Oberheim Matrix-12   相変わらずの写真・・・こんどきれいに取り直すから許してね
◆1985年 Oberheim Matrix-12
わざわざ計った(笑)
横幅・・・・・・977mm
高さ・・・・・・139mm
奥行き・・・・・515mm
重さ・・・・・・15.2kg

◆2VCO-VCA-VCF 12ボイス 6マルチティンバー
※5Envelope・・(Delay-Attack-Dacay-Sustain-Raleaseのエンベロープが5コ)
※5LFO・・・・(基本波形は、三角波、矩形波、上向鋸歯状波、下向鋸歯状波、ランダム、ノイズを選べるLFOが5コ)
※Lag・・・・・(トリガーされてから緩やかに立ち上がるエンベロープ・・と、言っていいか?ポルタメント効果などに使用)
※4Ramp・・・(アタック部だけのエンベロープと思ってください・・が5コ)
※3Track・・・(DXなどに付いていたキートラッキングに近い。1つ辺り5箇所のブレイクポイントが選べる。故にDX7IIのファンクショナル・スケーリングに近いです。が3コ)
Sync、FMモジュレーション、Modulation Matrix装備。
メモリー・・・・シングル100、マルチ100

 Matrix-12は、音源的にはXpanderを2台分詰め込んだものです。外面的にも鍵盤が付いている以外、ほぼ一緒だと思います。唯一CV/GATE端子がついていませんが、オプションにはあったようです。ディスプレイは3つあり、右側のものは選んだ音色とボイスの使用状況を表し、中央上は主に現在ダイヤルに設定されているモジュールを、そして中央下はその数値を表示します。
 VCOは鋸歯状波、パルス波(矩形波)、三角波を持ち、鋸歯状波とパルス波は同時に使用可能です。なにも選択しない場合に三角波になります。VCOの波形をスルーで聞くと、Matrix-12の波形は案外プラスティックっぽい、結構乾いた音がします。しかしこれが下記の内容を通ると、これがまたいい音で歌うのよぉ(笑)。

 Xpanderを含むこの機種で一番特徴的なのがModulation Matrixで、これはパッチ式シンセの機構をコンピュータで行っているものと考えてください。コンピュータ制御なので、もちろんパッチケーブルは使いませんが、先に書いた「5Envelope、5LFO、Lag、4Ramp、3Track・・」や、ベンダーレバー1、2(LEVERと呼ぶ)やペダル、ベロシティー(リリース・ベロシティーも装備!)、アフタータッチ(プレッシャーと呼ぶ)などに、縦横無尽に、1音色につき20コまでつなぎ合わせることが出来ます。

 逆にコレを文章で説明しようとすると非常に難儀で、「※」印の付いたところ、例えばLFOに関して言えば、LFO同士ですらパッチング出来るわけで、そうするとその変調具合でまた新しいLFO波形が作れるわけですし、RampにLFOを繋げばディレイビブラートが出来て・・・(あ、これ以上言うと数学用語が出てくるから控えよう・・)、などあまりにも出来ることが多いのです。
 フィルターに関しても、エンベロープの何番をフィルターにアサインして、それをフィルター側から3回でかけて・・・。う〜ん、自分で言っていても訳ワカラン!要はそうして2極特性や4極特性の(果てはそれ以外ももちろん可!)フィルター特性が作り出せます。だからあえて1VCAとか1VCFと書きませんでした。
 これだけ複雑に出来ると作りも難しく感じるかもしれませんが、3つもディスプレイがあり、モジュレーション先にすぐアサインできるボタンが種類別に全て付いているので、案外迷いません。
 パッチングがケーブル式でない事の利点は、見た目に綺麗なのはもちろんですが、1箇所に複数からパッチングしたり、その逆が出来る点にあります。本物の場合2又(Y字)ケーブルとか使うのかな??なんやかんやとウンチクを述べている僕も、全てのパッチングを試しているわけではありません。っつーか一生かかっても終わらーんっ!と思います(多分Tom先生も全ての組み合わせの可能性は試してないんじゃないかなぁ・・・)。

 現在ではClaviaのNord modulerで同様の事が可能ですが、コレを10年以上前に、しかもVCOでやり遂げていたとは、いやはや・・恐れ入りまする(笑)。

 で。っんじゃあパーフェクトかいな?と言われるとそうでもなくて、一番弱い点を挙げれば、エンベロープの立ち上がりが少し遅いです。だから結構シンセ・ベースなどは貧弱になりがちなのですが、マルチで12音すべて重ねたりすることで異常なほどブッとい音になるので(想像できます?ビョンじゃなくてズゴドゴーンッッッ!って感じです:笑)、なんとかカバーしてます。
 あとFM変調ですが、DXのような「ガツーン」としたものを想像すると、かなり肩すかしを食らいます。基本的にはVCO1とVCO2の2オペになるわけですから。まぁ効果音用の必殺技として装備していると思ってください(笑)。ただ、Modulation Matrixでかなり質感の似たような音も作れます。


◆最後に特筆する事として、Matrix-12のチューニング。
 普通のアナログ・ポリフォニックシンセでオート・チューンは当たり前ですが、Matrix-12にはなんと、パルス幅、VCF、レゾナンス、VCAのチューニングまでやってのけます!これは凄い!普通のアナログシンセ(これはコンプなどのVCAを使ったもの全般に言えますが)は、何年かするとどうしてもVCF、レゾナンス、VCAの効き方が各ボイスまちまちになり、リペアなどで再調整してもらわなくてはなりません。
 それをこいつはそれを自分で調整してしまいます。なんて医者いらずなマシンでしょう!これは便利!しかもこの調整中は、ものすごく小さな音で「ピィ〜、ピィピィー」と歌いながらズレを直しています。
(あぁっ!小人がいるよっ!マト君の中に、シンセの妖精の小人くんがいるよぉぉぉっ!:イッてる)

・・・もし触る機会があったら、是非ヘッドホンをして「TUNE PAGE」ボタンを押し、すかさず「ALL」を選択してみてネ。


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