これいけてるかも

さて、このコーナーはハード、ソフト、果てはシンセに限らず、佐々木の機材達を勝手に細かく掘り下げてみようと言うコーナー。
雑誌ではどうしても良い面が強調され、使ってみたら「こんなところがダメだよ」とか「ここがこうなっていれば・・」なんて事がありますよね。絶対的にお金が絡む以上、それはしょうがない部分だと思います。
でも、ここは非営利な個人の見解ですから、使ってみた正直な感想を述べて行こうと思います。
人が作る楽器である以上、良いところもあれば、悪いところもあるはず。すこしヌケてるぐらいがかわいいってモンよ!それらをすべて許して愛してこそ真のシンセ・ジャンキー也!

なんと今回3年ぶり。凄いよ。テキトウだな(笑)。
実はこの間、ボツにしたネタが2コあったんです。どちらも「お前、ふざけんな、そんなモン書いて中古が高くなったら殴る。」と言われ止めました(爆)。 それほどの影響力はねーだろーよ(笑)。

さて、今回選んだのはMKS-20。無茶苦茶な持論を今回も展開しつつ・・・・。

Roland “MKS-20”
-はじめに-

唐突に・・・・どうも最近の「リアルです!」系の音色、難しいッス(笑)。

 そもそもズボラな佐々木、未だにエクスクルーシブ・メッセージとかをチマチマ書いて(←ココ重要。“書いて”というのがどうも・・・。リアルタイムでコントロールしたツマミ情報はアリよ;笑)音源を無尽にコントロールするのはあまり好きでない。
チマチマと音色を作るのは好きだが、チマチマと16進を書くのは性に合わない(笑)。

うん、ぶっちゃけGM楽器とかで「おー!このギターリアルじゃん!」とかは??な人であることはご承知の通り(爆)。
 だってリアルじゃないモン(笑)、よけい気持ち悪いって。あまり似すぎてるものまねは面白くないって。“コロッケ”くらいデフォルメしてるか、“ビジー・フォー” みたいに「それは持ち曲じゃん!!」くらい似てない方が面白いって。

 「楽か楽じゃないか」で行くと、リアルなフェイクほど扱いが難しいと思うのね、音場感とか演奏とかに逆に神経使うでしょ?
例えば音源がリアルで、んじゃハイハットとかもリアルにしようと思ったら大変じゃない。で、CDとか聴いてて人が叩いてるのかと思ったら、ふとした瞬間に機械だとばれると「あー、なんかリアルに聴かせる為にこの人はディスプレイの前でチマチマやってたのかな?」と思うと、スンゲー萎えるじゃない(笑)?

「金さえあれば生使うよーっ!」っていうんであれば、いいと思うんです、そういう意気込みならば。それは仕方なし。不景気だもの。ただ、「ギターと言えばプリセット何番とか、ストリングスは何番・・」とかになってはまずいかと(笑)、シンセはシンセな音色で最強かと。

 それらの音色を使っていて、「あぁ、いつかは本物を使ってみたい!」とか「生録音だったらどんな風なんだろう?」と思えるなら、まだまだこれからの人生楽しみが盛りだくさんです(笑)。
 でも、もしそれらの音色が「マジ本物!最高にリアル!」と感じるなら・・・、今回は少しだけ強気な言葉で言う(笑)、 それはその元となった楽器をバカにしすぎ。そしてそれらの楽器に対するスキルがあまりにも足りないと言う事の証。

 早合点はしないでね(笑)、別にそう言う大容量PCMがダメとは言ってない。もちろん自分も使う。 演奏する行為は「気分良く」とか「感情を込めて」などと言う事がとても大切だから、大容量のPCMによって少しでも本物の楽器の感じを味わいながら、そしてその空間を感じ取りながら演奏出来るならば、それはとてもすばらしく良い状態だと僕も思います。 なにせラインで音が出力できる!もう便利この上ないです! たったワンクリックで、世界の名器と呼ばれる楽器の「感じ」を味わえる訳だから、それはとても贅沢なツールであることは間違いないと思います。

 ただ、人間の耳はとても不思議な物で、「それっぽいが異質な物」よりも「とてもリアルなフェイク」に対しての方が鋭敏に五感が反応します。 たぶん、とても似ているからこそ、その違いやアラを探し、本物でないことを感覚的に確認したい生き物なのでしょう(笑)。

で、今回の話題はピアノ系音色ね。

-回想- | -MKS-20- | -音色- | -その他- | 最後に
-回想-

 ピアノはどうも苦手な佐々木、例えば生ピアノの場合。
 ピアノという楽器は当然ながら音色は“ピアノ”なのに、非常に表現に幅が広いじゃない?クラッシックでも何でも、音色としては“ピアノ”なのですが、それは時として太鼓であったり、グロッケンであったり、地鳴りであったり、小鳥のさえずりであったり、川のせせらぎであったり、犬の足音であったりと、その表現者の意志によってピアノは“ピアノ”でありながらピアノという音では無かったりするわけです。

 で、自分は?というと、耳ばっかり肥えちゃってるから、自分の演奏能力とその楽器の表力の幅のギャップに愕然とするわけですよ(笑)もう・・・ガックシって感じで。
 また倍音多いじゃない?しかも音域広い訳で、ソレを活かした感じで!となると、そりゃ佐々木にはムリですわ(くれぐれもポップスの歌の伴奏程度のことを言っているのでは無いのでヨロシク)。

 色々な楽器が入るなら、うまく倍音のぶつからないように音色を考えるなどが出来ますが、ピアノの場合それを耳と指先で的確にコントロールするわけですな。そりゃオネショもするかもしれない、こ〜〜んな小さい時からやっててもドロップアウトしていく人がごまんといる楽器だもん、16〜7で楽器持った人間がソコまではムリムリ(笑)、ましてやノコギリ波最高!と思ってる人間だもの、ムリムリ(笑)。

そもそもピアノという音色に興味を持った経緯が常人と違います。順を追うと・・・

1、シンセ大好き!
    ↓
2、買ってみました!
    ↓
3、FM音源?なに!シンセ野郎には必須とな!?(←あくまで当時;笑)
    ↓
4、DX7II買いました!うひ〜変な音!難しい!でも俺、シンセ野郎だからマスターします!(←ヒマ;当時)
    ↓
5、サスティン系はイマイチなじまんナ、やっぱディケイ系音色はイイ!
    ↓
6、あぁ・・FMでディケイ系音色作っているウチにエレピ好きになってきたかも・・(←自己暗示、自己サブリミナル;爆)
    ↓
7、ローズ・・・ローズ・・・ローズ・・・・(初期症状発生)
    ↓
8、「えぇ!イイの?そんな値段で売ってくれるの?買う!買う!買う!」(初期型スーツケース)
    ↓
9、「うぉ〜〜!スンバラシイ!この表現力!よし!この表現力をFMの音作りにフィードバックじゃ!」(←回帰1)
    ↓
10、「なにぃ〜!エレピも付いたクラヴィ?クラヴィネットDuoとな?自己投資だ!行ったレ!」(←歯車が狂いはじめる)
    ↓
11、「う〜む、この楽器を弾いている時のダイレクト感!FMの音作りにフィードバックじゃ!」(←何度か挫折)
    ↓
12、「うぉMARK-Vじゃん!買う!」(←この辺から感覚がヤヴァイ;笑)
    ↓
13、「うぉ〜〜!スンバラシイ!この表現力!よし!この表現力をFMの音作りにフィードバックじゃ!」(←回帰2)
    ↓
14、「え?いらないの?貰う!貰う!貰う!」(←スーツケース88)
    ↓
15、「うぉ〜!鳴らない!よし!直すぞ!うぉ〜!調整するとこんなに音が変わる!」(←ハマりまくる)
    ↓
16、「スンバラシイ!エレピ音色最高〜〜〜〜〜っ!」(←ダメ人間)
    ↓
17、「あぁ!CP80!まさにグランドとエレピのアイノコ!この音好きだぁ〜〜!」
    ↓
18、「やはりエレピを制するにはピアノの音を研究しなくては!」(・・・・)

・・・・逆だろが!と(爆)。

そんなこんなで上記の「8」くらいの時期から、減衰系の音色ばっかり作ってよろんでた時期があったんです。
「17」に関しては昔、練習スタジオやライブハウスには結構置いてあったのでよく触ってましたが、エレピ好きが講じてあらためてイイ音だなぁと思いました(笑)。
その後はTX816、MOSS音源と更なるバカ道へと・・・・。

 そもそも姉の影響で普通に洋楽や特にブラコン(当時:今で言うR&Bですな)をよく聴いていた事もあり、それらのピアノ、エレピの音の使い方がすごい好きでした。
 ピアノ、CP、FM、ローズ、ウーリッツアー・・・この辺りは聴き分けがが付くようになった佐々木でしたが、そのブラックで使われる音色で一つどうしても解らないものがありました。 その音色は、ピアノっぽい響き、ホンキートンクっぽい甘さ、アタックの硬質さ、低音弦の緩い感じ?ヴィブラフォンのような金属感を併せ持っており、ブラック特有の甘くて太い声にとてもよく合い、凝ったアレンジ、ストリングスやグルーヴがあるのに機械的な音のリズムとも相性のいい音色。
 「CP?いや違うな?FM?う〜ん・・違う・・。ダイノマイ?感覚は近いんだけど違う・・。FMとMIDI付きの後期CPのレイヤー?近いけどなにかが違うなぁ?なんだこれ・・・?」その間、カーツウェルやKORGのSG-1Dなど、可能性のある物は調べてみましたが、音色がどうも違いました。

どれも近い所を突いてはいるけど、どうもスッキリしない・・・。
一番イヤな感覚。録音手法の違いとあきらめたいが、この感覚、よく知っている感覚。

 Moogを触った時もそう、Rhodesを触った時もそう、ProphetもOberheimも、808や909や303を触った時もそうだった。本物を触った時に「あぁ・・これだ。これだったんだ。」と、はじめて氷解するいつもの感覚(爆)。
 これはなにか特定の一機種があるに違いないと思いました。

 さてその頃から、ダイノマイやCP系の音が欲しい場合、S760とそこの60's&70's ROMを使っていました。もちろん本物はとても素晴らしいですが、さすがに所有出来るスペースはないので(スペースの問題かよっ!)、“絶対的にその音色”にしたい場合、丁寧に作られていて一番扱いやすいその組み合わせを今でもよく用いております(な、俺も使うって;笑)。
逆に言うと他は“リアル・ブツ”があるわけで、あまり見向きもしなかったわけですが(笑)、ある日、同社の“RHYTHM SECTION”をロードした時に、“MKS-20”のパッチを見て「おぉ、そういやノーチェックだった。」と思い、ロードしてみると・・・。
「あれ?これじゃねーか?」近い!どうにも近すぎる!かなり近い!・・・・これだ!なんだ、RDじゃん!

 JVもあったし、実際何度か聴いているはずでしたが、意識しないと解らないものですね。知ってはいるけど、知らなかった(笑)、まさに灯台もと暗し、こんな身近にヒントが在ったとは。


やっとたどり着いたMKS-20。もう気持ちはスッキリ!
 特定出来ればシメたもの。その時はその音を今すぐ必須としていたわけではないので、760もJVもあるからとりあえずソレでしばらくは代用。余裕がでたら買ってしまおう!そんな感じで、実際購入したのはかなり後でした。
    
-MKS-20-

では、あらためてMKS-20について解説を・・・(やっとかよ)。

MKS-20はRD-1000というRolandのデジタル・ピアノの最音源部です。
RD-1000は1986年頃の製品で、当時としてはスッキリとしていながらちょっとサイバーな(笑)な外観とスタンド、何げにデカいペダルで「カッコええ・・」と思ってました。今で言うとKAWAIのデジピMP9000に少し似ていて、もっと渋い色で奥行きを伸ばしたような(上にシンセ乗るし)外観を持っています。

その音源部であるMKS-20。まぁMKSらしいというか(笑)・・やはり無骨な顔つき。そもそもピアノ音源なので、懲りようがないと言えば無いですね。
 音源方式は「SA音源」。イマイチ資料が揃いきらず確定発言ではないですが、遠い記憶ではチップがD-50などのLA音源の兄弟で仕組み的にはU-110など 応用・・・のような関係だったとか・・すまんス、思い出せない。。なんかでそんなことを読んだ気が・・(^_^;)。
 アタックなどの倍音が豊富な部分と、ボディーの芯部分を分解抽出して、サンプリングレイトや何やかんやを、メモリーをうまく削りながら綺麗な音が出るように工夫したとかなんとか・・・。
 まぁとにかくですね、当時のサンプル読み出し用のROMなんてたかがしれてますから、その辺うま〜く処理しているんです、表現豊かに・・・と。
 ちなみにピアノ系音色の基本発音数は16ですが、このサンプリングレイト等の兼ね合いで、ハープシコードなどは発音数が10なのだそうな。

 たしかにこれが良く出来てまして、キースプリットはしてあるんですが、その境目などは結構綺麗で目立たないのですよ。そして、きっとココが重要なのかもしれませんが、ダイナミクス表現に関してですが、これがまた巧い!変化が綺麗!「ガーン!」とフォルテで弾いた時の音が飽和するような感じというか倍音の変化の仕方がよく出てるのです。これはなんだろうねぇ・・・音量よりもフィルタの絞り方が巧いのかな?いや。フィルタ使ってるのかな?分離抽出した倍音別の波形のボリューム変化の妙なのかな??
 ときに佐々木はサンプラーのベロシティーによる音色変化は音量よりもフィルタに重点を置く派なので、MKS-20の変化の仕方は本当に好きです。脱帽モノ(笑)。センスなんだろうね。波形処理のセンス。絶妙な処理と配置のセンス。頭が下がります。
 
 で、このMKS-20、その音の後段には「EQ」、「TREMORO」、「CHORUS」を搭載しておりまして、全てを同時に使用可能です。
 「EQ」はTREBLEとBASSが固定型で+-10.5dB加工出来ます。MIDに関しては400Hz〜4000Hzまで周波数を可変でき、Qも8段階に幅を変えることができるパラメトリックタイプになっています。
 「TREMORO」、「CHORUS」に関しては、あのRoland特有の感じです(笑)。少しもっさりとしていて効きがよく、マイルドな感じ。どちらもパラメータはRATEとDEPTHのみ。

 このエフェクター部がまた・・・ナンつうか“巧み”なんです(笑)。もう“匠”の“巧み”って感じで(意味不明;爆)。
 一見するとたいしたパラメータでは無いように感じられますが、かなりのジャストポイントなのです。「EQ」は倍音のブリリアント加減と芯の出方をコントロールするのに最適なポジションを的確にそして劇的に変化させる位置ですし、「TREMORO」や「CHORUS」もCEから培った技術のおかげか、ウマイ「影」を出してくれます。
後で話がでますが、MKS-20は中を空けると、音の部分とエフェクトの部分で綺麗に2つのボードが載っています。ちょっと贅沢な気がする作りです(笑)。
 だいたい最近のシンセはやたらエフェクターがついてますが、もう「それ、そんないじれるか?」ってほどパラメータ多いですよね。それはじっくりいじるなら良いのですが、速攻性にはすこぶる欠けてしまいますからね。デジピという性格上、よけいにココは重要。大体デジピ物はEQなどが3バンド程度で、たまに「もう少し上の周波数を上げたい!」と思う機種もありますが、MKS-20はそう思ったことがありません。ポイント取りのうまさが光ってます(笑)。
 
-音色-

MKS-20の基本音色は8つ。バンクは8×8の64あります。ですから基本的にはこの基本音色8つに対し、バンク別で「コーラス深めバンク」とか「音を明るめにしたバンク」などで分ける使い方が一般的かと思います。

・PIANO 1
 今時のピアノ音色に比べると少しメロウな感じのピアノ音色。この音源の音色に総じて言えることだが、低音部がシャキっとしています。そうねぇ・・CPっぽくというかAKGでハンマーの所を中心に拾ったような・・・そんな音色。

・PIANO 2
 「PIANO 1」をもっと柔らかくした感じの音色。ちょうど「1」の方をf音色、「2」をmp音色として録って分けたような。ちなみに「1」と「2」をベロシティー・レイヤー出来るわけではないです。ハイ。

・PIANO 3
 MKS-20の中で、一番頻繁に使われている音。CP系のエレクトリックグランドを模範としたような、硬質なアタックとモリっとしたボディー音を持つ、MKS-20をMKS-20たらしめる(20!20!と、しつこいが:笑)、個性的な音。

・HARPSICORD
 特に使った記憶が無いが(笑)・・・当時としてはかなりリアルなのではないかと。Rolandらしい質感のハープシコード音。

・CLAVI
 これもかなり特殊な・・・というか大胆な・・・(笑)。クラヴィネットにはあまり似てないかもしれないが、あえて言うならクラビネットのタブ「B」とか「C」とか(だっけ?最近開けてないから忘れたッス;汗)の音色、もしくはミュートした時のような音色・・かな(笑)?ただし弾いた時の粘っこい音の残り方などが、本物と同じような味を持っていて「あー、さすが何が気持ち良いのか、よく楽器を知ってるなぁ・・」と感心させられる出来。

・VIBRAPHONE
 これもあまり使いませんが、すこぶるRolandらしい質感を持ったビブラフォン音色。Rolandのヴィブラフォンってなじみが良いんだよね。

・E.PIANO 1
 「PIANO 3」と同じくらい使用頻度の高いエレピ音色。感覚としてはダイノマイ系ローズといった面持ち。

・E.PIANO 2

 こちらは「E.PIANO 1」に比べ、多少メロウなエレピ音。初期型のDXに入っているようなFMっぽいエレピ。


 ただココで一つ、「E.PIANO 1」と「E.PIANO 2」に関しては、「E.PIANO 1」がローズで「E.PIANO 2」がダイノマイだろう?という人もいます。佐々木的には、素の状態では「E.PIANO 2」の方がキラっとしているのですが、「E.PIANO 1」の方が倍音感が豊富な感じがするんですよね。。ですから上記のように表現しました。最後は自分の耳で判断してみてください(^_^;)
-回想- | -MKS-20- | -音色- | -その他- | 最後に
-その他-

 上で書いた「MKSの音を知っていたのにも関わらす、それと気づかなかった理由」はもう一つ。それはそれが「本物の出力」では無かったから。
 MKS-20とてデジタル楽器、それほどの差は無いのでは?と思われるかもしれません。「DAの違いがわかる男・・・」とまでは申しませんが(笑)、やはりサンプリングしたものは完璧にピントが合ってはくれません。使っていて違和感はないものの“リアル・ブツ”にだけある奥行き感のような物は完璧に消えます。逆にソレが完璧に再現されるようなら、いちいち重くてデカくて壊れやすい“旧式”を使う人はいないわけで、その“録音して、音をいじって、他の楽器と混ざってしまった場合、見分けがつかないかもしれないかもしれない小さな違い”は、結局、自身の納得の度合いで決定される物かもしれませんが、演奏者が弾いている時に一番重要な要素だと思います。だってギターやベースの人だってこだわるでしょ?

 ちなみにMKS-20系はその後、同様のスペックで1UタイプのP-330という機種に取って代わられます。またJVなどのプリセットにある「SA PIANO」などという音色もこのMKS-20の音色のシミュレーションです。
 P-330がどの程度一緒なのかは触ったことがないのでなんとも言えませんが、「SA PIANO」などという音色はそのウチのJV-1080で聴くとハッキリ言ってよく出来てます(2080で聴くと似てません;笑)。でもやはり音が軽いんです。
 MKS-20がMKS-20である為には、あの軽いようで重い、少し枯れていて影のある音質感・・・それが重要です(笑)。

 つい最近、人のレコーディングで使ってみましたが、コイツのいい所は“ピアノ系音色”としてしっかりと成り立ち主張しているにもかかわらず、あまり他の楽器の出音の邪魔をしないと言う事に気が付きました。
 コンピュータの中だけでMIXをしなきゃならない場合(最近はほとんどそうか;汗)、逆に最近のPCMシンセのピアノはリアルチックで豊かな音色故に、単体で鳴らしている時はイイものの、他の楽器と混ぜ合わせるととたんにガンガン位相がぶつかってとても扱いが難しくなりますな。

☆例えば・・・
 「いやぁ〜、やっぱこの曲はさぁー、っング!っング!って言うグルーブなんだよねぇ〜。だからCP使いたいんだよCP! なに?無いのかよ。ダイノマイは?無いのかよ、おぃおぃ〜。あ?サンプラー?あ〜、ダメダメ。サンプラーは前にロンドンで2回アタった事があるから。それ以来使った事無いんだわ、他なんかないの?他ぁ〜。」

・・・・・って、わがままを言うクライアントがいたときに(いねーよ)、自信を持って薦められる音源。それがMKS-20だったりする。
-最後に-

ここで一つクエスチョン。
シンセに入っているピアノで、有名な音色、思い出す音色(機種名)って何を思い浮かべる?

M1?JD800?カーツェル?FM?・・・・その音色を生のピアノと比べてどう?

佐々木の意見としては「似てない・・気持ちは汲む・・でも似てない・・」。

でもどうでしょう?
 それらの音色ってひとえに“ピアノ系音色”として素晴らしい個性を感じません?(笑)
 不思議と“名音色”とされるものは、良くも悪くも音が大いに曲者であると思いませんか? 佐々木が好きなのもまさしくソコ!

 MKS-20を触っていると、「これはD/Aなんかのスペックやパーツが決まっていて、そこからマッチングする波形処理をしたのかな?」とか「音の最終的なエディットはやはり一人の人が責任を持ってやったのかな?」とか、そうでなかったにせよその絶妙な出音に想像が膨らみ、ただそれだけでもとても楽しいんです(笑)。

 繰り返し言いますが、大容量PCM、否定じゃないんですよ(笑)。ただ僕は「シンセはシンセという楽器で、シンセな音を出す楽器」と言い続ける人なので、もしシンセを「生楽器のお手軽でリアルな代用品」と思っているなら、「一度でイイからその元となる生楽器を身近で聴いてスキルを伸ばしても損はないよ!」と(笑)。
 「ウルせー、よけいなお世話だ!」と、むやみにガナれるのは10代まで(笑)。20歳を越えたら、タバコは吸える、お酒は飲める、自分の意志とお金でライブでもコンサートにも行けるはず。

聴き比べて何も違わないのなら、それはあなたの感性。そこまで。それはそれでイイじゃないか(笑)。

 でももし「なにかが違うと感じる」、「何が違うのか考えてみる」、「違うからいいのか?」、「違うけどいいのか?」そんな心の余裕や探求心があるのなら、まだまだこれからの人生、考える楽しさや音や音楽を作る楽しさや発見が長々と続く・・・保証します(笑)。

 でも弾く人が弾くと、どんなヘボ音色でも、その人がイメージする楽器音に聞こえる・・・それもまた真実(爆)。

バックナンバー 1  KORG WaveStation A/Dを読む
バックナンバー 2 YAMAHA SY77&SY99を読む。
バックナンバー 3  KORG DW-8000を読む。
バックナンバー 4  Roland MKS-80を読む。
バックナンバー 5 Digidesign SOUND DESIGNER IIを読む(追記、修正あり)