マレー鉄道のシンガポール駅 Woodlands CIQでの入出国検査に関して


2011年6月末にTanjung pagar駅が廃止されて、2011年7月1日からWoodlands駅がシンガポール駅となりました。 E-Ticket では7月1日以降 Woodlands CIQ の表示となった
CIQ とは customs, immigration and quarantine の略で税関・出入国検査・検疫 の意味です。駅名に Woodlands CIQ というのは奇妙ですが、マレー鉄道はこの名称を使いたいようです。

シンガポールWoodlands地区の場所
Woodlands地区の地図を載せておきますので、クリックしてよくご覧ください。 駅のある Woodlands Train Checkpoint がWoodlands地区のどの場所にあたるか、シンガポールMRTの駅とはどれくらい離れているかを知っておきましょう(歩ける距離ではない)。 
呼称の違い: シンガポール側の呼称 Woodlands Train Checkpointのことを、マレーシア側はWoodlands CIQと呼んでいる。


 
左:Woodlands CIQ駅 で列車を降りた光景、この後シンガポールの入国手続き所へ入ります。 右:Woodlands CIQ駅舎内にある、マレー鉄道の切符販売所

  
左:Woodlands CIQ駅 つまりWoodlands Train Checkpointの外観。 右:駅舎を背にしてすぐ右手にあるシンガポール公共バスのバス停です。単方向道路です。

2011年7月1日から実施された、マレーシア−シンガポール間の出入国手続き −マレー鉄道を利用する際

ジョーホールバルからシンガポールへ

  1. ジョーホールバル駅に列車が停車し、シンガポールへ行かない乗客は全員そこで降りる。
  2. まもなくマレーシアImigresen 係官が乗り込んできて、乗客1人1人のパスポートのページに出国の年月日を書き込む。この際 Imigresen のスタンプをページに押すこともないし、Imigresen のコンピューターに入力することもない。 荷物検査ももちろん行われません。 極めて簡単な出国手続きです。
  3. それが終わると、列車は発車し、Causeway を渡ってシンガポールへ入る、そこが既に Woodlands Train Station であり終着駅です。
  4. 乗客は全員下車して、シンガポール側の入国手続きを受ける。シンガポールで行われている普通の入国検査です。
  5. それが終わると必然的にエスカレーターで地上階に上がり、駅舎を出る。目の前にタクシー乗り場がある、またすぐ右手にシンガポール公共バスのバス停がある。

シンガポールバスの案内: 駅舎前の通りは単方向道路なので、バス停は道路の片側にだけある。このためバスの行き先に注意すること。同じ番号でも行き先が違うことがある、例えばよく知られた170番バスは MRT Kranjit駅経由 Queens Street 行きと Woodlands Checkpoint経由ジョーホールバル行き の2種類がある。
MRT Woodlands 駅行きのバス番号はバス停に掲示されており 178、903、911、950など。行き先に注意。

シンガポールからジョーホールバルへ

  1. Woodlands Checkpoint でシンガポール出入国管理当局による出国検査を受ける。
  2. その後で、Woodlands Train Checkpoint (ウッドランズ列車国境検問所)にあるマレーシアImigresen (出入国管理当局) のカウンターで入国検査を受け、次いでマレーシア税関当局の検査を受ける。
  3. 手続きはこれで全て完了するので、その後列車待合室に入り、列車への乗車を待つことになる。言うまでもなくジョーホールバル駅で検査を受ける必要はもうない。

MRT Woodlands駅から Woodlands Train Checkpoint を経由するシンガポールバスの番号:911、912、913, 856など

2013年7月13日初掲載


シンガポール駅の移転に関するお知らせ

2011年4月9日付け「新聞の記事から」に載せた 【マレー鉄道のシンガポール駅は7月1日にウッドランドに移転する】をここにも載せておきます。

昨年(2010年)5月シンガポールを訪れたナジブ首相とシンガポールのリー首相の間で、マラヤ鉄道のシンガポールにある Tanjung pagar 駅をシンガポール内で移転させるとの発表がなされました。このため Tanjung Pagar にあるTanjung pagar 駅は今年2011年7月1日にWoodlands にある Pusat Pemeriksaan Kereta Api Woodlands に移転します(注:ウッドランド鉄道研究センターと仮訳しておきます)。

これによって80年ほど使われてきたTanjung pagar 駅 は移転に伴って2011年6月30日にその鉄道駅としての機能を終えることになります。



マレー鉄道の過去のシンガポール駅について


マレー鉄道KTMはシンガポールまで路線があります。シンガポール内の駅はこれまで一つだけ、それがTanjung Pagar駅でした。ですからマレー鉄道でシンガポールから乗る場合もシンガポールで降りる場合もこれまでは入国出国手続きをTanjung Pagar駅にある検問所で受けました。

しかしこの状態はシンガポールが独自に島北部、つまりジョーホールバルに近い Woodlandsに駅を設け、98年8月1日にその出入国検査所を移設したことから、変わったのです。これがマレーシアとシンガポール両国間にあつれきを生み、両国はそれぞれ独自の方法で出入国検査を始めました。この当りのことは「新聞の記事から」の7月30日とその後の続報に説明してあります。

マレーシアからシンガポール入国の場合は、シンガポールがWoodlands駅で荷物とパスポート検査をするので、乗客全員が下車する必要があります。尚マレーシア側の検査はジョーホールバル駅停車中に係官が同乗してき行います(これは以前と同じ)。

さてちょっと問題なことは、旅行者がシンガポール発マレーシア行きのKTMに乗車した場合です。まずTanjung Pagarに存在するマレーシア出入国検査所でパスポート検査を受けます。しかしこの時係官は外国人旅行者の必要事項をコンピューターにインプットするだけで、パスポートにスタンプを押さないのです。
その後乗客が乗車してTanjung Pagar駅を離れ、Woodlands駅で停車します。乗客は全員下車してシンガポール側の出入国検査所で荷物検査及びパスポート検査を受けるわけです。従ってこの時間がしばらくかかるため、列車が遅れることと、荷物を一度降ろして検査を受ける面倒さが不満の種になっています。

それは両国の交渉で解決するしかないので、どうしようもないのです。
さてWoodlands駅を発車してから、車内でマレーシア係官が乗客に出入国管理カードを配布します。これがないとマレーシア出国時に問題となりますから、必ず受け取って下さい。

注意: 乗客は Woodlands駅から列車に乗ることは一切できません(検査で一時下車のみ)。しかしマレーシアからシンガポール入国時のみ、Woodlandsで手続き終了後列車を降りることはできます。
心配点: 外国人はTanjung Pagarでその入国記録をコンピューターに入力されるだけで、パスポートに入国スタンプが押されないので、万一インプットミスが起こった場合、申し立てする証明ができない。

筆者の見方:両国の歴史的関係から物事を考えていく必要があるので、ここで簡単に言うことはできませんが、とにかく問題解決には多少時間がかかりそうです。

出入国検査所が両国間で離れており、そのつど荷物を積んだり降ろしたりしなければならないところは、広い世界いろんな検問所にあります。例えば両国国境間が川で隔たれている場合などがその典型的な場合です。マレーシアとシンガポールの陸路間で初めて発生した自体なので、不満も多いようです。
この自体は近い将来変わる場合も考えられます。

1998年8月3日記

追記

上記を書いてから数年が過ぎましたので、一部に多少の変化が出ているかもしれません(ご存知の方はお知らせください)。しかし依然として同じなのは次ぎのようなことです。

マレー鉄道のタンジュンパガール駅でマレーシア入国手続きを受けますが、この時2002年現在でもパスポートにスタンプは押されないそうです(ジョーホールバルのImigresenの話しによる 07-2232890)。しかし入国者の情報はコンピューター入力され、入国書類も受領します。もう数年もこの方式が取られてきたので、このことについて旅行者が今更心配してもどうしようもありませんね。マレーシアに入国が許可されるというのは、ジョーホールバルで降りようとそのままクアラルンプールへ行こうと関係ありません。つまりタンジュンパガールのImigresenで入国手続きが終れば、後は何も心配ないのです、つまりジョーホールバルまでの切符でも、クアラルンプール行きの切符でも入国手続きは同じです。

2002年7月11日記