#1. だから相対論は間違っている

目次へ #0. 相対論こそ超科学だ
#2. マイケルソン・モーレーの実験

私の手元にある窪田氏の相対論に関する著作は、

の5冊です。窪田氏の一貫した主張は以下のようなものです。

  1. 光がどの方向にも同じ速さ c で伝わる特別な慣性系(静止系)が存在する
  2. 静止系に対して運動している系では光の速さは見かけ上変化してよい
  3. 光の運動は通常の物体のそれとは違い、光源の運動には依存しない
  4. マイケルソン・モーレーの実験は光の速さが見かけ上変化することを示していた

  5. レーザーもエレクトロニクスもなかった20世紀初頭の (アインシュタインも含めた)物理学者たちには 1.〜4. が理解できなかった
  6. そのためアインシュタインは「光速不変の原理」「相対性原理 という間違った仮定のもとに特殊相対性理論を作り、 物理学者たちもそれを受け入れてしまった

  7. 以上のような間違った仮定をもとにしているため、 相対論にはさまざまな矛盾が存在するが、 物理学者たちはこじつけと数学的なトリックでごまかしている
  8. だが、そもそも本質的に矛盾だらけの理論なため、 簡単な思考実験で間違いが証明できる

  9. 一般相対論もまた、無理な仮定のもとにつくられた矛盾だらけの理論である
  10. 特殊および一般相対論を検証した、と称する実験・観測は全てこじつけと欺瞞である
  11. レーザーなどを使った最新の実験が次々に相対論の反証をもたらしている

 もちろん、これらはことごとく間違っています。まず、1.〜3. は19世紀から20世紀初頭の物理学者たちの一般的な認識で、 見かけ上の光速が変化するはずであることを理解していたからこそ、 その見かけ上の変化を測定しようとして、 マイケルソン・モーレーの実験に代表されるさまざまな実験を行ったのです。 ですから、5. は完全に歴史認識を誤っています。 このような歴史認識の間違いは、超科学者の多くに共通の特徴です。

 そして、もちろん 4. も間違いで、 マイケルソン・モーレーの実験は見かけ上の光速が変化しないことを示していました。 この部分は窪田氏の主張の核心なので、後で詳しく説明しますが、この

「光速が見かけ上変化することを示していた」

 という主張には重大な欺瞞が隠されています。 窪田氏によるこの実験の解析はもちろん間違っているのですが、 仮にそれを認めたとしても、そのことからいえるのは、

「光速が見かけ上変化していてもこの実験ではそれを知ることができない」

ということだけです。それをいつのまにか、 「変化することを示していた」という主張にすりかえているのです。 おそらくは無意識のうちにやったことでしょうが、 結果として大嘘であることには変わりありません。

 さて、このマイケルソン・モーレーの実験に対する窪田氏の指摘は、 窪田氏の主張の核心で、逆に言えばあとの主張、 つまり、6.〜11.は単なる難癖にすぎません。

 「超科学を失笑する」立場の私から見れば、 この「難癖」こそもっともつっこみ甲斐のある部分なのですが、 肝心の「核心」をほっといて、枝葉末節ばかり取り上げると、 単なる「揚げ足取り」に堕してしまうので、まずは手早く核心を片づけましょう。

 そこで次章ではまず、マイケルソン・モーレーの実験を解説します。

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