「これいけてるかも」バック・ナンバー
1999/8月号
Roland MKS-80

-はじめに-
 このマシンを買った経緯は結構単純。二十歳くらいの時、そのころ使っていたRolandの「S-550」サンプラーが、あまりにもノイズが多くてうんざりしていたときに、「S-770」っつー新しい16bitのサンプラーが出るという事で、そのころすごく好きだった新大久保クロサワに見に行ったわけです。ちなみに、その頃のクロサワはアナログシンセの中古が充実していて面白かった(笑)。で、いざ見てみたら70万もするって話で「コリャー手が出んわ!」と思いまして、「んじゃ他なんか違うモン買おうかなぁー」っと物色してたら、まず目にとまったのがProphetのT-8(なんでアナログ・・)。「うーんこりゃ格好いいけど、こんなデカいの買って帰ったらぶっ殺されるわな・・・」と思ってしばらく眺めていたら、店員さんがつつつっと寄ってきて、「スーパー・ジュピターの逆輸入のデットストックがあるよ」と・・・。

“スーパー!”・・・・・・(注)少年時代はスーパーカー・ブーム
“ジュピター!”・・・・・(注)う〜ん、日本を代表するシンセの代名詞
“逆輸入!”・・・・・・・(注)バイク界のスーパーカー“V-MAX”を思わせる
“デットストック!”・・・(注)ロコツに言やぁ〜生娘ですわ(爆)。秘宝発掘感覚!

っんもーすべての語句がなんて芳醇ですばらしい響きなんでしょう(←やっぱバカ)。で、20万で速攻購入。サンプラーを買いに行ってアナログ・シンセを買う・・・。すっげー脈略のない買い方っ!(笑)。

 やっぱりね、新品っていいよ(笑)。思わず箱開けてビニール破いて臭い嗅いだモンね。一人で「うわぁ〜逆輸入のにほいーっ!(意味不明)」とかいって騒いでた。近所の人が見ていたら絶対「あの子トルエンやってるわ」って光景だったと思います(爆)。

このMKS-80は、Roland誇るアナログ・シンセサイザー“Jupiter”シリーズの末弟で、その“Jupiter”シリーズは、古い順に、
Jupiter-4・・・・4音ポリフォニックを実現した一番最初の“Jupiter”
Jupiter-8・・・・フロント・パネルが美しい、完全プロ仕様の8音ポリフォニック・アナログシンセの名器
Jupiter-6・・・・MIDIに対応、その他機能性を向上させながらもコストダウンした、6音ポリフォニックの“Jupiter”
MKS-80・・・・Jupiter-6を8音ポリにし(ちょっと出音は違う)、2Uラックサイズにしたその名も“Super Jupiter”。
・・・・という4兄弟になります。

 全体の音の感じを言うと、まさにRolandカラーの音。言葉尻にひねりもなにもなく、誰しも使う言葉で大変恐縮ではありますが、決して太すぎず細すぎず、比較的明るめでコロンとしたポップな音。キャラクターがアナログでもデジタルになっても変わらないというのは、僕にとってはとても不思議なのだが、よくよく考えれば、どのメーカーもアナログからデジタルに変わって音の性格が変わったところは無いんだよね(逆に最近になって、メーカーの色が徐々に変化しているが・・・)。
 MKS-80から見て、ほかのJupiterの音を比べると、Jupiter-8は凄く野生味あふれる、良い意味で野暮ったい音を出し、Jupiter-6はそれを風呂に入れた感じ(笑)。MKS-80はさらにエステに行った感じとでも言いましょうか(笑)。スミマセン、Jupiter-4は使ったことはあるけどあまり印象が記憶に残っていません。でも良いマシンとは思います。

 見た目はD-550以前の、往年のRolandラックモノらしい、無骨で“仕事出来ます”って感じのがっしりした面構え。しかし作業上必要なボタンはしっかり配置されていて、とくにベロシティーセンスにどれくらい反応させるかを、ボリューム横のスライダーで調整できるのは、よく考えられたレイアウトだと思います。逆に本体部が素っ気ない分、コントローラーのMPGが派手に見える(笑)。やはり階層なく全てのパラメータが一望でき、調整可能なマシンはすこぶる使いやすい。

-MKS-80の音色構成-
 音色構成は、“TONE”と“PATCH”があり、“TONE”で一般的な1音色の音づくりを行って(後述)、それらを最高2ヶ組み合わせて、キーモードやオクターブ・シフト、アサイン・モード、グライドやポルタメントやベンダー、アフタータッチ(モジュレーションホイールと同使用)の設定などをしてより音色として完成された“PATCH”を制作します。


◆代表的な“PATCH”パラメータ内容

○キー・モード
「WHOL」・・・・・・・・“PATCH”1音色で構成されたモード
「SPLIT1」・・・・・・・“PATCH”2音色で鍵盤をユーザー任意の場所で上下に割り振ったモード
「SPLIT2」・・・・・・・「SPLIT1」と同様だが、MIDIチャンネルを別チャンネルに割り振ったモード
「DUAL」・・・・・・・・“PATCH”2音色を重ねたモード
・・・・の4種類のモードがあります。カンの良い方ならお気づきと思いますが、MKS-80は4ボイスの完全独立2系統のシンセとしても作動するわけです。

これらの設定を行った後、さらに下記のアサイン・モードで発音方法を設定します。
○アサイン・モード
「SOLO」・・・・・・・・いわゆるユニゾンでないモノ・シンセサイザーモード
「UNISON1」・・・・・・・16VCOをフルに使用したユニゾン。
「UNISON2」・・・・・・・押さえる鍵盤数に応じてユニゾン数が割り振られるモード。例えば、鍵盤を1つ押さえれば16VCO使用し、2つなら8VCOづつ、4つ押さえれば4VCO使用となる。
「POLY-1」・・・・・・・・一般的なポリフォニック・モード
「POLY-2」・・・・・・・・グライドを併用したときなどにポルタメント感がうまく出るようにしたポリフォニック・モード
・・・・の5種類のモードがあります。補足説明いたしますと、「POLY-2」は一回鍵盤を押して、離して、再び押した場合、最初に打鍵したときに使ったVCO分をまた使用することによって、グライドをうまく繋げています。逆にサスティンのある音色の場合は、前の余韻が切れて再び音色が繰り返されることになるので、その場合は「POLY-1」を使用するわけです。「UNISON2」は、いわゆる1キーとコードを押さえた状態で音のパワー感が同じようになるという、ソロでも和音でもこなせる、とても良くできていて、それでいて他のシンセではなかなか見ない優れた機能だと思います。

○ベンダー
ベンダー幅の設定は「OFF」「NORMAL」「WIDE」の3種類があり、それらをVCO1、VCO2を独立してコントロールできます。これにより例えば「WIDE」を使用して強力ベンディングなども出来ますが、シンク系の音などでは基準VCO側を「NORMAL」、シンクさせる側のVCOを「WIDE」にする事により、ヤン・ハマーばりの強烈な音色変化を伴ったベンドも可能になるのがミソです(もちろん片方を「OFF」にすれば、ベンダー・レバーで倍音だけコントロールする・・・なんて事もできます)。

さて、ココから先は、音色の要となる“TONE”について。
細かい内容はじっくり書いておきますが、まず、予備知識として、MKS-80は8音ポリフォニックのアナログ・シンセサイザーです。1ボイスあたりの構成は、2VCO→VCF→VCAで、2つのエンベロープと、内部各種モジュレーション用とベンダー&アフタータッチ用の、2つのLFOとを装備しています。一見、極々基本的な構成ですが、 シンセというモノは、それらが絶妙なバランスでマッチし、機能する事により「良いマシン」と呼ばれるようになるので、この構成だけで、物事を語ってはいけませんね(笑)。MKS-80は最後期のVCO搭載シンセであり、そして日本の楽器らしい細かな配慮が成されています。各部分ごとで細かく解説したいと思います



“TONE”について-VCO-
ここからが本当の意味での音づくりについての核となる部分の解説です。まずオシレータ!

 波形は各々から1波形ずつ呼び出して使用し、レンジは半音階ずつ可変します。まず、VCO1は三角波(サイン波?まぁ、こだわるほどの用途的な違いはないと思いますが・・)、ノコギリ波、パルス波、矩形波を持ち、レンジは32フィートから2フィートまでカバー。
 VCO2は三角波、ノコギリ波、パルス波、ノイズを持ち、レンジは32フィートから2フィートと、その上下であるHI、LOWを装備しています。
 VCO2にHI、LOWぼレンジがあるのは、もちろんVCOをシンクさせるときに使用するためでもありますが、このシンクはVCO1からVCO2へ、またその逆のVCO2からVCO1へも可能です。この機能はJupiter-8にはなく、Jupiter-6とそれ続くMKS-80からの機能になります。基本的にはVCO1からVCO2へシンクしてくれれば問題ないのですが、“音づくりの自由度と可能性”を考えれば、これはすばらしく細かな配慮と言えます。
 MKS-80のこれら32フィートや2フィートのレンジは、さすがアナログシンセだけに、腰のしっかりと据わったとても美しく音楽的な音を出力します。このしっかりとしたLowは、現在主流のPCMシンセでは唯一「ムリ」と言い切ってよいのではないでしょうか。PCMシンセの中で、「ドッシリとコシのあるベース」を出そうとして「アリ」と思ったのは、今のところ01/Wだけでした。ただしこれも「ウェーブ・シェイピング」を使ってこそ「アリ」と言える訳なので、純粋に変調ナシで「これエエなぁ〜」と思ったベースはないです。それくらいアナログシンセの「ベース音」というのは、とても音楽的であり自然であり、一つの楽器音として確立した存在であると思っています。

 現波形自体の音は、完全にこのシンセのキャラクターを表しており、ノコギリ波も矩形波もパルス波も、ストレートで伸びがあり総じて明るく、「汚いものは見ずに、健全に育って参りましたっ!」・・という感じ?の曇りのない“おぼっちゃま”ぶりを発揮していますが、たいていの金持ちの家の子供が、陰ではすごくダーティーな行動をしているように、このMKS-80もフィルターやシンクといった悪友により「なんでこの小綺麗なVCOからこんな荒々しい音がっっ!」と言わんばかりのキツい音も鳴らしてくれるのです。

 ピッチ自体はすこぶる安定しています。安定していると言っても、デジタルシンセのような安定感ではないですよ。ウチの爺さん達(Pro-5やMini MoogやOB-8)に比べたら、格段によいということです。どーもこの爺さんども(特にPro-5)は、外国人の為なのか、117ボルトのメシを食わせてもちょっとした電圧の変化で、とたんにトランスポーズするようなピッチの荒れ方をするので、ライブなどではかなりヒヤヒヤしますが、日本製のシンセはどれをとっても、あまりそういうピッチの不安定さはないですね。MKS-80はこのような点から見ても、かなり信頼して使ってよい機種だと思います。だからライブで使用している人も多いのでしょう。




“TONE”について-VCF-
 MKS-80のフィルターは-24dBのローパス・フィルターと、ハイパス・フィルター(特性はシラン・・)を1基づつ装備しています。ローパス・フィルターはエンベロープ、LFOなどでモジュレーション可能ですが、ハイパス・フィルターは他の部分でモジュレーションする事は出来ません。フィルターの掛かり方は、これまたすこぶる優等生で、この切れ具合がフィルター的に良いからなのか、それともオシレータとのマッチングがすこぶる良いからかは(外部入力が無いだけに)定かではありませんが、なんとも綺麗というか正確といか・・・変な癖もあまりなくとても使いやすいです。
 案外、気づかない点ではありますが、このMKS-80が単なるJupiter-6のラック版でない顕著な特徴がここにもあります。
 Jupiter-8はローパスとハイパスを装備し、ローパスには-24dBと-12dBの“特性切り替えスイッチ”がありました。対してJupiter-6では、スライダーは1つになったものの、ローパスにするかハイパスにするかなどの“特性切り替えボタン”になっていたわけです。最終的にMKS-80では、“いいトコ取りして廉価版”となり、特性切り替えスイッチ”こそ付かなかったものの、ハイパス、ローパスのスライダーを装備しているわけです。
 正直言えば、-12dBの特性まで欲しい部分ではありますが、先ほども書いたとおり、フィルター自体あまりコレといったエグい癖が無いので、実際使用上は「あ〜-12dBモードがあれば・・・」などと感じたことは微塵もありません(いや、マジだって!)。
 大体からして、-12dBのモードって結構中途半端だなぁ・・・と、佐々木思ってました。「おぉ!これが-12dBの妙かっ!」と思ったのはOB-8が来てからで、それまでは「なんか隠り気味になるだけで使い道のわからん仕様だなぁ〜」と、思っていたわけです。
 皆さんは-24dBの特性があれば-12dBの特性って必要ないのでは???っと思ったことありませんか?佐々木はOBが来るまでずっと思っていました(笑)。 初期のデジタルフィルター装備のデジタルシンセでは-12dBの特性といえども、やはり“こもる”方向で終始してしまっているものが多く、その意味すら理解できないでいたワケです。
 ではOB-8などの-12dBモードはどう違うか?というと、「音として耳障りになりそうな部分はうまく絞めて(シェイプして)、でもレゾナンスなどを併用したときにギラっとした美味しい部分を残す・・・」といった所でしょうか。これは特にモジュレーション・シンク等の“倍音バリバリ出します系”の音色には特に有効で、フィルターをかけなければうるさくなり、-24dBでフィルターをかけると美味しい倍音まで削ってしまう・・・・といった所をうまくフォローしてくれるのです。OB-8がウチに来てこの事実を知ったときは「なぁるほどねぇ〜」と、しばし一人で感心してしまいました(笑)。

 っんじゃ、モジュレーション・シンクがしっかり装備されていて、-24dBのフィルター・モードしかないMKS-80はどうなんだ!・・・と言われると、コレが不思議っ!なぜかうまくコントロール出来てしまうんですねぇ〜。なんでだろーねー、これじゃ上記したことがすべてウサン臭い戯言になっちまうねー(笑)。でも、これホント!なぜかバランスよくまとまるんですよ。佐々木その辺は全然ワカンないけど、きっとフィルターのカーブ特性みたいなものが良くできているんだろうね。
 もしかしたら「やべっ!すっげーうまくまとまっちった!っんじゃ-12dBモードいらねーよ!」ってなったのか(そんな安易なわきゃねーな)!きっとコストを削るためにうまく-24dBモードだけでバランスが取れるよう苦心した結果なんだと思います(思いたい)。

 ハイパスに関しては、通常の定番シンセ音ではあまり活躍しませんが、たとえばシンセでドラム系パーカッションなどを作る際は、絶対的に必需品になります。スネアやハイハットを作っていてLowがあまりにもふくよかってのもね(笑)。そんなときパッと低域を落とせるのは重宝この上なく、また、いくつものシンセ音が重なるような楽曲の場合、ローパスしか持たないシンセばかり使うと、必然的に中低域に音がダンゴになりやすいわけで、そんなときスパっとパイパスをかけられれば、そこで楽曲自体が重くなりすぎず美味くまとまるワケです(ま、EQでも良いっちゃー良いんだけど・・・)。




-その他-
 さて、シンセにとって第三の命といえる「エンベロープ」。名器のと呼ばれるものは往々にして、良いエンベロープを持っていますが(中にはMatrix12やP.P.Gのような例外もあるけどネ;笑)、MKS-80のエンベロープ・ジェネレータもすこぶる優秀です。
 構造はごく基本的なA.D.S.Rタイプ。アタック感は我が家のアナログズ(笑)の中で、MiniMoog、Pro-5に次いで鋭く速いです。このアタック感の“速さ”とは、一概にアタックだけ速ければそう感じるものでもなく、たとえばディケイの締まり具合とか、ものすごく感覚的な部分を含んでしまうものだと思うのですが、ラックという形態上、MIDI信号で外部機器からコントロールが故、絶対的にラグタイムが存在するにも関わらず、やはりこのアタックは速いほうだと感じます。
 最近の楽器はソフトウエア・シンセであったり、DSPシンセであったりして、「う〜ん、アタックがねぇ・・・いまいち“グッ”とこないんだよなぁ」などと思う事が多いのですが、このMKS-80やPro-5やMiniMoogに手を伸ばすと「そうそう!これこれ!」と演奏する楽しさに立ち返らせてくれます。今の時代、そんな細かい部分に感心しながら楽器をいじる人も少なくなっているとは思いますが、特にライブ派の人にとってこの「弾いた感じが直結しているようなレスポンスの良さのある電子楽器」は大事にしていただきたいものだと思います。
 さて、アタックの速さばかり強調しましたが、スローアタックにしても結構優秀です。一部のシンセではスローアタックにすると、とたんに音の出が遅くなるような機種も存在しますが、この機種はちゃんとなだらかにカーブしてくれます。
 日本人のワビサビの心を感じる佐々木なのでありました(笑)。


-最後に-
 はいラストっ!今回は時間かかったなぁ・・・。なんで時間がかかったかというと冒頭に書いたとおり、あまりにもよく出来過ぎていて、シンセのダメダメな部分→佐々木にとって最高の部分・・という反骨精神バリバリのジャンキー見解を見事に壊すマシンであったから(笑)。で、ベース、リード、ソロ、ブラス、ストリングス、パッド、SE・・・・・困ったときは知らず知らず使っていて、あまりにも良くできたマシンだったが為に、このオールマイティーぶりが逆に器用貧乏として扱っていたのです。今回これを書きながら少し反省「ごめんSuper Jupiterくん、君がいないと僕がダメダメ人間でした・・・」(笑)。
 このマシンが出た当時、一番定番として使われた方法はDX7(旧の方ね)とレイヤーするといった方法。コレね、両方持つといかにベストマッチングかがわかりますよ!DX7のガツンとしたアタックにMKS-80のコシ。この場合でもDXはDXなりにコシや倍音を持っているわけで、あまりにもレイヤーする機種が野太くてもマッチングとしては成立しないわけです(まぁ、すげー図太くはなるけど、どこかしら双方の音のキメを殺すことになりかねないワケっす)。何度も言いますが、MKS-80は太すぎず細すぎず、でも出るトコは出て、引っ込めたいときは引っ込む・・・この不思議な魅力で、灰汁だらけのDXを優しくフォローしていたわけですね。トキのペアリングのごとく難しいシンセ同士のレイアーにおいて(オイオイ、ホントか?)、このレイヤーは異機種同士としては唯一“1+1”が“3”になる、未だに最高にして完璧なの組み合わせと思います。

 佐々木のMKS-80は逆輸入バージョンだったので、120V仕様だったのですが、途中、たぶんVCFの安定が悪くなり音のバランスが悪くなってRolandへ出したところ、なぜか100Vになって帰ってきました(笑)。でもそれ以来すこぶる調子がよいです。最近もう修理は不可能とも聞きますが(確定ではないッスよ)、調整なら大丈夫なはず。不安定なら是非1度「調整してくれませんか?」とRolandに聞いてみては?
 今回の「これいけてるかも」いかがでした?佐々木的には文章づくりで悩んだものが文面にそのまま出ちゃって、あまりにもまとまりがない文章を作っちゃったなぁ・・・と反省してます。スミマセン。
 それでもあえて今回の特集はこいつにしようと思ったのは、たとえばPro-5ならテクノ系とかMiniMoogならプログレやブラック系、OBならアメリカン・ロックなんていう、パッと思いつく得意分野が存在するんですけど、MKS-80って、どのジャンルでも全然違和感なくイケちゃうマシンだったりするマシンなのです。なのに実力ほどメジャーなマシンでないと思うんですよ。ビンテージ・シンセ特集なんてものにも、珍重されるのはJupiter-8ばかりで、“Super Jupiter”であるはずのMKS-80はあまりページを割かれていた記憶がないし・・・。だから意地になっちゃいました(笑)。
 今回も長々と書きましたが、要は「すっげー便利でなんにでも合います!」って言ってしまえば終わるという、恐ろしいマシンであったです。本物のシンセはね、ヘッドホンで聴くと、鼓膜のみならず、ホホや、喉ぼとけや、喉のリンパ線あたりがちゃんと振動するんですよ(笑)コレは今のところのデジタルじゃ絶対出ないし、音量の大小の問題でもないんです。弾いていて気持ちいいと感じるのはこういう部分がちゃんとしてるからなんだと思っています。

 さて、最近ではこのMKS-80の中古も安く手に入りつつありますが、一つだけアドバイスするとすれば、多少高くても本体とDINケーブルで繋ぐMPG-80(コントローラー)と一緒に買うことをお勧めします。本体のみでエディットは可能ですが、その場合このマシンの潜在能力の20分の1も出せません。別々で買うと結構足元を見られ高く付くので、出来ればセット売りを買いましょう!大体相場で20万前後かそれ以下ですが「ちょっと興味があるな」程度の安っちい意気込みでないならば、必ずもとを取ることの出来るマシンですよ(笑)。