたバス車両も取り入れる計画があるとのことです。

Konsortium Transnasional Bhd 会社はその翼下に4つのバスブランド名を抱え、総保有台数は1500台を抱えます: 中長距離バスの Transnasional、 豪華中長距離バスのNice、エコノミー中長距離バスのPlusliner、 近郊都市バスのCityliner

同社は2003年に設立され、当時経営難であったPark Mayバス会社を吸収しました。Konsortium Transnasional Bhd 会社の株式の70%を 大企業 Nadicorpの子会社が保有しています。同社の会長は主張する、「政府はバス運賃をゆっくりと自由化すべきです。市場にゆだねるべきです。国内バス運行市場はとっくに過剰に混んでいる、200社を超えます。ほとんどのバス会社は極薄い利益で運営しています」

Intraasia注:Transnasonal グループはTransnasionalバスだけでなく 豪華中長距離バスのNice、エコノミー中長距離バスのPluslinerも抱えていますから、半島部全州へ運行し且つきめ細かな通常バス網に加えて豪華バス網も有しているわけです。他社を圧倒しています。直営オンライン切符カウンターではTransnasionalバスもPluslinerも売っていますね。マレーシアの中長距離バス界の問題はここにもあるように、小会社の多すぎることです。よって切符の代理人販売とコミッション制の運転手雇用スタイルが、問題を起こします。客が十分集まるまで発車時間を遅らす、代理人に販売させる不明瞭さ、乱暴運転などです)

2007年8月20日の「新聞の記事から」 を再録

Transnasional バスの半分くらいの北部路線がTBSバスターミナルでの発着になった

Konsortium Transnasional Berhad は2014年7月11日から、クアラルンプール発着の北部方面行きバス 12路線を TBSバスターミナルに移しました。
12路線: Lumut, Ipoh, Seri Iskandar, Manjung, Parit Buntar, Batu Gajah, Bota, Ayer Tawar, Kuala Kangsar, Penang, Butterworth, Sungai Petani.

Konsortium Transnasional Berhad の幹部は言う、「このことで、北部路線の乗客もクアラルンプールのひどい交通渋滞をさけることができます。Bandar Tasik Selatan地区にあるTBSバスターミナルは、発着するバスにとってターミナルとの行き来が Pudu Sentral に比べて容易です。従来の2つのバスターミナルに比べて、15分から20分の時間が節約できる。」

「Transnasional のダブルデッカー車は車高制限のために Pudu Sentralバスターミナル内へは入れませんから、乗客はPudu Sentralバスターミナル脇の道路で乗り降りしなければならない。」 「TBSバスターミナルは、Pudu Sentral と Hentian Duta の2つのターミナルに比べて設備が良く、きれいです。」
「Pudu Sentral と Hentian Duta の2つのターミナルで Transnasional バスが北部路線の全ての運行を止めるということではない。乗客に選択を増やすということです。運賃は従来の運賃と同じです。」 

2014年7月13日の「新聞の記事から」 を再録

Konsortium Transnasional Bhd の  ホームページ を開きますと、路線毎に細かに運賃を調べられます。国内最多路線数ですから、運賃調べでは一番参考になるでしょう。



特定路線だけ運行の豪華車輛バス(VIPタイプのバス)


豪華長距離バスブランドのNICE がファーストクラス車を導入 - 2014年4月中旬追記
(ハイウエー走行の長距離バスブランドである、NICE は豪華と高級路線に特化したバスです。運行会社はTransnasional です)

NICEが新たに導入したマレーシア製ファーストクラスバス NICE Imperial は全て独立した形の座席が27座席あり、居心地の良い独立した座席にはマッサージ機能、4G WiFI が装備されている。車輛はダブルデッカーとなる。運転手の同社の最良の運転手が担当し、車内にはスチュワードがいます。このバスはNICEのエグゼキュティブ車の中で最高クラスになる。

Transnasional はこのNICE Imperial の運行を2014年3月中旬から 4台で開始しました。今後最大で16台まで増車していきます。 
運行ルートはクアラルンプール − シンガポール:片道運賃RM RM 141、 クアラルンプール −ペナン: 片道運賃RM 103、
会員はオンラインでバス切符購入できます。 始発はマレー鉄道の旧クアラルンプール駅舎脇のNICE発着場。
なおシンガポール行きは マレー鉄道の旧クアラルンプール駅舎 −KL Sentral −TBSターミナル経由でシンガポールへ向かう。

(Intraasia 注:普通のNICE車でも運賃はぐっと高く設定してあり、クアラルンプール−ペナンはRM 75前後ですから、このNICE Imperial はそれよりもずっと高い。一般のバス会社の便ではRM 40弱ですから、3倍近い運賃だ。 AirAsia で安価で購入すればクアラルンプール−ペナン間が全て込みのRM 50弱になる。価格よりも高級さと豪華さで差をつけるのがNICEバスのビジネススタイルです。)


 3種に増えた豪華タイプのNICEバス  
ダブルデッカーバスのNice 2 (下階に座席数30)
バスルートバス発車頻度始発から最終バスまでバス運賃(S$はシンガ)
Singapore -KL1日5、6本ぐらい7時半から21時半の間S$ 47
KL - Singapore1日5,6本ぐらい7時半から21時半の間RM 70
KL - Penang 間1日往復4本ぐらい8時半から19時半の間RM 57




NiCE Bus (26座席の)
KL - Penang間1日片方向 6本8, 9, 11, 17, 18時RM 50




2005年5月20日開始の 新型バス NICE++    座席数22
KL - Singapore1日8, ,9本ぐらい
RM 79
Singapore -KL1日8、9本ぐらい
S$ 55





NICE ホームページ (ただしほとんど内容がなく、インターネットでは購入できない。なぜもっとまともなホームページにしないのだろう?

注:NiCEバスのシンガポールルートに限り、第2連絡橋を走行する

注: シンガポールから乗る場合はシンガポールドル払いです。NiCEバスに限ってクアラルンプールからシンガポールとの往復切符が買える。

注:セミダブルデッカーバスNiCE2 が、2002年8月後半からシンガポールとのルートに登場した。さらに2002年12月20日からタイのハットヤイ間に登場したが、これは2005年すでに廃止された。

注:発着時間と路線は時々変更がある。2009年時点でKuantan 行き、Malcca行きも登場した。



NICE 切符販売所兼発着所

2007年8月





Transnasional社のシンガポール行き豪華バス

運行のTransnasional社は豪華バスを Executive Coach と呼んでいる。行き先は現在ではシンガポール、に限られており、車両は乗車定員の少ないダブルデッカーバスを最近導入しました。第2連絡橋を渡るとのこと。
参考:普通座席のシンガポール行きはRM 30、ビジネスクラスのジョーホールバル行きはRM 28です。
2006年1月現在
Executive Coach運賃発車時間バス発着地
シンガポール行きRM 709:0010:3016:3018:00
Lavender streetの
Kallang Bahru
ジョーホールバル行きRM 281012:00
16:3020:00Larkinターミナル

尚シンガポールから乗る場合はS$35となり、発車9:00, 11:00, 16:30,18:30(現在は変更の可能性あり)です。Singapore、電話 02-62947034/5 。JohorBaru 電話07―2237204

下段の「インターネットで中長距離バス切符を購入できるか?」もご覧ください。
以上の乗り場などの情報は別項目として掲載している 「クアラルンプールの中長距離バスターミナルと中長距離バス案内」 を是非参照してください。

この項目は2006年1月15日更新掲載

クアラルンプールとシンガポール間走行の豪華バス AERO LINE

バス会社名 AERO LINE   

時刻表
便クアラルンプール−シンガポールシンガポール−クアラルンプール
PJ- シンガポール
毎日08:00 10;00, 15:0009:00, 14:30
9;30, 18;30
月曜 −金曜18:4518:45

土曜と日曜18:0018:00

運賃RM 80S$47
RM70
運賃往復RM 140 これのみ未確認S$94
RM140

注:切符販売は下の発着所以外に、PuduRayaのZucoバスカウンターでも販売しているとのこと
注:時刻表の最新版はホームページで確認して下さい。

AERO LINEのホームページに発着所の地図、写真などが載っています。
シンガポール−クアラルンプール間を乗車された ki さんの詳しい乗車体験記が、「旅の掲示板」の3141番、07年3月18日記、にありますので、どうぞ参考にしてください。

2007年9月更新掲載

クアラルンプール−シンガポール間運行の豪華バス : Airebus

2006年12月16日掲載
クアラルンプール−シンガポール間運行の豪華バス : Luxury Express

2009年5月掲載

PASARAKYATバスターミナル を発着とするクアラルンプール −シンガポール間の豪華バス

(詳しくは 【クアラルンプールの中長距離バスターミナルと中長距離バス案内】 ページをご覧ください。

Transtar バス  www.transtar.com.sg
クアラルンプール発 2種類の豪華バスを運行 運賃: RM 99, RM 83   

Five Star Experess バス(会社名 Damai Ekspres)
クアラルンプール発 18座席と26座席2種類のバスを運行 運賃:RM 70、 RM  50
2008年7月15日掲載

ペナン、バタワースへのバス便
多くのバス会社が朝から夜遅くまで頻繁に出している、つまり本数がたいへん多い。朝早い便はバタワース、ペナン島行きは 7時半発、8時発が一番早いバスです。ただしどのペナン行きバス会社でもこの早い便を運行しているということではない。乗車時間4時間半から5時間弱で運賃約 RM 21ぐらい。

2005年4月1日掲載


大手の中長距離バス会社の紹介

最大バス会社 Transnasional のこと

Transnasional は以前各地を本拠とした小バス会社を合併又は連合してできたブミプトラ資本のバス会社で、マレーシア最大の中長距離バス会社です。半島部のほとんどの主要と準主要路線に便を持っており、さらに通常のバス便に加えてシンガポール行きだけに関しては、豪華バスExcecutiveクラスを運行しています。下の路線図は宣伝も兼ねて Transnasional 社の旧ホームページ(下段で説明)より借用しています。



Transnasional は非常に電算化が進んで、2001年頃から少しづつ復路の切符も、つまり往復切符も、多くの路線で買えるようになりました。2006年時点で、オンライン化用のパソコン設備があるTransnasional 専用窓口では、往復、復路だけ、も買えるようになっています。
注意:その他多くのバス会社はまだ、帰り便の切符はその出発地(乗車地)だけで販売します。

追記:2003年10月28日の「新聞の記事から」の載せたものを掲載しておきます
(国産石油メーカー)Petronasのガソリンスタンドにある店 (Kedai ) Mesaraは、バス会社Transnasional Express のバス切符の販売を開始しました。このサービスe-Ticketing は国内でこの種の初のサービスです。この革新的サービスは両社のパートナーシップから生み出されたものです。乗客は住居地の近くのPetronasスタンドでバス切符が買えるのです。
e-Ticketing を提供する (Kedai ) Mesaraは全国に31ヶ所あり,年末までに70箇所に増やします。 (Kedai ) Mesaraはクーリエ便取次ぎ、コピーサービスなどもできるコンビニ店です。

(Intraasia注:バス会社Transnasional は国内最大のバス会社で全国に230以上の路線を持っています。e-Ticketing とは紛らわしい命名ですが、インターネットで購買はできません。主要なTransnasionalの切符販売カウンターが今年既にオンライン化されていましたので、それをPetronasのガソリンスタンドに広げたということですね)


半島部の大手バス会社は、これまでTransnasional とPlusliner でした。Pluslinerは上記に書いたとおりです。

第3の大手バス会社  Konsortium Bas Ekspres

さて半島部の中小のバス会社13社が集まって、中長距離バスを保有運営するコンソーシアム(共同体)バス会社を、2001年7月後半設立しました。

小さなバス会社が多過ぎる現状からいうと、たいへんいい試み感じます。Transnasional,  Plusliner についで、第3の大手バス会社が誕生したことになります。同社のサービスが中小の別々のバス会社時代よりもずっと向上したものであることを筆者は期待していましたが、ちょっと期待はずれの面があります。

この Konsortium Bas Ekspres Semenanjung (M) Sdn Bhad は設立時で200台のバスを保有し、そのルートはKonsortium 社の右地図からおわかりのように、ハジャイからシンガポールまでに及びます。

Konsortium Bas Ekspres Semenanjung (KBES)の新しい ホームページ、は路線図などが不足しており、使い勝手の面で改良の余地ありです(2009年5月時点)。

インターネットで切符が理論的には買えますが、ネット購買にはまず KBES のメンバーに登録する必要があります。この登録ページを見る限り外国人は登録できないのです。 

2009年5月最終更新掲載


インターネットで中長距離バス切符を購入できるか?


購入できないことはありませんが、マレー鉄道のE‐Ticket と国内航空会社Air Asia と違って、クレジットカードでは購入できませんので現実的にはマレーシア居住者に限られていました。しかしこの状況はゆっくりと変わりつつあります。下段まで全てご覧ください

PLUSLINER / NICEバスの場合

メンバー登録すれば外国人でも可、しかし支払い方法はMayBank銀行経由なので、実質的にはマレーシア、またはシンガポール居住者に限られる。購入できるバス路線はNiceバス路線中心で、全路線が買えるわけではない。

Transnasional バスの場合

Transnasional バスのサイト は親会社NadiCorp サイトから分離して内容がずっと向上しました(2009年時点)。バス会社のホームページの中で、最良といえるでしょう。半島部各地の運行ルート、発車時刻、運賃 の情報が曜日別に得られます。

そのページから推測すれば、Transnasional代理店なら全国どのルートでも買えるように見えます。

注意:
他社に比べて優れたTransnasionalバスのホームページでも、更新は多少遅れ気味であると思っておいたほうがいいでしょう。
そこで時刻表のバス発車便の中で運行されていない便がでて来る可能性があります。例えば ジョーホールバル発ペナン行きが全部この時間通り ではないかもしれない、ということです。中には掲示通りではない路線もあるでしょう。
これは窓口で買う場合でも頻繁に経験することですね、窓口掲載時刻表も古いままであったり、時に間びいたりされますので、このTransnasionalホームページ掲載の時刻表もこの点を頭に入れて置かれた方が賢明でしょう。

KONSORTIUM BAS EKSPRESの場合

まずメンバー登録が必要であり、且つこの会社のハブであるKamunting発に限らた限定便という設定なので、マレーシア人でも利用者はごくごく限られてしまいます。メンバー登録の支払いの説明も書かれていない不親切さであり、マレーシア以外の居住者にはほとんど縁がない。

2003年10月22日掲載、2009年5月11日更新

Sani Express

半島部北部及び東海岸方面だけに路線を運行している Sani Express のサイトは単純でわかりやすい。 クアラルンプールのPutraバスターミナルの切符売り場では大きな液晶画面を購入者側にも向けて、座席と運賃が明示される方式を取っている、珍しい会社です。Intraasia はまだこのバス会社を利用したことはないので、実際の運行状況を批評はできません、ただ切符窓口でのサービス態度は良いと感じます。

ホームページでは路線の空き状況と運賃を調べるのにも使えます。 なお予約購入するにはメンバー登録が必要です。 サイトで購入したあと、乗車前にバスターミナルの窓口で実際の切符に交換してくださいとのことです。
2010年3月10日掲載

インターネットで中長距離バス切符を購入 −クレジットカード使用


インターネットでバス切符購入サイト EZBUS がオープンしました。各種の切符販売することで知られている AXCESS の系列会社 AXCESS MyTicket Hub Sdn Bhd がビジネスを始めたもので、Hewlett-packard, Microssft, Telekom Malaysia が協力しているそうです。

サイトURL: www.ezbus.com.my
インターネット購買の手数料: 切符1枚に付き RM 1 だけ
支払い方法: Visa,  Mastercard,  Maybank2U 口座
切符形式:不明
電話購入の場合:Axcess's call center  03-7711 5000 日曜休み その他 Axcess の店舗でも買えるそうです

参加バス会社名 −今後も増える予定だそうです
Darul Naim Express
Mahligai Express
Damai Express
Suasana Edaran Express
Starmart Express
Hasry Express
Senibudaya Express
Eltabina Express
Triniplus Express

バス発着都市: クアラルンプール、シャ−ラム、ペナン島、ケダー州、マラッカ、コタバル、ジョーホールバル、トレンガヌ州など

ひとこと
まだまだ開発中のプログラムといえるでしょう。 よくある質問と答えもまだ公開されておらず、各バス会社のメニューも開きません。切符を買う方法はわかったけど、切符はどういう形なのかの説明がないのです。実際に購入すればその時点で説明はあるでしょうが。
今後どの程度普及していくか、みものです。普及すれば確かに便利で良いシステムですが、バス会社の切符売り方法がダフ屋を使ったりしている現状ですから、このシステムが確立するまでには、月日がかかることと思われます。

ということで、興味ある方はお試しください。

2008年9月3日掲載



中長距離バスの解説

マレーシアの中長距離バスの運行の仕組み

ある州とある州を結ぶ中長距離直行バスはほとどが、座席番号に基づいて切符を売ります。もちろんがらすきであれば、席を勝手に替わっても文句はまず言われません。例外として、クアラルンプールとスレンバンを結ぶバスのように、比較的近いA都市とB都市を結ぶ中距離直行バスの場合は、席番号でなく大体席が埋まった時点で発車します。いずれも、例え空席があっても途中のバス停で客を拾う事はしません。運転手は切符を売らないし且つ車掌はいないので、それを認めると運転手のポケットに入る可能性もでてくるかもしれませんね。

中長距離直行バスの中には、特に小規模バス会社の場合、始発駅を発車してから数カ所で客を拾って行く場合がよくあります。それはむやみに拾うのではなく、切符販売委託所がある場所で客を拾うわけです。切符販売委託所は当然始発のバス会社切符窓口と連絡をとりあって、ダブらないように切符を売ります。ですから、そういう場合であれば途中のバス停でも中長距離直行バスに乗れるのです。傾向として、大手のバス会社はせいぜい2箇所ぐらいしか途中で客を拾いませんが、小会社ほど途中で客を集めて行きます。尚目的地に近づき、目的地のバスターミナルでなく早めに降りるのは、どのバスも認めています。もちろんバスを停車させられる場所でということです

例えばコタバルからクアンタンまで行く場合直行バスしかありません。州境をまたいで各バス停で客を乗降させるバスは全国各地にありますが、そのほとんどが他州に入ったあと州境に一番近い町で終点となります。なぜならこういう乗り合いバスは州内運行が基本だからです(例外あり)。ですから、ローカル乗り合いバスを乗り継げば、基本的に町であれば、どこからどこへでも行かれるわけです。
またこういうバスは今でも冷房なしバスもあるし、車掌のいるバスもワンマンバスもあります。こういうローカル乗り合いバスは、下校時にあたると生徒がたくさん乗ってきて一杯になることがよくあります。時間をはずせば通常は空いてますね。バス旅で一番味のあるのはこういう旅をすることですね。


2002年6月28日

マレーシアの長距離バスの運行の仕組み 夜行バス編

マレー半島部であれば、各州の州都はいうまでもなく主要町、時には中程度の町からもクアラルンプール行きの長距離バスが発車します。もちろん逆方向であるクアラルンプール発のそういう町行きの夜行バスもあるということです。中規模程度の町発のバスだと、近接している他の町を1,2経由してさらに客を乗せていくことがよくあります(そういうルートとして運行されている)。発車地の町だけでは乗客が常に充分埋まる可能性が低いからでしょう。もちろん事前に乗車切符は販売されています。

さて州都やそれに次ぐ主要町ならば、ほとんどはクアラルンプール行きまたはからの直行便です。夜行便も当然同じです。ただクアラルンプールとクアラトレンガヌを結ぶバスでクアンタンを経由するバス会社、クアラルンプールとアロースター間のバスでバタワースを経由するバス会社、のように最終目的地の手前で主用町に停車する長距離バスもあります。大手のバス会社ほど直行の割合が高いとはいえますが、そのルートを通る全てのバス会社又はバス便がそうする訳ではありません。

夜行バスはどこの始発都市と町でも発車時刻は、ほぼ21時30分から24時00の時間帯に固まっています。その時間帯前後の幅は30分ほどです。なぜこの時間帯か?翌早朝到着する目的都市、町の時刻から考えればこの時間帯になるからです。大体朝6時から7時ぐらいに到着するのが便利でしょうが、それ以前の5時ごろとか8時ごろ到着になる便も当然出てきます。深夜4時ごろ到着する便では、ほとんどの人にとってまったく不便ですよね、ついた町ではその時間タクシーなどまずありません。クアラルンプールでもごく少ないのです。

例外として、クアラルンプールからイポー行きのように州都行きの夜間中距離バスが数少なくあります。結構遅い時間に発車するので、深夜1時から2時前後ぐらいに到着するスケージュールです。まあこういうのは旅行者向きというよりその都市に家のある人、友人宅など滞在先が決まっている人向けですね。そんな時間帯はタクシーもごく少ないことを知っておきましょう。旅行者がそんな時間にバッグを持ってうろうろ宿探しするのは避けましょう。

夜行バスは昼間バスより早く席がうまる場合がよくあります。乗客の多くは学生や低中所得者層ですから、宿泊代を節約しようという人は多いはずです。週末などは発車前にまだ切符が残っている確率は低いはずです。ですから、昼間クアラルンプール行き長距離バスのない地方の町からクアラルンプール行きの夜行バスだけが運行されている場合もでてきます(逆方向も同じ)。尚夜行バスに限らず長距離バスは、マレーシアの休暇時期、学校休暇時期の開始と終り前後の数日間は、何日も前に売りきれます。

夜行バス車内はどれも寒い、冷房能力を日中並に効かせて走行する運転手がほとんどだからです。毛布が用意されてるような、運賃の高い一部ビジネス車両は別にして、通常の夜行バスは毛布を準備していませんから、セーターなどの防寒着が必要ですよ。

2002年7月16日掲載

中長距離バスの車中トイレは使えない

以下の一文は2001年7月に、「旅の掲示板」と 「ゲストブック」に書いたものです。旅行者の参考になるでしょうから、ここに掲載しておきます。

国内の中長距離バスは6,7年前までに比べて、本当にいい車両に替わりました。現在では中小のバス会社でも、その多くは新型の比較的ゆったりした冷房車両を使っています。冷房ナシのオンボロバスは数時間程度の短距離バスに限定されています(それもまた楽しいですよ)。
で中長距離バスのほぼ全部は、施設として車両の最後部の一角にトイレが付いています。しかしこのトイレはほとんど鍵がかけてあり、自由に乗客がつかうことはできません。どうしても使いたければ、運転手に鍵を借りて使う事になりますが、もともとこのトイレは使う事を前提になっていないので、水などはまず出ません、さらに運転手又はバス会社のほとんどは、トイレ使用を拒否します。どうしても使いたければ、バスを適当な場所で停めてもらうしかありません。
筆者は半島部の数多くの路線に何百回も乗って来ましたが、車内トイレを使っている人の記憶はほとんどありません。特別な便や数少ない例外便を除いて、中長距離バスで車内トイレが使えると期待しない方がいいですよ。


中長距離バスの車内トイレのことを(上記のように)旅の掲示板に書きましたが、あまりあれこれ書くと旅の掲示板の範囲を超えるので、多少はしょりました。こういうことに興味もたれる方もいらっしゃるし、旅の雑学として知っておかれてもいいでしょうから、このゲストブックの場で追記を書いておきます。

車内トイレは、ほぼ全て鍵がかかっており、開けてもらっても便器周りが物置になっていたり、ひどい時にはなかったりで実際につかえないのは、書いたとおりです。でなぜトイレ設備があっても使わせないかです、これはこの種の高級なバスは輸入車で最初から作り付けなっているせいがあると推測します、がそれよりも大きな理由は、トイレをもし乗客に使用させたら、誰がその掃除をするかです、マレーシア人は間違ってもそういう仕事をやりませんよ、ほとんど外国人労働者にさせますね。そのために余分な人手が要るのです。
さらにもっと大事な事はタンクに溜まった汚物をどのように処理するかです。マレーシアの大きなバスターミナルでこの処理ができるターミナルはないと断言できます。つまり一杯になったらそこで終りです、各バス会社の車庫まで行って処理するしかないでしょう、しかし車庫にもそういう施設はないにきまっている、さらに処理と掃除の人手が余分にかかるのです。

こういうことを知れば考えれば、バス車中でトイレ使用させないことは納得できます。
読者がメールでこう書いてこられました。「最近 日本では安楽なバスが増えてきているのでつい行くのを怠りそうです しかも(マレーシアで)バスにそれらしき個室があったりしたら使用できると思い込みますね 」
こういう方は、注意1秒、怪我一生、思い込み1回、悔い百回になるでしょう(笑)

乗客の立場から、さらに書いておきましょう。マレーシアのトイレ事情は、ずっと以前のコラム「今週のマレーシア」で書いた通りです。ご存知ないかたは是非目を通してください。で、このトイレ状況はマレーシア社会に共通する現象です、狭いしかも移動中の車の中でどういうことになるか、容易に想像できます。もしトイレが使えるバスがあったとしたら、筆者は絶対に後部座席に座りたくありませんね。

2001年7月28日掲載

座席に関して

長距離バスは、36前後の座席数が標準で、26か24座席ぐらいのバスを(スーパー)VIPバスと呼んでいます。尚最後部はまず使えないトイレがあるので、その部分は座席配列がちょっと変わる。この数年このVIPタイプが急増して、いくつかのバス運行会社はそれを強調して切符販売しています。昔はVIPバスは標準バスよりちょっと高かったが、現在では通常運賃とあまりかわらない運賃のバス会社が増えています。VIPバスは座席前後間が通常バスより広くなりリクライニング角度が増加します。さらにスーパーVIPは1列が1座席と2座席の配置ですね。当然リクライニング度は通常よりぐっと大きくなる。2002年の状況を言えば、中距離バスに比して長距離バスはスーパーVIPがすごく増えました。

大手バス会社のTranssionalは3種類のタイプがあり、21座席の豪華バスをExcecutiveと呼んでいる(夜行なし)。Plusliner社はVIPタイプをNICEバスと呼んでいる。詳しい説明は、当サイトの「中長距離バスの解説と運賃例」及び 「クアラルンプールの交通機関案内編」の該当ページをご覧ください。

2002年11月掲載


お知らせ

旅行者のためになるページの目次にある 「自由旅行者のための情報」の中に、マレーシアとタイの一般向け乗り物・交通機間を解説し比較する というのがあります。文字通り詳しく解説してありますので、自由旅行にある程度慣れた方向きです。

2003年6月


タクシーと Outstation(アウトステーション)タクシーの解説


マレーシアのタクシーには2種類あります。その所属する都市部と近郊内だけの運行を許可されている市内タクシー、主として州外の決まった地点へ向かうOutstationタクシーです。ですからクアラルンプールから通常の市内タクシーでマラッカへは行けません(運行免許の条件)。尚5人乗りの豪華タクシー(Premierタイプ、通常タクシーの倍料金) などをキャメロンハイランドまで借りあげて行くなどの例がありますが、この場合の運行免許条件がどうなっているかよくわかりませんが、運行免許上本来はできないはずです。

注:この遠乗りに関して複数運転手尋ねると、個人として行くという言い方です、つまりタクシー会社、運行免許規則は無視して客との合意であればどこでも行きますということです。いかにもマレーシアらしいところです。ただどの運転手でもということではありませんよ。


KLIA空港のチケット式通称Airportタクシーは半島部どこへでも行きます、これは市内タクシーではありません。

クアラルンプールの例でいえば、Outstationタクシーの乗り場は複数ありますが、バス運行の発展で、10年前に比べて圧倒的に需要が減り、数がぐっと減りました。昔並に変わらず盛んなのはゲンティンハイランド行きぐらいでしょう。といって他の行き先ももちろんまだ運行していますよ。PuduRayaの上階がこのOutstationタクシーの最大集合地です。

メータ付き市内タクシーがあるのはごく限られた都市だけ:KL及びその近郊、ジョーホールバル、ペナンのジョージタウン、この3地域だけです。これ以外にもしある可能性として、イポーはどうかな?(多分ないのでは)、現在のサバ州コタキナバルはどうかな? この2都市に関してははっきりと知りません。あとはどの都市でも町でもメータなしタクシーです、つまり交渉制です。交渉制といっても、それなりの基準はもちろんありますよ。

市内タクシーとOutstationタクシーの区別のない町の場合

コタバルとかマラッカのような、都市までいかない中規模の町だと市内を走るタクシーがありますが、料金はもちろん交渉ですね。この種のタクシーは多少離れた程度の他の町へも、時にはマラッカからクアラルンプールのような長距離をも受けるようです。市内タクシーとの明確な区別がないからでしょう。

ペナンの市内タクシーも同じようにそれほど遠距離でない中距離乗りを受けていますね。ペナンの市内タクシーの規則上の運行範囲を筆者は明確に知りませんので、どのあたりまで市内タクシーが運行できるかはここでは書けません。ただペナンからクアラルンプールまでのような遠距離はOutstationタクシーでない限り、免許条件上運行できないのは確かです。

Outstation専門のタクシーは、通常はその町のタクシー集合場所から出発します、そこには運転手らの待合小屋があり、どこどこまでいくらと料金が掲げられています。この料金は1台あたりですから、4人で乗れば割る4です。客がどうしても集まらなければ妥協して出発もしますし、1人でも3人または4人分払えば出発します。尚Outstationタクシーはその車毎に行き先が決まっています。つまりバトゥパハットからなら、A車はマラッカ、B車はクアラルンプール行きと決まっており、運転手間の不必要な競争を避けています。

尚Outstationタクシーの全てが小屋のあるタクシー集合場所だけから運行されているということではありません。中規模程度以上の町だとバスターミナルの近くで客待ちしていて、またはたまたま道路を走行していて、客を拾えばどこへでも行くというスタイルもあります。こういう町では市内専門タクシーというのがないからですね。
Outstation専門のタクシーは半島部であれば、町規模であればまずどこでもあり、車台数が多いか少ないかの差です。

地方の空港常駐タクシーの長距離走行の場合です。KLIAの空港タクシーは半島部どこへでも行きますが、例えばジョーホール州のスナイ空港のタクシーが800Kmも離れたBukit Kayu Hitamまで行くのか、イポー空港からクアラトレンガヌまで行くのかという点は確認していません。現実問題としてほとんど起こりえませんが可能性がないとはいえない、この点は私も確認していないのでわかりません。

ホテルのツアーカウンターでそのホテルのリムジン以外に斡旋してくれる場合、一般タクシーではなく、ハイヤーかバンのことがよくあるでしょう。そういう車は旅行業者が運行しています。それとは別に、フロントが知り合いなり、馴染みのOutstationタクシーの運転手を紹介してくれるなんてことは当然ありますから、乗る際にその車はどういう種類か聞いてみればいいのです。

2003年10月24日掲載