トゥアンクアブドゥルラーマン通りとインディアンモスク通り一帯


この一帯の地形

この一帯は「たいへん縦長の長方形のような形」と考えるとわかりやすいのです。
独立広場から伸びる通りがJalan Tun Perak と交差する所にクアラルンプール市の旧DBKLビル(内部は裁判所)があります。その交差点から北へ伸びる道路をJalan Tuank Abdul Rahmanといい、その交差点を基点にしてその通りを歩いて15分ぐらいの所にあるSogoデパートとその少し先のMaraビルまでの通り沿いが長方形の長辺、もう一方の長辺がJalan Tuank Abdul Rahmanの裏通りにあたる形のJalan Masjid India通り沿いになります。SogoデパートからJalan Dang Wangiに面したCampbell ショッピングセンターまでが短編になり、もう一つの短編がマスジットジャメから旧DBKLビルまでになります。

歩き方

スタート起点をマスジッドジャメからにすれば、その対面にあるLRT高架電車のマスジッドジャメ駅横の小道Jalan Melayuに入って1分ほどで、Jalan Masjid Indiaの始点にでます。またこの一帯を独立広場からスタートされる方は、Jalan Tuank Abdul RahmanをSogoに向かって歩くことになります。この場合車の流れに向かう形で歩きます。又は、Sogoデパート裏にあるLRT高架電車のバンダラヤ駅を利用する方は、Sogoデパート起点がいいでしょう。

どこを起点にしてもどちらの方向に歩いてもいいですが、Jalan Tuank Abdul RahmanとJalan Masjid Indiaは平行していますので、長方形を同方向に1周するようなことになり、最後はスタート地点に戻ってくることになります。
写真はクアラルンプール発祥の地といわれるゴンバック川とクラン川の合流点に建つマスジッドジャメです。



一帯の性格

Jalan Masjid Indiaとはインディアンモスク通りという意味で、この通りの核がこのインディアンモスクなのです。その名の通りムスリムのインド系マレーシア人が多数礼拝に訪れるモスクですが、現在ではムスリムインド人は礼拝者の5,6割で、マレー人が2,3割、残りをパキスタン人、ムスリムのミャンマー人、バングラデシュ人が占めます(モスクのイマームの話)。

また一般に思い込まれているようにインド人ばかりの通りではなく、マレー人の店、華人の店もけっこうあります(3割くらいは華人オーナー店)。尚華人の店は華人相手というよりムスリム相手のようです。例えばモスク前のYakinビルの1階にはたくさんのマレー人相手の衣料店や仕立て屋、書店が入居しています。通りに立ち並ぶいくつかの庶民アパートの住民もインド系主体に各民族交じり合っているとのことです。

通り全体を歩く人たちを見るとムスリム、ヒンヅー教徒に関わらずインド人が比較的多いですが、通り沿いにカレッジがあるしオフィスもあるので、平日の午後などは様々な民族が歩いたり買い物しています。週末もマレー人が結構目立ちますが、マレーシアで働いているバングラデシュ人などが集まってくるようです。

このようにJalan Masjid India通りはインド系中心にしていろんな民族が混沌と混ざりあった通りなのです。

一方Jalan Tuank Abdul Rahmanの方は、かってBatu Roadと呼ばれクアラルンプールで最も古くから繁華街であり続ける通りの一つです。かってのショップハウスの面影を残すのが ColiseumからTivoliにかけてのごく短い部分です。Tivoliは今や旅社となり、この建物内を訪れる人はもうごく少ないように見えます。

98年にクアラルンプールで行なわれた英連邦スポーツ大会前に街の美化と道路改修がなされたため、この通りのSogoからColiseum当たりまでの部分に広くきれいな歩道が作られました。おかげでもう前とは違って、車を気にせず歩けるようになったのです。

この Jalan Tuank Abdul Rahmanに並ぶ店は規模が多少大きくなりますが、いずれもごく庶民的な店ばかりです。衣料安売りで有名なGlobe SilkとかMun Loon、靴のBATAなどよく知られた店が多いのです。それとマレー人の衣装であるバジュクルンとかスカーフ(トゥドゥン)用の生地とバティックを専門に売る小規模店が固まって入居している路地が10本近くもあります。またこの通りには書店と靴屋が多いのも特徴です。両通りともマレー人が多いせいもあり、イスラム宗教書がたくさん並んでいます。

買い物とウインドーショッピング

インド人が得意とする商売にテキスタイル製造販売、両替商、仕立て屋、貴金属販売がありますから、Jalan Masjid Indiaにはそういう店が多くなります。加えてムスリムインド人が経営する地元のディスカウントストアーMYDINが数軒店を持ち、いつもたいへんにぎわっております。店内音楽にインド音楽を流しているディスカウントストアMYDIN見学もお勧めです。

この通りにはサリーなどインド衣装・生地の販売店やヒンヅー教徒用の宗教用品を販売する店が当然多いのですが、マレー人相手の衣装・生地店もけっこうあります。マレー衣装店の店先にはスカーフ用の生地がずらっと展示してある所が多く、それがマレー衣装・生地店の見分け方にもなります。さらにインド店マレー店だけでなくインドネシア本屋、インドネシア衣料店もあるのです。仕立て屋が多いのですが、マレー人仕立て屋インド仕立て屋に混じって華人の経営する仕立て屋もあり、ここらあたりにも各民族交じり合ったJalan Masjid Indiaの特徴があります。

またインド映画のビデオ、VCD、カセット音楽を専門に扱うコーナーとその専門店もいくつかあり、店頭では大音量でインド音楽・映画を流していますから、インド映画・音楽ファンには見逃せない一画です。インド映画を見た事のない方はこういう店前の路上で見物できます。

Jalan Tuank Abdul Rahmanは規模の大きい衣料店が圧倒的に多くなります。加えて地図に記した生地屋路地と個別の生地店を訪れると、バティック布などその種類と選択の豊富さにおどろかれることでしょう。布地はマレーシア製、インドネシア製、タイ製といろいろです。

高級品目当ての方はもちろんSogoデパートです。冷房が心地よく効いた店内はあまりこんでないのでゆっくりショッピングできます。Sogo前にスランゴールピューターの店があります。ここは品揃えが豊富な店です。


飲食店

本格的インドレストランはTAR通りのThe Banglesぐらいです(昼のセットランチがRM22ぐらい)。インド大衆レストランは両通りに散らばってたくさんあります。例えばJalan Masjid India側のモスクの斜め前には典型的インディアン料理であるNaanとTandoriの大衆レストランが2軒かたまっています。この一帯のインディアン大衆レストランでもThosai、Roja, Roja mee, Mee Rebus, Bryaniなどのインディアン食が味わえます。

マレー料理の場合は、ビルに入居した食堂は少なく、図に示したように路地に店を開く屋台形式が圧倒的に多いのです。また両道路周辺で比較的見かけるのが、Nasi Kandar食です。

中国料理レストランはOdeon隣の老舗レストランLee Wong Kee1軒だけです。老舗のレストランといえば、西洋料理の Coliseumカフェ&レストランが有名です。年代もののガラスドアを開けて入ると、数十年前のレストランの雰囲気を感じます。
数からいえば、屋台を除けばインド料理の店が多くなります。いずれにしろ食べ物屋の数は豊富です。

Sogo前の大衆食堂3軒は店内に中華食、マレー食、インド食の販売人がそれぞれ料理コーナーを作っているので、何を選ぶかに困ったらここがいいかもしれません。

手軽に且つ各種の食を選べるのがプルタマコンプレックスのホーカーセンターです。お好きな食のコーナーへ行き、欲しいものを取ってその場で支払います。座るのはどこでもいいのです。又Maraビル横の屋台街は夜だけ店を開きますし、Jalan Masjid Indiaにはいくつかの屋台街がありますから気軽にマレー食を味わえます。

高級レストランはSogoデパートの6Fに、中国、タイ、西洋、日本の各料理レストランが店を開いています、又カフェが6階と地階にある。

ショッピングセンターと映画館

言うまでもなくSOGOは高級デパートですから、値段では両通りの店店よりずっと高いのですが、ブランド物が揃っており、クアラルンプールの中上流層のお気に入り買い物所です。中国、西洋、日本料理などが揃った6階のレストラン街ではゆったりと食事できますし、店内全体がゆったりと買い物できるほどの混雑度です。地階の食品スーパーは豊富な日本食品揃えを誇っています。

Jalan Masjid Indiaの突き当たりにあるスムアハウスはインド映画専門のミニ映画館も入居したショッピングセンターで、衣料品と仕立て屋が多い。その隣のビルCity Oneにはマレー人を対象にした華人系の大型の生地屋Nagoyaという店があります。

キャンベルコンプレックスとプルタマコンプレックスはいずれも客層としてマレー人が圧倒的に多いショッピングセンターです。プルタマコンプレックスにはマレー衣装の店がたくさんテナント入居しています。

Jalan Tuank Abdul Rahmanの1920年と書いたビルにあるColiseum映画館は、老舗のインド映画専門館です。
もう一つの老舗Odeon映画館は98年廃業しましたがその数年後また復活してインド映画、マレー映画専門です。

新しいバザール場

間違いなく2006年12月でしょう、クアラルンプールの中心部に全く新しい大きなバザール場がオープンしました。その名を City Bazaar といいます。

住所は、Tuank Abdul Rahman通りのSogo の近くです。Pertama Kompleks の対面で、Odeon映画館の隣です。今年はじめまで、しにせの中華レストランのあった場所です。レストラン廃業の跡地に、平屋建ての建物をたてて、その内部をバザールにしています。つまり屋根付き屋台ショップ街といえます。ただ飲食物屋はありません、少なくとも現時点では。

かなり広いことと、冷房付きなので環境はよいといえます。テナントの入居状況はまだ半分ほどですので、今後の人気具合しだいでしょう。扱っている品物は、街の屋台街とにたりよったり、値段はどうかな?

この地区は、中心部のひとつでありながら外国人旅行者の主流はほとんど寄り付かないといっても間違いではないでしょう。Tuank Abdul Rahman 通り自体昔から、マレーシア人訪問者が圧倒的に多く、プラスインドネシア人などで、西欧、日本人などの自由旅行者はごく目立ちません。よってこの Tuank Abdul Rahman 通りにある、City Bazaar がどれほど、外国人自由旅行者をひきつけるか見ものです。

この部分のみ2007年追記

土曜日夜の屋台市(パサールマラムという)

Jalan Tuank Abdul RahmanとJalan Masjid Indiaに挟まれ且つ平行して走っている小路 Lorong Tuank Abdul Rahmanには毎週土曜日の夕方から夜11時までパサールマラム(夜の屋台市)が立ちます。以前はJalan Tuank Abdul Rahmanにあったのですが、道路交通に差し障りがあるということで98年から現在の小路に移りました。

小路に移っても相変わらず多くの訪問者を引きつけていますので、パサールマラムの長さは変わりませんが道路幅が半分くらいになったため、混雑度がましたようです。訪問者もそこに店を出す屋台商売人も前と同じようにマレー人が圧倒的に多数を占めています。華人は驚くほど少ないのがこのパサールマラムの特徴です。

飲食物を扱う屋台は基本的に火を扱うことは禁止されていますので、飲物類と調理済みの品が多くなります。主な品をあげていくとクロポックイカン、バナナケーキやマレー菓子などの甘いお菓子、ナシアヤム、ナシブリアニ、などのご飯もの、揚げ串、ポーピア、ラクサなどの一品もの、ゆでとうもろこしや果物などが並んでいます。こういう食べ物屋台はテーブルがありませんので、基本的には持ち帰りとなります。飲物はチェンドルなどを長テーブルに腰掛けて飲めるようにしている屋台もありますが、多くは立ち飲みになります。でもカップの豆乳などを飲み歩きながら、各種の店を冷やかしていくのもいいものです。

非飲食物では衣料、スカーフ、バティック、ベルト、雑貨、海賊版VCDなどと夜店でおなじみの商品を扱う屋台が並んでいます。屋台がLorong Tuank Abdul Rahmanの小路の長さほぼいっぱいに出ているので、屋台の数も百軒近くあり且つ訪問者も多いので、パサールマラムとしてはクアラルンプールで最大級のクラスといっても間違いではないでしょう。
チャイナタウンに比べるとずっとずっと外国人の姿が少ない夜市です。セントラルマーケットからゆっくり歩いて10分で到達できる距離ですから、チャイナタウン見物の前か後にこちらも訪れて雰囲気の違いを味わってください。

宿泊施設

両通りには高級ホテルはまったくありませんが、インディアンモスク通りにはこの1,2年建ったエコノミーホテルが新しく数軒加わりました。泊まり客にはインド亜大陸からの訪問者とアラブ系が多く、多少のヨーロッパ人といったところだそうです、そのためもあってこの一帯をうろついている日本人など東アジアからの旅行者を見るのはSogo付近を除けばずっと少ないのです。

別ページの「クアラルンプールでエコノミーホテルを探す」に詳しく載せましたので、そちらをご覧ください。


金曜礼拝の見物

もしこの一帯を訪れる時が金曜のお昼頃でしたら、インディアンモスクの金曜礼拝の様子を見てみましょう。信者がモスクの内部に入りきれず、モスク前の道路一杯に広がって礼拝するのです。イマームの声がタミール語にアラビア語が混じりなので、聞いててもわかりませんが、千人をはるかに超えるムスリムの路上礼拝は壮観です。気がつくのはインド系ばかりでなくマレー人がけっこう多い事です。大体1時半から2時くらいがいいですよ。このインディアンモスクは南インド風のスタイルで、1863年建設されたとのことです。
尚近くのマスジッドヌガラの方は圧倒的にマレー人礼拝者です。

又休日や金曜日にはモスク前のYakinビルの歩道に香具師が店を出します。香具師はマレー人ばかりですのでマレーシア語口上で怪しげな薬、栄養薬やカセット、雑貨などを売っています。ちらっと覗いて見るのも面白いです。

長距離バスの始発駅

Maraビルの前からシンガポール、ジョーホールバル、ペナン行きの長距離バスが発着します。市内他のバスターミナルとの違いはここから発着するバスは Excecutive Coachという21人乗りの豪華バスなのです。朝から夜まで数時間置きに発車、切符はMaraビルのTransnationalのカウンターで購入。

バス停

ブキットビンタン街に直通で行けるIntrakotaバス29番は中国レストランLee Wong Kee付近のバス停から乗ります。その他Lot 10と書いてあればどの番号でもよい。ただし本数はあまり多くない。その他のバスの多くはGlobe Silkの前にも停車しますが、ほとんどはKota Raya又はPasar Seni行きです。この表示のバスならどの会社のどの番号でもチャイナタウン付近が終着バス停となります。
尚 Sogoデパート横の、いくつかプラットフォームのあるバス停は郊外行き用です。

豆知識

典型的インディア街ならこの一帯に割合近いJalan Luboh Ampangがいいでしょう。Jalan Luboh Ampangは東京三菱銀行あたりから始まりますが、インディアン街になるのはそれが高架電車LRTの線路下を走るJalan Tun Perak と交差しJalan Gerjaにぶち当たるまでの百数十メートルの短い通りの一帯です。ここは店店の看板にヒンヅー文字やタミール文字がぐっと多くなり、10軒ほどのインド大衆レストランと、ヒンヅー教宗教用品店などが軒を並べています。インド音楽が一日中聞こえインド人が多数うろついています。インド人得意の外貨両替商もこの周辺にいくつかあります。

以上データ類は99年2月のものです。99年12月12日掲載

追記

上記地図のColiseum映画館の隣の駐車場は2002年に Laman Tuank Abdul Rahmanというきれいな広場に改装された。ここには公衆トイレがある。さらに2003年3月には、クアラルンプール市庁運営の旅行者インフォメーションセンターがオープンした。毎日10時から18時まで。



追記:通りの一部にアーケードが完成

Jalan Masjid India にアーケードが2004年10月後半に完成しました。この通りの一方の起点である Jalan Melayu との交差から インディアンモスク前あたりまでの通りの上部に雨と直射日光を防ぐ屋根が作られたのです(位置は地図を参照のこと)。これはこの地区にさらに旅行者を引きつけて、チャイナタウン並の旅行者訪問地の一つにしようというクアラルンプール市庁の計画の一環としてであり、総工費RM 1000万とのことです。

アーケードの下には150近いブースが割り当てられました。ユニークなアイディアは各ブースつまり商売人毎に商品格納用の大きなスチール戸棚が設置されていることです。もっとも商売人の中にはデザインが悪いと批判する人もいるそうです。

  

上2枚がアーケード屋根の写真です。下の2枚は内部の様子です。

  

2004年11月2日掲載