サンダカン歩き


コタキナバルから飛行時間40分ほどでサンダカン空港に着きます。長距離バスなら少なくとも 6時間ぐらいはかかるのではないでしょうか、舗装道路とはいえ山岳地帯を超えて来なければなりませんから。

おんぼろバスでに乗って市中心街に着く

空港ロビーを出るとチケット制タクシー乗り場があります。サンダカン市内までRM15 とのこと。タクシーは絶対必要時しか使わない主義の筆者は、まあバスがあるだろうと、空港ビルの向こうを眺めれば、道路があり時折車が走っています。空港ビルを出て道路に向かってぶらぶら歩き出すと敷地内の目立たないところに kantin つまりコーヒーハウスを見つけました。
そこでひとまず茶を一杯、ついでに店の女性に、「Adkah Bas pergi ke pesat Bandar?中心街まで行くバスある?」 「 Adah、sana あるよ、そこです」 と道路を指差してくれます。

てな感じで暑い日の下空港外側の道路端で、別にバス停の札も小屋もありませんが、待つこと10数分、やってきました。おんぼろ小型バスが。だいたいどこでもバスが空港まで来ているものです。ただし目立たないようになってますので人に聞くか、こうやって空港近くの道端で待ってればいいのです。バス停などなくても手をあげればバスは停止します。

運賃90セントのバスで25分、サンダカン市内のバス乗降広場に着きます。車窓から眺めていてまず気が付いたのは、店舗住宅や小工場が道の両側に並びその看板がいずれも大きな中国文字で書かれていることです。半島マレーシアではチャイナタウンような一部を除いて、こういう看板を目にすることはありません。

中国文字の多い市内

これはサンダカン市内ではもっと顕著で、一瞬シンガポールか香港の下町かと勘違いするほど中国文字看板が多いですね。もちろんその中国文字名の下には小さなマレーシア語名が書かれてますが、半島マレーシアとは主と従が逆転しています。

バス広場バス乗り降り広場には小型バスやミニバス、バンが集まっています。客引きがうるさい。東南アジアの田舎町らしい雰囲気が伝わってきます。尚この旅では筆者はずっとこういう乗り物にお世話になったのです。

Sandakan 中国語で書けば山打根という当て字、ですが日本にも比較的その名が知られているのではないでしょうか。小説と映画のおかげかな。旧日本軍の占領地でもあったそうです。

サンダカンはサバ東海岸の中心として栄え、第二次大戦まではサバ州都でした。町の中心街はそんなに大きくなく小1時間で歩き回れる規模です。

自由旅行者向けのホテルの探し方

ちなみにバス広場の近くの目立つ建物にある大きなエコノミーホテルはRM83、これで目安ができ、あとはそれより少し安めのきれいそうな安ホテルを探したわけです。筆者はガイドブックなど持ちませんから、適当に3,4軒適当に当ってから、中央市場近くの安ホテル(RM58)にチェックイン。まあまの程度かな。
後で知ったのですがサバ州のホテルはどこでもテレビや冷房はついてますし、がいして値段の割にいいのです。

サンダカンは港町ですし、こういう規模の町なら必ずエコノミークラスから安ホテルがあちこちにいくつもあるのです。高級ホテルのRenaissance Hotelは中心街から少し外れた不便(筆者には)な所にあります。

ショッピングビルの隣に現在中心街初のシティーホテルSandakan が建設されていて、尋ねるともうすぐオープンするそうです。このクラスならサンダカン観光の旅行者に申し分ないでしょう。

活気ある民族の交流場である中央市場

中央市場サンダカン中央市場は2階建ても横に長い建物(右の写真)で朝早くから活気に満ちています。すぐ裏がはしけになっており鮮魚類の水揚げがそのままできます。(下の写真)

1階は鮮魚と生鮮類、その他衣料などの店、食事もできます、2階は食事専用、何十という屋台風の店がごちゃごちゃとあります。中国料理系とムスリム料理系のカウンター式飲食店がまったく整然としてなく、でもなんとなく住み分けています。このあたり面白いですね。

ここを筆者は朝食にも夕飯にも使いました。マレー系の店で夕食時 「KLからきたよ」 と言ったら、店のおばさんは「KLは高いだろう」と言ってました。でもこういう所の食事代を含めて意外にサンダカンは安くありません。KLあたりとたいして変わらないのです。

波止場
中央市場前の道路はバスも通るにぎやかな通り、その付近は市場内で正式に物を売れない、恐らく近郊の村から収穫物を売りに来たおばさんたちが道路に物を並べて売っています。
東南アジアの市場という雰囲気が、そして臭いも肌を伝わってきます。

町で見る顔は中国系、マレー系、それとカダザンかそれとも他の先住民族か、さらにフィリピン系と種種雑多、でも族際語はマレーシア語ですね。いいいことです。町の看板にもでています。"マレーシア語は我々の言葉"


是非訪れたい展望台

一望Sepilok からの帰途、サンダカン市内中心部に入る手前に Observation Pavillion というサインを見つけたので、バスを降りて坂を登っていくと、丘の中腹にコンクリート製の展望台が設けてありました。

そこから眺めるサンダカン中心部と、スルー海に面した小船の浮かぶ湾の一望はいいですね。その昔日本人も小さな船でこの湾に着いたことでしょう。そんなことを思いながら眺めを満喫、この展望台は是非行く価値ありです。

そこからのんびりと町の中心街まで歩き降りても20分ぐらいかな。

バス広場を超えてどんどん波止場に沿って歩くと小さな空き地がありそこは中遠距離用のバス、乗合いバンの乗り場です。夕方に近づいていたので閑散としてましたが、翌日Sandakan をたつので情報収集。そこの向こうには公園があります。アベックがベンチに座ってたり、若い男が所在投げにたむろしてる、どこでも見られる当たり前の風景です。

サンダカンは自然ツアーの基地でもある

サンダカンは大きくもなく小さくもなく適度の大きさで、ホテルや食べるところも不自由せず、また中国系が多いため中国諸語もよく通じ、多民族の入り交じったいい町ですね。筆者は気に入りました。ただクアラルンプールのような大都会でないので、夜は6時ともなれば店はほとんど閉まり急に静かになります。

サンダカンは、スルー海のカメの島パーク、Gomantong 洞窟、Kinabatangan川の野生動物など、自然と動物を観察する旅の基地でもあります。しかし実質1日半の滞在ではとてもそこまで無理ですからまたいつか。
街のエージェントを訪ねれば、そういうツアーはいつでもありそうです。

97年11月18日記