国立公園守るエコバス

国立公園守るエコバス

国立公園を通る路線に配備された濃飛バスの低公害バス＝上宝村平湯温泉で

濃飛バス（本社・高山市）は今年度、低公害バスを新たに３台購入して１１台態勢を
敷いた。「これで通常車は使わなくて大丈夫」といい、乗鞍・新穂高温泉・上高地線
に活用する。低公害車では先輩格の長野県・松本電鉄は昨年度と今年度で７台購入し
て４０台態勢。富山県の立山開発鉄道の９台と合わせ、中部山岳国立公園は低公害バ
スの時代になった。

濃飛バスは７月中旬、大型の低公害バス３台を導入、この４年間で計１１台とした。
「臨時増発などの特殊な時期を除けば、これで国立公園を通る全路線を低公害バスで
運用できる状態になった」という。

今年度の導入車は、化学反応を早める物質を使う「酸化触媒装置」をマフラー部に装
着し、排ガスに含まれる有害物質を減らす方式。同社によると全国で初めてという。
メーカーの表示では窒素酸化物を２８・５％、粉じん３１・８％、黒鉛７２・２％を
低減できる。

ＪＲ高山駅前のバスセンターから新穂高温泉行きと平湯温泉行き、両温泉を結ぶ線の
３路線を通年運行。積雪期を除く約６カ月間は乗鞍岳から長野県・上高地行きと、上
高地から平湯温泉行きの２路線に運行させる。

松本電鉄は松本、上高地、高山、乗鞍などの路線バスに、今年度２台を追加して総数
４０台の大台に乗せた。車体には「黒煙７０％・ＮＯｘ３０％削減」と表記してＰ
Ｒ。濃飛バスと相互乗り入れしながら、国立公園内の排ガス公害低減を進めている。

立山開発鉄道は室堂－美女平間の２３キロに９８年から毎年３台の低公害バスを導入
してきた。「４０台の通常車を、今後も低公害車に切り替えていきたい」と方針を話
している。（8/21 asahi.com 岐阜版）

ＡＣＨＰ編集部
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