6年ぶりのコタキナバル


コタキナバルに乗合いバンで着いた。サバの人は例外なく、コタキナバルをたんに KKとその頭文字をとって呼ぶので、筆者も真似しましょう、海岸近くの広大な広場が中近郊行きバスや乗合いバンの乗降場である。ゆうに百台を超える車が止まっている。広場の前にはCenter Point という新築の大きなショッピングセンタービルが構えている。

筆者にはすべてが新しく写る。無理もない、初めてKKを訪れた91年から、すでに6年が過ぎているのだ。
当時はこんな大きなショッピングセンターや、その隣にあるApi Api centerとかいう高級住宅兼店舗街などなかった。このあたり空き地だったのか海だったのか思い出せない。

中心街にはたくさんのエコノミーホテル

もう記憶をたよりにはできないぐらいこの一帯は変わってしまった。とにかく広場を後にし、Sinsuranという店舗街を歩きまわってホテルを探す。さらに City Park の隣一帯Kampung Air、には中小のホテルがいくつでもある。あとはどのホテルが値段のわりにきれいで快適かだけだ、といっても聞いて回ったところ、RM50 からRM90ぐらいまでの経済的な値段だ。この時期だからどこもすいているし、よっぽどの季節でない限りすべて満室なんてことはないのではないでしょうか。

概観のきれいさにつられて宿を取ったのは、Kampung Air地区のとあるホテル、汚くはないけど狭くうるさい。そこで2日目は別のホテルに変わりましたけどね。KKで味わったことはまず都会だということ、まさにサバ州一の都会である。必然的にホテルの対応もそれなりに人擦れしてて、概して愛想がよくないか心がこもっていない。

今回筆者はサバ州を時計周りに地方都市、田舎町と回ってきたから、ホテルに働く人との会話(マレーシア語)は楽しみの一つでもあった。彼らはまあ親切であり、ちょっとした会話でも心をこめてくれるが、KK ではそんなわけにはいかない。高級ホテルは筆者の行動範囲でありませんから知りませんが、このクラスのホテルの人たちは事務的で会話を楽しめる相手ではない。コタキナバルが大都会であるから仕方の無いことですがね。

バイクが少ない道路

とにかくコタキナバルは発展している都会だ。そして活気がある。あたりまえですが、車がひっきりなしに行き交い、バスが、それも冷房バスが多い、あちこちを走っている。きれいなショップハウスが立ち並び、いたるところにコーヒーハウスつまり大衆食堂が店を開き、映画館やカラオケの看板が目に入る。

規模の割にうるさくないのはバイクが極めて少ないことだ。これは他のサバ州の町でも同じだが、半島部とくにKL周辺に比べて本当にバイクが少ないのである。なぜだろう。バスサービスがいいのかな?。
バイクが少ないので騒音が割に少ないだけでなく、車と車の間を擦り抜け、歩道を走り、一方通行を逆送する傍若無人な交通スタイルがないので、街をぶらつくのにも向いている。

バイク乗りには申し訳ないけど、コタキナバルでは”ほっと” しますね。とにかくKLとその一帯では交通マナーの悪さと渋滞状況は異常なのだ。

中央市場前はビル建設中

市場外
今回コタキナバルは”ついでの目的地”なので、十分な時間もとりませんでしたし(1日半でその内1日は郊外へ出かけた)、あちこち訪れるつもりもないが、とにかく歩いてみましょう。

翌朝朝食を取りにいった有名なPasar Besar中央市場は相変わらずにぎやかである。市場前はビルの建設中でした。(左は中央市場の遠景、この市場の左方向がフィリピンマーケットにつながる)
市場内
中心街の大通り Jalan Tun Razakから長さ50メーターを超える歩道橋があり、この歩道橋が直接市場2階のホーカーセンターにつながる(右の写真は早朝の飲食店の様子)。

歩道橋上では非法の物売り、多分フィリピン人であろう、が床に品物を並べて売っている。KKではマーケットだけでなく、いたるところにフィリピン人が働いてるそうですから、不思議ではありませんが。

波止場の海水は汚れていない

市場の右側、Hyatt Hotel の裏手あたりは波止場であり、KK 沖の島への渡しボートが発着している。 KKから行ける一番ちかい水上家屋村がここから見えます。ただ観光用ではなく人々の生活住居です。

フェリーそのとなりの桟橋にはラブアン島行きのフェリー船がつながれています。桟橋は2つあり、それぞれ別の船会社、Labuan Express と Express Kinabaluが運行しており、朝1便、午後1便のスケジュールです。片道RM28 と看板にありました。(左の写真がそのフェリー)
時間があったら行きたいですね。

ボート会社その他その桟橋の間にはコタキナバル沖の島々 Pulau Sapi とかPulau Manakanなど、島巡りのボートツアーを売り込んでいるボート会社が数社、オフィスのないのもある、道路に写真を掲示して客を待っている。(右の写真)

観光客目当てなので、写真など見てれば若いあんちゃんがすぐ寄ってきて、「行かないか」 とうるさいのだ。まったくその気はないので、「Tengo saja みてるだけさ」 と言えばいいのです。

夜のフィリピンマーケットのにぎわい

翌夜、中央市場隣のフィリピンマーケット(とパンフレットに書いてある)へ行ってみました。夕方から夜10時ごろまで開いてるそうで、たしかににぎやかである。特に食べ物屋台や食物を売っている一帯は、半島部では見かけない食べ物やお菓子類、揚げ物、焼き魚などを客引き声とともに売ってますので、行ってみる価値あるでしょう。

フィリピンマーケット夕食のおかずを買っていく人、食事してる人など夜店そのものです。バナナなどの揚げ物 を買いましたが安いのですね。マレー人商売人もけっこういるようですが、慣れない者にはどれがフィリピン店かよく分かりませんでした。(写真は飲食物を売る屋台)

広場にそれぞれのテントを建てた青空夜店なので、雨が降った後のため下はドロドロでしたし、食物以外を売る一角はめずらしいものもありませんが、夜のひとときぶらつくのもいいのではないでしょうか。
夜店の対面はSinsuran 店舗街です。TVを庭に出したコーヒーハウス前にはたくさんの若者が座っています。

半島部ではみられないタイプの大衆食堂

そうコタキナバルの中国系コーヒーハウス(大衆食堂)で気がついたのですが、店内でHalal(ムスリムが食べてもよいの意) のサインを掲げて、ムスリム料理を売ってるコーナーがあるんですね。半島マレーシアでは絶対にお目にかかれないタイプです。なぜなら非ムスリム料理を売る中国ショップでムスリム料理をうること自体が理論的にはおかしいですから。

コタキナバルのような大都市を、短い滞在で述べるのは難しいですが、あくまで中心部だけに関すれば、新しい店やショッピングセンターが目に付き、冷房バスのたくさん走る交通網と整った町並み、ここもマレーシアの都市の例にもれず大きく変わっているのですね。筆者好きになりました。

97年12月9日



2006年1月9日の新聞記事から 「コタキナバルの新バスターミナル」

コタキナバルでは、これまで使われているPadang Merdeka  にある屋外式バス発着場から新しく建設したバスターミナルにバス発着を来週から移動させることにしています。RM450万をかけた新バスターミナルでの運行に対して、バス運営社は全切符売上の10%をコミッションとしてターミナルに差し出すことになります。加えてバス駐車代として会社毎に1日あたりRM 67 もかかります。そのためバス会社側は反対を表明しています。

コタキナバル市長は、「コミッションと駐車代はターミナルの運営維持費です、保安やメンテナンスに月RM16万かかるのです。」 と説明する。市庁はターミナル運営に1社を指名しました。Padang Merdeka  にある屋外式バス発着場は、現在長距離バスとミニバスと各地へのバンの発着に使われています。