マレー料理を中心としたマレーシア大衆料理の勧めと注文法


おことわり:下記に掲載した ”よくわかる実践マレー料理注文の仕方”は98年に、”料理法知らずのマレーシア料理案内と勧め” と ”一夜漬けで覚えるマレー料理の注文法”は99年に、それぞれ「今週のマレーシア」 のコラムとして掲載したものと同じですが、旅行者向けページに向いていますので、ここでも掲載しておきます。
旅行される方、在住されている方などより多くの方が、大衆的なマレーシア料理を味わっていただきたいと願っております。そのための一助としてここでわかりやすく解説しておきました。注文法の所は、印刷してお持ちになるとより役にたつと思いますよ。

2002年1月記



”よくわかる実践マレー料理注文の仕方”


筆者には屋台やコーヒーショップ/ハススと呼ばれる大衆食堂で食事するのが生活の一部なので、今更こういうことに悩むことはありませんが、マレーシア語が全くできない居住者とか、旅行者には思うように飲食物を注文できないことは想像に難くありません。長年世界を歩いてきた筆者もまったく初めての国へ行きそういう大衆店に入ると、まずどうやって注文するかよく悩むものですから。指差して、「これ、あれ」だけでは誠不十分ですね。

そこで今回はインド系を含むマレー系の大衆食堂と屋台での料理、飲物注文法をわかりやすく書いてみました。対象がレストランでないのでごく大衆的な料理と飲物であり、値段は高くても1品 RM5、6ぐらいまででしょう。インド系の大衆食堂・屋台もインド専門料理を歌ってない限り、メニューと注文スタイルはマレー系に似ており、マレーシア語がたいへんよく通じます。

マレー系の店は、華人の中国屋台・大衆食堂より話し言葉の面ではやさしいと言えます。なぜなら華語(中国語)なり広東語、福建語は話し聞きする面ではマレーシア語よりはるかに難しいですから。掲げてある品書きに中国語が書いてありますからある程度想像できるとはいえ、中国語を話せなければ所詮指差し注文程度に終わってしまいます。そこで中国屋台・大衆食堂での注文法はいつかまたということにして、マレーとインド系の店対象の題して「よくわかる実践マレー料理注文の仕方」の開講です。

開講にあたって

講師紹介:「Teh Tarikを飲みながらチャットしよう」のマスター。店の売り上げが悪くて今年レストランで食事したことが1回しかなく、いつも屋台・大衆食堂ばかり。

生徒紹介: 店のウエートレスMさん、珊瑚礁の海の魚の名前はよく知っているが、店の品物名を今だによく覚えていない。 常連客のPさん, この間までマレーシアに住んでいたがマレーシア語がわからない、味にはうるさい。 常連客のHさん、マレーシアに一度も行ったことがない、ヤング専業主婦らしく一応料理はできるようだ。

受講料: 無料です。但しこの講義を読まれた方は1週間以内に「Teh Tarikを飲みながらチャットしよう」店で実地練習をしてください。

1時間目

生徒H:何を注文したらいいでしょうか、たくさんあってわかりません。Nasi Goreng, Nasi Goreng Ayam, Mi Goreng, Mi Rebus, Mi Sup, Bee Hun Goreng, Kueh Teow Goreng, Maggi Goreng, Maggi Sup, Roja どれがいいかな。
生徒P: それじゃ Nasi Goreng Ayam にしよう、”Nasi Goreng Ayam、 Satu”
生徒M: あれ、ビールないのかな?

講師:普通、店なら壁に、屋台なら屋根から釣り下げられた板、プラスチックに、メニューが値段とともに大書してあります。これは条例で決められていますよ。テーブル上にメニューが飾ってあるのはレストランになりますし、またいわゆる広げてみるメニューはもちろんありません。そこで上記に書き出した料理名の見方を説明しましょう。

大衆食堂・屋台のマレーシア語で書かれたメニューは比較的簡単ですから、マレーシア語の仕組みをちょっとばかり知った上で、主な食物の単語を覚えれば注文は難しくありません。 マレーシア語では名詞の修飾語が後ろに来ます。その修飾語は名詞でも形容詞でもいいのです。動詞が後ろから修飾するのは普通は許されませんがこの場合はいいようです。

{覚える形式} 名詞 A + 名詞 B 又は形容詞という形です。Orang Putih つまり 人+ 白い = 白人、Kereta Jepun つまり 車+日本=日本車。こういう修飾語後置の言語は世界にたくさんあります、例フランス語、タイ語など。

生徒M: 先生、Nasiはご飯のことですか、そうするとご飯は Nasiでも”なし”ではありませんね。

講師:そう、Nasi は飯、ご飯です。Mさん、へたな駄洒落はやめなさい。 Gorengというのは炒めるということ、ですから Nasi Goreng 飯 炒める つまり炒めたご飯ということですから「チャーハン」ですね。もっともマレー風チャーハンですよ。Nasi Goreng Ayam はチャーハンに Ayam つまり「焼いた鶏肉が載せてあるチャーハン」です。

生徒P: それぐらいは私でも知っています。だから先ほど注文しました。

講師: Mi Sup、MiはMeeと綴る場合も多く麺の意です、ならスープのある Mi つまり「スープ麺」。スープのないほうが Mi Goreng 炒めた麺「マレー風焼きそば」ですね。それじゃ Mee Rebus なら 麺と茹でるですから「カレーソース味の茹で麺」です。Bee Hun Goreng は「ビーフン麺を炒めたもの」 です。

生徒H: 先生、私面食いなので麺類が好きなんです、ケースの中にインスタントラーメンが置いてあるのですけどどうしてですか?

講師: よく気がつきましたね。面白いのはインスタントヌードルもメニューに入っていることです。即席麺の代名詞である Maggiを使って、Maggi Goreng 「インスタント麺の焼きそば」、Maggi Sup なら普通の「スープタイプのインスタントヌードル」です。そのスープ麺に卵を入れて欲しければ ”Mau Telur 卵入れて” と言えばいいのです。

生徒P: 麺類以外を知りたいのですけど。

講師: Sayur Gorengはわかりますか? Sayurは野菜ですから、そう「野菜炒め」です。Sup Ayam は「鶏肉のスープ」ですね、Kambingは山羊ですから Sup Kambingはもうおわかりですね。Pさん、発音してご覧なさい。

生徒P: スープカンベン、うまく発音できません、勘弁してほしいな(本人駄洒落のつもり)。

講師:違うな、スップカンビンです。

{覚える発音} 語尾のNGは鼻音ですから Nになってはいけません。日本語で元気の ’げん’という時の発音。

生徒M: 私、ロティが好きなんです。説明して下さい。

講師: マレーシアの朝食とスナックの代表であるRotiがメニューにありましたら、次のことを覚えておいて注文して下さい。
ロティRoti の本来の意味はパンですが Roti Canaiと言う時はパンという意味から離れて、小麦粉を練って薄く延ばし、お好み焼きのように鉄板で焼いたもの総称ですが、口で説明するのは難しいので勘弁して下さい。実物を食べればすぐそのおいしさに納得しますよ。

Canai はチャナイと発音、マレーシア語の”C”はch の発音です。Canaiとは小麦粉を延ばすという意味です。Roti Canaiを焼いている店なら必ずある種類がRoti Kosongです、 Kosongとはからとか何もないという意ですから 「何も入ってないRoti」ということです。要するに具の入ってない Rotiですね。何も入ってなくても大丈夫、食べる時には必ずカレーが小皿で供されます。

Roti Telur は卵Telur(トゥルールと発音)をベースに混ぜて焼きます、「卵入りRoti」です。Roti Planta はRotiにマーガリンPlantaを混ぜて焼き上げたもの、この3つはどんなRoti Canaiコーナーにもあります。その他 よくあるRotiに、Roti Sardin、いわしSardin入りです。Roti Pisang はバナナPisang入りです。

2時間目

生徒P: Pisangといえば私 Goreng Pisangが好きですよ。

講師: Pisangというマレー軽食・おやつで一番手軽な Pisang Goreng がありますね。ちょっと青いバナナ材料にした 「揚げたバナナ」ですが、地元でも間違って Goreng Pisangと言ってる人がいます。Pisang Gorengは揚げたてのちょっと熱いくらいが一番おいしいのです。それではちょっと休憩にしてPisang Gorengを食べましょう。

{覚える発音}Eの発音は”エ” というのと”ウとエの中間のあいまい母音”の2種類あります。クアラルンプールの有名地 Bangsa はバングサでなくバンサと発音しますよ。

生徒M: ライスにおかずを載せるタイプの料理はなんというんですか?おかずが選べてこちらの方がいいや。

講師: マレー大衆食堂でもインド大衆食堂でも一番多いタイプが Nasi Campur タイプです。Campurは混ぜるの意です。白いご飯 Nasi Putihを皿にもり、その上に自分の好きなおかずをめいめいに載せていくスタイルなので、載せるおかずの名前がわからなくても困りませんね。客でなく店の人がよそる所もありませが、そういう時は欲しい料理を”これ Ini” いって指差せばいいのです。(Ini はイニと発音します)

生徒H: ライスがちょっと多いんですけど。私ちょっと太り気味で・・・・・

講師: ご飯が足らないと思ったらTambah Nasi (タンバナシと発音)「飯を増やして」と言って下さい、反対にご飯が多すぎたら、Kurang Nasi 「ご飯を減らして」、と言えばいいのです。

生徒P: それぞれの盛りケースのおかず、カレー汁にまみれて何かはっきり見えないんですけど?

講師: 慣れればわかります。でもケースの品がよくわからない時に尋ねる言葉ぐらいは覚えておきましょう。
Daging Lembu 牛肉、 Ikan 魚、 さかなはイカンと覚えましょう。

生徒全員:さすが先生、駄洒落がお上手ですね。

講師: そう、Ikanは焼いたものなら 見ればわかりますが、煮魚だとなんだかよく判断できないこともあります。Udang 海老 これは見ればわかりますけどね。その他 Sotong イカ、Daging Rendang 牛肉をココナツミルクで煮たものなど。それから豚肉はまちがってもありませんので、覚える必要なし。

生徒H: 先生、私甘ちゃんなので辛いものだめなんです。

講師: そういう人はおかずなどを指差しながら、”Ini Pedas-kah これ辛いですか?”と尋ねればいいのですよ。

覚える形式: 疑問形 何何ですか?は語尾を少し上げる、例えば、Pedas? 辛い?と言えば通じる。名詞にKah をつける方が多少はよい。例、魚ですか? Ini Ikan-kah?。これなんですか Ini Apa?という質問は簡単ですけど、答えを聞き取れませんから言ってもむだでしょう。

3時間目

生徒M: 飲物はどうやってオーダーするのですか?

講師: 心配することはありません、食べ始める前に店の者が何を飲むか 必ず聞きます、” Minum Apa?” 「飲物 何?」 ということです。答え方は簡単、欲しい飲物名を言うだけですよ。

Coke、Fanta、本物の果物ジュースが飲みたければ Minuman Buah-Buahan(ミヌマンブアブアハンと発音)言って、ケースに飾ってある果物を指差せばいいでしょう。もちろん果物名を覚えればその方がいいですけど。冷たいものなら Soya bean又はSusu Kacang Soya 豆乳、Sirap Limau ライムジュース、Jus Oren オレンジジュース、などなどいろいろあります。

生徒H: 私 Teh Tarik飲んだことないからそれにしようかな、それともお茶にしようかな。

講師: 一般的なコーヒー、紅茶なら、Kopi Ais (コピアイスと発音)アイスコーヒー、Teh Panas (テーパナス)紅茶 熱い つまり 熱い紅茶、Teh Tarik などと注文します。いずれも砂糖を入れるのでなくコンデンスミルクをあらかじめ加えてあります。当然ですが、Chinese Teaは置いてありませんよ。

生徒P: 私も体重がちょっと気になって、あんまり甘いのはいやなんです。

講師: マレーシア人は異常に甘いのが好きなので、Kurang Manis (クランマニス)という言葉を覚えておきましょう、「甘くしないで」という意味です。付け加えておきますけど、Manis は甘いですが、マスターは女性に甘いと言う時には使えませんよ。それから一番安い のがAis Kosong 何もないアイスつまり氷水です。Air suam は温かいお湯をグラスに欲しい時に使います。

生徒M: 私はビールがいいな、アンカービール1本ください。

講師: ビールがマレー系の店に置いてあるわけありません。インド系の店なら置いている所もありますけど。Mさんはのん兵衛だからな。ビール注文する場合は銘柄名を言います、例えばタイガーとかアンカーとかです。

瓶タイプのコーラなら Coke Botol、缶タイプのスプライトなら Tin Sprite、もしそれといっしょに供されるグラスに氷が要らなければ、Tampa Ais (タンパアイスと発音)「氷ナシで」といいます。

生徒H: 私デザートも食べてみたいのですけど。

講師: デザートはAis Kacang アズキ氷、Kacang は豆ですがこの場合はアズキを意味します。ABC 混ぜかき氷など4,5種類あります、あとは各自好きなデザートを注文して、少しずつ覚えていって下さい。ここで休憩。マスターはAis Kachangが好きだな。なんてたって性格が”まめ”だから。

4時間目

生徒PとH: ああ、おいしかった。いくらかな。

講師:さて食べ終わったら支払いですね。「お会計」は Kira(キラと発音)と言うか又は、飲食した品数がぐっと少なければBerapa (ブラパと発音)「いくらですか」と聞きます。ただし店の人がいう数字を聞き分けなければなりませんから、会計の過程はすこし難しいですが、がんばってマレーシア語の数を覚えて下さい。

{覚える数}数え方を知らなければ何も始まりません、最低限1から10までは暗記して下さい。3日あれば絶対に覚えられます。
1 satu, 2 dua. 3 tiga, 4 empat(ウンパット あいまいのE), 5 lima, 6 enam(ウナム あいまいのE), 7 tujuh, 8 lapan, 9 sembilan(スムビラン あいまいのE), 10 sepuluh (スプル あいまいのE)

生徒M: わー、覚えられるかな。最近物覚えが悪くなっちゃって。仕事の合間に書いて覚えましょう。

講師: これぐらい単語が言えれば何とか注文できるでしょう、それじゃ生徒も読者の皆さんも、少しずつ覚えて来週からマレー系又はインド系の屋台か大衆食堂で実践して下さいね。どんな外国の言語でも、聞き取りは自分で話すより時間はかかりますけど、あきらめないでね。それでは講義終わり。

生徒全員: 先生、ありがとうございました。これ私たちの心尽くしです。(といって謝礼を先生に渡す)
閉講




料理法知らずのマレーシア料理案内と勧め


各民族がバラエティーを生み出した

マレーシアを旅行する、に滞在する楽しみの一つにその料理の豊富さがあります。マレーシアを構成する民族が複数である事がその最大の理由ですが、マレー人、中国人、インド人など各民族が持つ伝統的料理に付け加えて、自民族料理に別の民族の料理法や材料を使って新しい料理を生み出し又はその民族料理に変化を付けているからです。

例えばラクサ料理は本来マレー料理ですが、華人がそれをとりいれて別種のラクサを生み出しました。ペナンのラクサでおなじみのアッサムラクサです。辛い魚スープにゆでた麺類を加えるアッサムラクサ、亜三(参)ラクサなどと書かれている、はクアラルンプールでももちろんありますが、やはりペナンの方がそれを提供する屋台・大衆食堂が多いのです。

ロティチャナイ、インド料理起源でそれを供する数からいえばインド料理店が一番多いのですが、東海岸だけでなくクアラルンプールでもマレー店がロティチャナイをそのメニューに加えているのは極めて普通に見られます。ロティチャナイはもうインド料理というよりマレーシア料理でもある、と言ってもいいくらい民族の垣根を越えて食される料理です。ただ華人のロティチャナイ店だけにはお目にかかったことはありませんね。

トムヤムスープ、言わずとしれたタイ料理ですが、これをメニューに加えているマレー屋台・大衆食堂は誠に多いです。この傾向、北部と東部へ行けば行くほど多くなるような気がします。ただサバ州サラワク州でトムヤムスープにあまりお目にかかった記憶がないのですが、これはサバサラワク州がやはり地理的に半島部つまりタイから離れているからでしょう。

マレー屋台のトムヤムスープとタイの屋台・食堂のそれとには、はっきりと言えないが何か違いを感じます。料理法にまったく素人の筆者ですから、どの材料が違うのか何の香料が欠けているのかわからないのが残念ですが、タイのトムヤムのチリ辛さとは違うのですね。トムヤムスープは華人もその数は多くはありませんが、その屋台メニューに加えています。東炎湯/麺と書かれています。

注記:大衆食堂とここで言っているのは、マレーシアで一般にいうコーヒーショップの事です。コーヒーとついてもコーヒーを主にサービスしているのでなく、大衆料理をメインにして、それに飲物も供するのです。英名ではどの店もRestaurantと店名に加えてます。例えばIntraasia Restaurantのように。又マレーシア語でもKudai Makanan Intraasia、でも実態は上記のコーヒーショップのことで、普通は冷房設備がありません。中国語では茶餐室、茶室、飯店などと書かれてますが、これらはすべてコーヒーショップまたはコーヒーハウスのことです。
名は実態を示さずというか実態と少しずれているのですが、そんなことに文句を付ける事自体おかしいですね

英語名は実態とずれる

Nasi Ayamこれは本来は中国料理の鶏飯をマレー風にアレンジしたものです。Nasi Ayamを英訳するとChicken Riceです。また鶏飯を英訳してもChicken Raisです。でもこの2つのチキンライスは味付けも鶏の焼き具合も相当違います。ですからマレーシアの呼び名である Nasi Ayam(ナシアヤム)と鶏飯(広東語でガイファンと呼ぶ)を使いましょう。尚鶏飯は海南人出身者が始めた海南鶏飯と白鶏を使ったイポー鶏飯が有名。

注記:チキンライスというと日本のチキンライスを思い浮かべる方があるでしょうが、まったく違います。料理名を単に別の言語に置き換えると本当の姿が消えてしまう例ですね。

同じ英語名でも中身と材料の違うのにMixed Riceがあります。同じMixed Riceでも、華人の日常飯である経済飯とマレー人のNasi Campurは、手法と形態は同じですが、味とおかず内容が相当違います。材料に宗教上の制約のない華人の経済飯のほうが断然種類は豊富ですし、幾分安い。どちらのMixed Riceも白ご飯に好きなおかずを自分で選びご飯の上に載せる方式です。持ち帰りでも同じ、発泡スチロールにご飯をいれおかずを載せますから。だからミックスという呼び名が生れたのでしょうが、経済飯の方が金銭感覚にさとい華人らしく直接的な表現ですね。マレー食のNasi Campurは混ぜご飯という意味です。でもご飯と混ぜるわけではないですよ。

他民族の味を取り入れる楽しさ

さてこのように他の民族料理法を取りいれて自民族料理に幅を広げる、又はそのメニューにしてしまうのは、世界いろんな国、地域でもあることですから、マレーシアだけの特例ではありません。日本はそれが得意ですよね。ラーメンでもハンバーガーでもスパゲティーでも日本人好みの味にしてしまいますから。

でこのミックス民族料理の代表がマレーシアではニョニャ料理と言われるものです。大衆料理というよりレストラン料理です。ペナンとマラッカがその代表地です。

一口知識:ニョニャ料理のいわれ

18世紀末にペナンがイギリスの植民地になり、それまで住民のごく少なかったペナン島は次第に人口が増えていきました。ペナンは茶、スパイス、陶磁器などの貿易の中継地として栄え、やがてその品目に錫とゴムが加わりました。そのため東西交易の交差点となり貿易者だけでなく様々な人たちをヨーロッパ、インド、中国、マレー半島から引き付けたのです。そこが現在のジョージタウンです。
1832年にペナンはマラッカとシンガポールとともに海峡植民地The Straits Settlementを構成しました。

こうした中で中国からペナンやマラッカに渡ってきた中国人はマレー人との通婚を通して次第にマレー食文化と習慣などをその伝統的中国文化に取り入れていきました。こういう海峡植民地生まれの中国人をStraits-born Chinese といい、一般にBabaババ(男性)Nyonyaニョニャ(女性)と呼ぶのです。

ニョニャ料理はこのニョニャが生み出し育てた料理で、一般に辛く時には酸味より甘味が強いのです。食材料の主体は中国料理からのものを使いますが、マレー料理から香料や一部材料と料理法を取り入れたものです。ですからスパイス使用が比較的多く、材料では例ライムの葉、レモングラスなどを使用します。またニョニャ料理には、もち米、ココナツをベースに使用した甘く色とりどりのケーキKuihがつきもの。

ニョニャ料理はカレー味のものが多いのですが、マレー料理とインド料理の強烈なカレー辛味と少し違ってマイルドな辛さですよ。機会がありましたらペナンやマラッカ、クアラルンプールのニョニャ料理専門レストランで是非試してみてください。

屋台といえばまずペナンです

屋台・大衆食堂料理ばマレーシア全土どこでも一般的でそれを探す手間は全く要りませんが、やはりペナンを真っ先に上げなければならないでしょう。

ペナンはペナンの観光新聞に言わせれば”マレーシアの食べ物首都”だそうですが、確かに屋台・大衆食堂の多さと種類の豊富さは他地域を少しうわ回るといってもいいでしょう。それは屋台・大衆食堂で一番種類が多い華人人口の占める割合がマレーシアのどの州よりも高い事、海が近く海の幸が入手しやすいこと、相当に都会化している、などがその理由と考えられます。田舎というのは料理の種類と店の数はずっと少ないから、屋台が流行るのはやはり都会でなければなりません。

ホーカーセンターが増えている

ペナンにもクアラルンプールとその周辺にもホーカーセンターを呼ばれる屋台を1個所に集めた吹き抜け式の屋根付き場所があります。この場合は朝も昼も夜もどこかの店が営業しているものです。それともう一つが伝統的なタイプである、通りの一部分に屋台が並ぶ形式です。このタイプは当然ながら夕方からが一般的です。

楽しさから言えば道路に広がった屋台街の方がいいかもしれませんが、その後始末がたいへんというより屋台商売人が後始末に力をいれないのは全国共通ですから、現在では都会では少しずつホーカーセンター方式が増えています。

安宿とカフェを出て屋台街を歩こう

ペナンで屋台街といえばガーニードライブが有名で観光ガイドにも載ってますね。確かに夜の海岸に面したあの賑わいには感心します、クアラルンプールの屋台街にない気分を味わえます。ただペナンの屋台街はガーニードライブだけでないのはいうまでもありません。アイールイタム、マカリスター道路、などなどいくらでもあるでしょう。

バックパッカーの多いチュリア通りには屋台街とまで呼べるものはありませんが、そこからほど近いキンバリー通りにはあります。しかし哀しきバックパーカー、特に白人は、はチュリア通りの外人相手のカフェでピザやスパゲティーを食べビールを飲んでます。ペナンまで来て世界中どこにでもあるピザを食べている彼らには永久にマレーシア人の食文化が理解できないでしょう、というより彼らはそういうこと理解することに興味ははなからなくて、ただエキゾチックで安く旅ができる東南アジアを楽しんでいるだけですから。

日本人バックパッカーの皆さん、こういう哀しき白人バックパッカーを真似せずにアジア人らしいバックパック旅をしてくださいね。バックパッカー宿街を離れて夜の街へ食事に出かけてご覧なさい。キンバリー通りでもカンポンマラバール通りでも屋台・大衆食堂はいっぱいあるのです。

クアラルンプールのチャイナタウンで言えば、夜になると通りにずらっとテーブルと椅子を並べて白人に占有されたかのようなハンレキール通りの海鮮料理レストランでなく、ペタリン通りの小路には地元人好みの屋台と大衆食堂が目白押しです。例えば同じハンレキール通りの麺類専門店など壁のメニューに英語なぞ一切書かれていませんが、地元の人に大人気です。旅行者に媚びを売らないそういう店の方がおいしく安いのです。もっともそのためにはある程度の知識も必要ですけど。

ランカウイだって屋台街はある

さて話がずれましたが、屋台料理はランカウイでもクアの町の海岸端で味わえます。ランカウイはほとんどの方がリゾートのに泊られるから、屋台料理を味わいにわざわざ町まで出てくる事はないでしょう。でもクアの町の安宿に泊っている予算のない旅行者なら、筆者はいつもです、海風の気持ちよい海岸端へいって屋台食を味わいましょう。ただしあそこはほとんどがマレー料理です。

屋台料理の勧め

マレーシア旅行者、特に自由旅行者の方なら是非屋台街や大衆食堂を訪れておいしいマレーシア大衆料理を味わってみませんか。誰でも始めから思うように自分のほしいものが注文できませんし、時には何がでてくるかよくわからない事もあります。それは当たり前、15年以上東南アジアを歩いている筆者でも知らないところでは戸惑うし、マレーシア料理注文に充分に慣れるまでに、言語面を含めて2年はかかりました。

ですから始めから希望通りにはならないのです。大衆料理を味わうには物怖じせず、店で食べている人の料理と同じ物を注文してみるのです。少しずつそうやって覚えていくしかありません。軽い気持ちで料理を味わう、興味心と食い気があれば失敗もまた楽しですよ。



一夜漬けで覚えるマレー料理の注文法


前回のコラム「料理法知らずのマレーシア料理案内と勧め」を書いたところ、マレーシア料理を試してみたいが、どうやって注文したらいいかの問い合わせがありました。また街中で旅行者を見ていて感じるのは、おそらく注文法がわからないから、屋台と大衆食堂は入りずらいだろうなという事です。もちろん筆者でも知らない国地域へいくと同じように戸惑いますから、これは当然ですね
そこで今回は注文法について、ごく初心者向けに手早く覚えるためのこつを書いてみましょう。

最初に言っておかなければならないのは、当たり前ですがその国の言葉がある程度分からない限り、自分の希望通りにはいかないということです。これだけはどんな精細なガイドブックを見ようが、ここで丁寧に説明しようが限界はあるということです。前にも書きましたように、失敗も楽し、それも次回のためだ、という気持ちで望んでください。

マレー料理命名法第一の規則

マレーシア語は、誤解を恐れずに言えば、大体書かれた通りに発音すればいいので、発音面ではそれほど難しいことはないでしょう。ただし聞き取りは当然ながら発音するよりも時間と慣れが必要ですから、一夜漬けで聞き取れるわけがありませんから、細かいことはあきらめてください。

そこで屋台の看板とか店の壁に張られたメニューを見てみると、
Nasi (ナシ)のあとにGoreng(ゴレン) と書かれていればそれは炒めご飯です。NasiはごはんでGorengは炒めるですから、このように名詞には後ろから修飾がかかる規則を覚えてください。これはすべてに共通ですが、マレー屋台の中にはGoreng Sayur炒め野菜のように間違ったマレーシア語を掲示しているところも中にはあります。

覚えておく食べ物ことば、( )内がその便宜的発音です。

Ayam(アヤム) 鶏、、Minya(ミニャ)油、Putih(プティ) 白い、Campur(チャンプー) 混ぜる
この4つを覚えればすぐに応用できます。
Nasi Ayam はマレー料理の代表 焼いた鶏の片を載せた飯です、Nasi Putih白いご飯、Nasi Minya白飯に油を加えた ご飯。Nasi Ayam の店では場所によっては白飯と油飯の両方を準備している店もあります。

応用問題:Nasi Goreng Ayma (ナシゴレンアヤム)はなんでしょう?
答え:Nasi Gorengの上に又は脇にAyam を加えたものです。

Nasi で有名なのはNasi Lemak(ナシルマッ)です。普通は朝食に出ることが多いです。ご飯にピーナッツ、干し小魚、薄く切ったゆで卵、きゅうり、さらに辛いペースト状のサンバルを添えたもので、さらに盛ったタイプよりも、中身をバナナの皮でくるみ、外側を新聞紙でくるんでピラミット型にしたタイプのほうがより安い。写真はいつかそのうちに掲載しましょう。

Mee またはMi (ミー)麺類のこと、”私”の意味ではありませんよ。「MeはMeeにする」 と冗談を言えば通じるかもね。上記の知識を利用すれば Mi Gorengはもうお分かりですね。炒め麺つまりやきそばの親戚です。

Maggi Mi(マギーミー)というインスタント麺がマレーシアでは超有名ですので、屋台・大衆食堂ではこれをメニューにいれて、炒め麺にも使います。その時はMagi Mee Goreng と言う。
麺類にはその他 Bihun /Bee Hoonビーフンと、Kuai Tiew /Kway Teow クワイティオなどが主なもので、いずれもその語の後ろにGoreng とかSup(スップ)がつきます。

Supはスープのこと。ですからMee Supといえば普通のスープ付き麺ですね。Maggi Mee Supはもう言うまでもないですね。Sup Ayam チキンスープ、Sup Dagin(スップダギン)牛肉入りのスープ、Sup Sayur 野菜スープ

Sayur(サユー) は野菜

Sayur Goreng は炒めた野菜つまり野菜炒め。ですからSayur Gorengを1皿注文し、ご飯には、Nasi Putih 又はNasi Gorengを注文すればいいのです。

これに似た料理にNasi Padprik(パプリック)というのがあります。 肉野菜炒めみたいな料理ですが、チリがたくさん入っているので、チリを少なくしてほしい時は、Kurang Cili (クランチリ) と頼んでください。
Kurang(クラン) は便利な言葉ですから是非覚えておく事。

肉と魚類

Daging 肉のこと、ただし普通は牛肉を指すDaging Lembu(ダギンルンブ)のことを指す場合が多い。Kambing(カンビン) は山羊の肉。Ayam 鶏で、豚肉はマレー料理には当然ありません。

魚はIkan (イカン)で、屋台なら4,5種類並んでますが、魚の名前はとりあえずいいでしょう。よく知られた料理 Ikan BakarはBakar(バカー)が焼くという意味ですから、焼いた魚ですね。これを覚えれば、Sotong Bakar(ソトンバカー)、Udang Bakar(ウダンバカー)など皆同じです。Sotong はイカ、Udang は蝦、Ketam (クタム)はカニ、です。

Campur(チャンプー)という言葉も是非覚えてください。混ぜるということ。ですからおかずをそれぞれよそって食べる式のご飯をNasi Campurといいます。これはほしいおかずを自分でよそうから難しくありませんね。その時このおかずは辛いかどうか知りたければ、”pedas-kah?”(プダスカ?) と聞けばいいのです。
少し丁寧に ”Tolong Tak Pedas”(トロンタップダス)という言葉も必要ですね。「辛くしないで」

とりあえず一夜漬けで覚えるならこれぐらいの分量ですね。マレーシア旅行にはこのページを印刷してお持ちください。一夜漬けでもきっとお役にたつはずです。Sila Makan さあお召し上がりください。




おしらせ:2001年に出版されたあるマレーシアガイド本に書いたマレー料理の注文法は、この「一夜漬けで覚えるマレー料理の注文法」を書籍用に書き換えたものです。

追記
Burger Ramly
全国どこでもある大衆食の1つにマレーシア風バーガーがあります。屋台で売られるこのマレーシア風バーガーを通称 Burger Ramly と呼び、その名の由来を発案者の Ramly Monkin から取ります。彼は1970年代にこの食を開始したとのことで、その後多くの人がこのバーガーを取り入れて売るようになりました。鶏肉か牛肉のひき肉を円盤状にしたものをパンにはさみ、さらに たまねぎ、卵、キャベツを入れ、マーガリンとマヨネーズを加えます。薄いソース、チリソースで味付けます。